ブックタイトルツムラグループ コーポレートレポート 2014

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ツムラグループ コーポレートレポート 2014

育薬の推進 医療用漢方製剤を処方しない医師があげる一番の理由は、科学的根拠がないというものでした。そこで、当社は近年の疾病構造を見据え、医療ニーズの高い領域において新薬治療で難渋している疾患で、医療用漢方製剤が特異的に効果を発揮する疾患に的を絞り、エビデンスを確立することを「育薬」と名付け、2004年度から取り組みを開始しました。現在は、全129処方の中から大ダイケンチュウトウ建中湯・六リッ君クン子シ 湯トウ・抑ヨクカンサン肝散・牛ゴ 車シャ腎ジンキガン気丸・ 2013年度は、DDW※1と米国生物学的精神医学会議で抑肝散・大建中湯・六君子湯・半夏瀉心湯・芍薬甘草湯の研究結果が発表されました。今年5月のDDW2014では、国内で実施してきた二重盲検群間比較試験※2 の結果、3演題(大建中湯1演題、六君子湯2演題)を含む16演題が採択されました。 術後イレウスなどに伴う痛みや膨満感などの腹部症状に対して、消化器外科領域を中心に広く使用されています。基礎研究では消化管運動亢進作用、腸管血流増加作用、抗炎症作用などの作用メカニズムが詳細に検討され、臨床効果の裏付けとともにさまざまな学会および医学系雑誌で報告されています。 興奮、幻覚、妄想、睡眠障害などの認知症の行動・心理症状に対して使用されており、三大認知症であるアルツハイマー型・血管性・レビー小体型のいずれにおいても、その効果が認められています。セロトニンやグルタミン酸神経系に作用することが確認されており、BPSD 以外の精神・神経疾患にも応用されています。疾患を絞ったエビデンス(科学的根拠)の確立海外でも注目される漢方研究育薬5処方の基礎・臨床研究半ハン夏ゲ 瀉シャシントウ心湯の5つを育薬処方とし、エビデンス確立に向けた基礎・臨床研究を推進しています。 また、国内外での医療用漢方製剤の基礎・臨床研究および米国における開発をより一層推進することを目的として、2013年度に「製品戦略本部」を設立し、育薬処方をきっかけに使用が広がりつつある他処方の研究体制も整えました。抑ヨクカンサン肝散■ 対象疾患・症状認知症の行動・心理症状(BPSD※ )※ BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia  (興奮、焦燥感、睡眠障害など) FD(機能性ディスペプシア)、NERD(非びらん性胃食道逆流症)などに伴う上腹部の不定愁訴や食欲不振に使用されています。基礎研究では、食欲亢進ホルモンであるグレリンに対する分泌作用などが解明され、がん患者や高齢者の食欲不振などにも臨床応用されています。六リッ君クン子シ湯トウ■ 対象疾患・症状FD、NERDなどに伴う上腹部不定愁訴大ダイケンチュウトウ建中湯■ 対象疾患・症状術後イレウス(腸管麻痺)などに伴う腹部膨満感 牛車腎気丸は抗がん剤投与に伴う末梢神経障害( しびれ・痛み・冷感)に対して、半夏瀉心湯は抗がん剤投与や放射線療法に伴う消化管粘膜障害(下痢・口内炎)に対して、それぞれの症状の軽減を目的に研究が進められています。がん領域の最新エビデンスを通じて患者様に対して正しい漢方治療を行っていただけるよう、漢方キャラバンセミナーを開催しました。セミナーは「厚生労働科学研究 第3次対がん総合戦略研究事業『がん治療の副作用軽減ならびにがん患者のQOL 向上のための漢方薬の臨床応用とその作用機構の解明』研究班」と共催し、合計1,354名の医療関係者に参加いただきました。牛ゴ車シャ腎ジンキガン気丸半ハン夏ゲ瀉シャシントウ心湯■ 対象疾患・症状抗がん剤などによる末梢神経障害(しびれなど)■ 対象疾患・症状抗がん剤などによる粘膜障害(下痢・口内炎)※1 DDW:米国で毎年開催される消化器関連の学術集会(Digestive Disease Week)※ 2 二重盲検群間比較試験:臨床試験において、データのバイアス(偏り)を軽減するために無作為に対照群(プラセボ)、被検群に割り付けて評価する方法コーポレートレポート 2014