ツムラグループ コーポレートレポート 2015
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育薬の推進医療用漢方製剤を処方していない医師があげる一番の理由は、科学的根拠がないというものでした。そこで、近年の疾病構造を見据え、医療ニーズの高い領域において新薬治療で難渋している疾患で、医療用漢方製剤が特異的に効果を発揮する疾患に的を絞り、エビデンスを確立することを「育薬」と名付け、2004年度から取り組みを開始しました。現在は、全129処方の中から大ダイケンチュウトウ建中湯・六リッ君クン子シ湯トウ・抑ヨクカンサン肝散・牛ゴ車シャ腎ジンキガン気丸・半ハン夏ゲ瀉シャシントウ心湯の5つを育薬処方とし、エビデンス確立に向けた基礎・臨床研究を推進しています。これら、育薬5処方を中心とした基疾患を絞ったエビデンス(科学的根拠)の確立盤・臨床的エビデンスの確立に加え、副作用発現頻度調査や相互作用といった安全性データの構築、育薬5処方他の主要成分レベルでのADME※(薬物動態)の解明を3つの柱として、活動を推進しています。また、国内外での医療用漢方製剤の基礎・臨床研究および米国における開発をより一層推進することを目的として、2013年度に「製品戦略本部」を設立し、育薬処方をきっかけに使用が広がりつつある他処方の研究体制も整えました。※ADME:Absorption(吸収)、Distribution(分布)、Metabolism(代謝)、Excretion(排泄)の頭文字の略語。    生体に薬物を投与した後に、体内でどのような動態を示すかをみる抑肝散 ヨクカンサン●対象疾患・症状認知症の行動・心理症状(BPSD※)※ BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms     of Dementia (興奮、焦燥感、睡眠障害など)興奮、幻覚、妄想、睡眠障害などの認知症の行動・心理症状に対して使用されており、三大認知症であるアルツハイマー型・血管性・レビー小体型のいずれにおいても、その効果が認められています。セロトニンやグルタミン酸神経系に作用することが確認されており、BPSD以外の精神・神経疾患にも応用されています。●対象疾患・症状術後イレウス(腸管麻痺)などに伴う腹部膨満感 術後イレウスなどに伴う痛みや膨満感などの腹部症状に対して、消化器外科領域を中心に広く使用されています。基礎研究では消化管運動亢進作用、腸管血流増加作用、抗炎症作用などの作用メカニズムが詳細に検討され、臨床効果の裏付けとともにさまざまな学会および医学系雑誌で報告されています。六君子湯 リックンシトウ●対象疾患・症状FD、GERDなどに伴う上腹部不定愁訴FD(機能性ディスペプシア)、GERD(胃食道逆流症)などに伴う上腹部の不定愁訴や食欲不振に使用されています。基礎研究では、食欲亢進ホルモンであるグレリンに対する分泌作用などが解明され、がん患者や高齢者の食欲不振などにも臨床応用されています。 2014年度のDDW※1では、国内で実施してきた二重盲検群間比較試験※2の結果、3演題(大建中湯1演題、六君子湯2演題)を含む16演題が採択されました。2015年5月のDDWでは、11演題(大建中湯2演題、六君子湯9演題)を含む13演題が、採択されました。※1 DDW:米国で毎年開催される消化器関連の学術集会 (Digestive Disease Week)※2 二重盲検群間比較試験:臨床試験において、データのバイアス(偏り)を軽減するために無作為に対照群(プラセボ)、被検群に割り付けて評価する方法海外でも注目される漢方研究 牛車腎気丸は抗がん剤投与に伴う末梢神経障害(しびれ・痛み・冷感)に対して、半夏瀉心湯は抗がん剤投与や放射線療法に伴う消化管粘膜障害(下痢・口内炎)に対して、それぞれの症状の軽減を目的に研究が進められています。その結果として、半夏瀉心湯の口内炎に対する有効性を示唆するHANGESHA-G Study論文が、Chemotherapy and Pharmacology(CCP)誌に2014年3月掲載されました。牛車腎気丸 ゴシャジンキガン半夏瀉心湯 ハンゲシャシントウ●対象疾患・症状抗がん剤などによる末梢神経障害(しびれなど)●対象疾患・症状抗がん剤などによる粘膜障害(下痢・口内炎)大建中湯 ダイケンチュウトウ育薬5処方の基礎・臨床研究トップメッセージコーポレート・ガバナンスツムラCSR漢方・生薬事業財務資本政策人的資本政策環境資本政策コーポレートレポート 201538

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