ツムラグループ コーポレートレポート 2015
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抑肝散は、セロトニンやグルタミン酸神経系に作用することが確認されており、BPSD以外の精神・神経疾患の症状緩和にも応用されています。2013年には、過去の比較試験の研究成果を統合させたメタ解析※1が報告(エビデンスレベル1a)され、着替え・食事・排泄などの日常生活の基本動作(ADL※2)を低下させないことも明らかになりました。また、高齢の患者様にも安心して服用いただくため、2014年3月に終了した副作用発現頻度調査の結果を、安全性情報として医療担当者に伝達する活動を行いました。エビデンスの構築認知症に対する取り組みツムラCSR ~社会と企業の共通価値創造を目指して~日本における認知症の現状2012年に462万といわれていた認知症の人は、厚生労働省の推計によると、2025年に700万人に達するといわれています。65歳以上の高齢者の5人に1人が相当する計算です。2014年に開催された「認知症サミット日本後継イベント」を受け、国家戦略として策定された「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」は、国民世界に先駆けて超高齢社会を迎える日本は、多くの社会的課題に直面しています。なかでも認知症は、その対策が急務といわれています。当社では、2005年より認知症に関連する情報提供活動を強化し、2007年には「認知症フォーラム」の協賛を開始しました。特集1では、BPSD(認知症の行動・心理症状)に用いられる漢方薬の抑ヨクカンサン肝散を中心に、製品を通じた社会と企業の利益を両立する活動を紹介します。医療現場に対する活動BPSDサポートエリアプロジェクト(2008年〜)主にBPSDの適切な診断と治療に対応するための医師・チーム医療研修を目的に、2008年より、NPO法人「地域認知症サポートブリッジ」の協力を得て活動を開始しました。現在まで、16エリアにて約8,500名が参加しています。特集●1の大きな関心を集め、最近では、若年性認知症や身体合併症※などが注目されています。現在、根本的な治療薬はなく、進行を抑制したり、症状を治療する薬剤が用いられています。※ 身体合併症:原疾患と一緒にいくつかの身体の不調が現れること。患者様の生活の質を著しく損ねるため、その対策が重要視されている医師や薬剤師、看護師や介護現場への適正な情報提供活動を行っていますが、MR活動にとどまらず、医療機関や研究機関との連携によるエビデンスデータの構築や、各地域の認知症対策に対するサポートにも力を入れています。BPSDサポートエリアプロジェクト研修※1 メタ解析:複数のランダム化比較試験の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のこと。メタ解析は、根拠に基づいた医療において、最も質の高い根拠とされる。※2ADL:Activities of Daily Livingコーポレートレポート 201515

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