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ツムラCSR~社会と企業の共通価値創造を目指して~

特集2 ヒューマンライフ土佐における取り組み

ツムラグループの主要拠点における栽培契約は、農林水産省が推進する6次産業化を見据え、原料生薬の栽培・収穫だけではなく、加工・販売を含めた一元的な内容で締結をしています。これにより生産者は3つの産業の利益を得る6次産業の経営モデルを実践しています。また、ツムラ生薬GACPで管理する基準・規則に則り生薬栽培を実施することで、医薬品の原料としての条件を満たす、安全な生薬を安定確保しています。
特集2では、原料生薬の安定調達を通じた社会と企業の共通価値創造に向けた活動を紹介します。

ヒューマンライフ土佐

高知県越知町の農事組合法人「ヒューマンライフ土佐」は、1990年に設立され、1992年から漢方薬の原料となる生薬の契約栽培が開始されている国内契約栽培主要拠点のひとつです。
主に抑肝散や大建中湯の原料となる柴胡や山椒などの生薬の栽培・収穫から加工、当社への販売までを手がけており3つの産業の利益を得る「6次産業※」の先駆けとなる経営モデルを実践しています。
高知県では、温暖湿潤な気候に加え複雑な地形条件を有しているため、古くからさまざまな生薬が栽培されてきました。ヒューマンライフ土佐はこのような経験的な知識や技術をできる限り可視化し、生産者間で共有して収量を上げています。収量を上げれば収入も増えるなど生産者の安定収益につながります。
生薬の栽培は医薬品の原料としての基準を満たすなどの条件をクリアし、一度軌道にのれば、品種により日常の作業は相対的に軽く、高齢者でも参画できます。越知町では生薬の契約栽培面積が年を追って増加しており、生産者の収益の安定化により若者の農業従事者が増え、高齢者が農業技術を伝承するという一次産業本来の事業継続サイクルが再開しています。またこれは、耕作放棄地の拡大防止にもつながっています。
※6次産業:薬用作物の栽培(1次産業)×生薬への加工(2次産業)×生薬の販売(3次産業)

柴胡

Voice

持続可能な生薬栽培を目指す

農事組合法人「ヒューマンライフ土佐」は1990年に設立し現在460名の組合員が三島 柴胡を中心に、山椒枳実を生産し加工調製を行っています。柴胡の収穫は12月から1月末にかけての収穫となり冬の大きな収入源となっております。また山椒、枳実は真夏の猛暑の中の収穫ですが多くの作業員の方を動員して収穫をしています。これもツムラとの契約栽培という安定した収入を得られる強みもあり、高齢の方も元気いっぱいがんばっています。
わたしたちが育てた生薬が漢方薬となり病気治療に貢献していると思うと、やりがいを感じると同時に生薬の栽培や、加工、調製作業の工程において安心安全な生薬を納入すると言う大きな責務もあります。
当組合においても、若い新規就農者もいますが高齢化の波は避けて通れない問題で今後、栽培面積や出荷量をどのように安定させ継続して行くかが大きな課題でもあります。ツムラとの協働の森づくり「土佐ツムラの森」事業通じて将来、学生たちが何らかの形で生薬に携わってくれることを期待しています。

農事組合法人「ヒューマンライフ土佐」組合長 山中 嘉壽馬

生薬栽培による地域の活性化

越知町内の農地の多くが傾斜地に位置する条件不利農地であるため、農業者の減少と高齢化が進行し、耕作放棄地が拡大しています。また、傾斜地の農地は高齢者にとって作業負担が大きく、これも耕作放棄地の拡大につながっています。
越知町では古くからさまざまな生薬が栽培されており、農作物に比べ手間がかからず、農閑期の貴重な収入源となる生薬栽培が広く導入されました。ヒューマンライフ土佐では、生産量を拡大するために、離農者から放棄耕作地を借り入れや、高品質かつ効率のよい生薬生産に向けた圃場の選定や、最適な栽培方法の指導などを行い、生薬の栽培面積の増加、生産者の収入向上につながっています。

協働の森づくり「土佐ツムラの森」

生薬の持続可能な栽培に向けて、栽培地水源地の森林の健全化を図るために、当社、高知県、越知町、ヒューマンライフ土佐の4者で2008年にパートナーズ協定を締結しました。
この「土佐ツムラの森」では、森林再生事業だけでなく、越知中学校への出前授業など地域交流を行っています。この活動は、地域活性化の輪をさらに広げることに貢献できるものと考えています。

水源の仁淀川

出前授業

薬草採取を体験された越知中学生の皆さん

Voice

中山間地域農業の挑戦

高知県の中西部に位置する越知町は、農業を基幹産業とする典型的な中山間地域です。ヒューマンライフ土佐を中心として始まった生薬栽培はわが町の農業の活性化にも大きく寄与しており、高知県の生薬栽培の中心的な存在となっています。
生薬栽培を軌道に乗せることができたのは、生産者の皆さんの並々ならぬ努力、ツムラとの大きな信頼関係があってのことだと認識しています。
越知町とツムラの良好な関係は、ヒューマンライフ土佐を介した協働の森づくり「土佐ツムラの森」事業が大きな役割を果たしています。越知中学校への出前授業や森林・薬草を題材にした野外活動などを実施していることが、地域を巻き込んだ活動にまで発展しています。今後においては、栽培技術の向上・設備投資などを図り、安全な生薬を供給できるよう各団体がさらに連携をしていくことで、相乗効果(Win-Winの関係)が期待できると考えています。

高知県越知町長 小田 保行