ツムラグループ コーポレートレポート 2016
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 多成分を含む生薬のひとつである釣藤鈎は、日本薬局方に3つの基原種が収載されており、薬用部位は「通例とげ」と記載されています。釣藤鈎は、産地が広範囲にわたることや近年の栽培化などにより、品質に多様性を生じる可能性があります。 研究の結果、基原種や産地をコントロールすることで品質の安定化が図れることが判明しました。あわせて同様の手法で野生品と栽培品の品質同等性も確認しています。 2015年9月岐阜県で開催された「日本生薬学会第62回年会」において、当社生薬研究所員がこれら品質に関する研究で優秀発表賞を受賞しています。甘草は、約7割の漢方製剤に配合されている重要な生薬ですが、そのほとんどは中国北部の乾燥地帯に自生する野生品に依存してきました。当社は、2001年度から10年間にわたる中国医薬、北京中医薬大学との共同研究の成果として、日本薬局方の規格に適合※した甘草の栽培技術を2011年度に確立しました。今後も栽培規模拡大のために生育、収量の向上およびグリチルリチン酸含量安定化の栽培技術を発展させ、安定供給を推進していきます。※ 日本薬局方の規格に適合:医薬品の原料としては、この規格に適合することが必須条件であり、甘草の場合は、「主成分であるグリチルリチン酸含量が2.0%以上」が条件となっている安全な原料生薬を調達するために、生産地の選定と徹底した品質管理を行っています。とくに、深圳津村は、原料生薬の調達・選別加工・品質管理・保管※の4つの機能を有する極めて重要な拠点です。深圳津村および関連会社が中国の産地会社を通じて原料生薬の手配を行うとともに、生産農家への栽培指導や安定確保のため自社管理圃場の拡大を継続してすすめています。また、日本における漢方製剤の需要増加に対応するため、加工能力および保管能力の増強を段階的にすすめています。※ 保管:日本と同等の保管条件(温度15℃、湿度60%以下)の低温倉庫で原料生薬を保管2005年までは、中国・日本以外の国から調達し、生産記録の収集が困難な生薬が、僅かではありますが存在していました。そのため、生薬トレーサビリティ体制の強化を目的に、原料生薬の栽培に関する共同研究をラオスで開始しました。その後、共同研究において良好な結果が得られたことから、新たな生薬調達の拠点として2010年2月、ラオツムラを設立しました。これにより、すべての生薬の生産記録の収集が可能となり、安全な生薬の安定確保のための生薬トレーサビリティ体制が整いました。国内では6ヵ所の主要な拠点(北海道・岩手県・群馬県・和歌山県・高知県・熊本県)を中心に契約栽培を行っています。高知県にある農事組合法人「ヒューマンライフ土佐」では主に柴サイ コ 胡を生産しており、遊休農地の活用などによる集約生産化をすすめています。また、熊本県にある「あさぎり薬草合同会社」でも栽培規模の拡大を計画しています。コーポレートレポート 201633

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