ツムラグループ コーポレートレポート 2015
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「漢方医学の普及」を目標に活動を開始した当時、西洋医学が主体で漢方製剤も使用している医師に処方理由を質問したところ、「西洋薬で治療がうまくいかない疾患に効果を発揮したから」という回答がほとんどでした。そこで、新薬治療で難渋している疾患で、医療用漢方製剤が特異的に効果を発揮する疾患に的を絞った情報提供を展開してきました。特に、大学病院、臨床研修指定病院の医師にはその科学的根拠となるエビデンスに基づく情報漢方製剤の信頼を高めるための情報提供活動学生時代に漢方医学を学ぶ機会がなかった医師などを対象に、漢方医学を段階的に学ぶ場として「入門セミナー」や「ステップアップセミナー」を開催しています。これらのセミナーは、医師が漢方医学を体系的に学ぶ場であるとともに、医師同士の熱心な議論の場にもなっています。2015年3月末までに、入門セミナーには約4万4千名、ステップアップセミナーには約2万名の医師が参加されました。また、漢方製剤は女性特有の疾患にも広く期待が寄せられており、女性専門外来を担当している女性医療担当者対象の「漢方医学セミナー」   提供を行っています。漢方のエビデンス構築の進展や大学医学教育に漢方が導入されたことにより、漢方を理解する医師が増加してきました。漢方治療は同じ病名であっても患者様の病態に合わせた漢方薬が処方されます。患者様一人ひとりに合った最適な漢方薬を提案することを目指して、2014年度から複数の有効な漢方薬を提案する「疾患・症状別アプローチ」を実施しています。医師を対象としたセミナーも開催しています。近年、薬剤師・看護師などそれぞれの医療職種が役割分担を見直し、個々の専門性を高め、その上で幅広く連携したチーム医療がますます重要になってきています。そのような中で、薬剤師・看護師の漢方薬の情報に対するニーズは年々多くなってきており、情報提供の必要性が高まっています。そこで、薬学系・看護系学会での「漢方ランチョンセミナー」や、薬剤師・看護師のための「漢方医学セミナー」を通じて、継続的な情報提供活動を行っています。医療担当者への情報提供活動活動の原点当社の医療用漢方製剤は、1976年に33処方が薬価基準に収載されました。その後、段階的に収載処方数が増え1987年には129処方となり、1991年度には売上が約1,000億円に達するなど着実に伸長しました。そのような中、当時の主力製品で年間売上が約300億円の小ショウサイコトウ柴胡湯に副作用問題が発生。安全性を不安視する声が広がり、医療用漢方製剤全体の売上が低迷しました。この背景として、漢方製剤にも副作用はあるということが、医療現場で十分に認識されていなかったことなどが考えられます。普及が進む一方で、漢方医学的な診断や有効性・安全性を含めた「漢方医学」そのものが、医療現場や国民の皆様に十分に浸透していなかったことが一因でした。その後、それまでの営業方針を大きく転換し「漢方医学の確立」「育薬」をスタートさせるなど、さまざまな施策を実行してきました。その結果、2014年度の実績は、数量ベースで1,800万本を超えました。1,8001,7001,6001,5001,4001,3001,2001,1001,00090080070060001996(万本)(年度)199719981999200020012002200320042005200620072008200920102011201220132014育薬の推進漢方医学の普及・確立1991年 小柴胡湯の使用上の注意改訂1994年 小柴胡湯とインターフェロン製剤の併用禁忌1996年 小柴胡湯の死亡例報告※実売:医療代理店から医療機関への販売をあらわす1997年度「漢方医学の普及」を目標にさまざまな施策を開始2005年度「漢方医学の確立」に目標を変更2004年度すべての大学医学部・医科大学で漢方医学教育が実施される2004年度エビデンスの確立を目指した「育薬」をスタート■医療用漢方製剤129処方の実績推移(実売※数量の伸び)コーポレートレポート 201537

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