ツムラグループ コーポレートレポート 2016
7/68

第1期中期経営計画の定量目標が未達に終わった原因は、主に3つです。第1の理由が、育薬処方の成長鈍化です。私たちは、「近年の疾病構造を見据え、医療ニーズの高い領域において新薬治療で難渋している疾患のうち、医療用漢方製剤が特異的に効果を発揮する」5つの「育薬処方」(大ダイ建ケン中チュウ湯トウ、抑ヨク肝カン散サン、六リッ君クン子シ湯トウ、牛ゴ車シャ腎ジン気キ丸ガン、半ハン夏ゲ瀉シャ心シン湯トウ)のエビデンスの確立に取り組み、そのエビデンスを活かした専門医に対するプロモーションに注力していました。しかしながら、2013年度以降、「費用対治療効果の高い治療薬」というポジションを確立するため、育薬処方以外の領域においても「治療のガイドライン」への掲載を目指して活動を強化してきました。ガイドラインへの掲載が進んだ半面、営業戦略の焦点を育薬処方以外の処方のプロモーションや、育薬領域以外の医師へのアプローチへと広げた結果、営業リソースが分散化してしまったという反省があります。第2、第3の要因は、生薬価格、中でも2011年以降の中国産の人参の価格の急激な上昇と、為替変動です。西洋医学の新薬と異なり、漢方製剤は販売価格に占める原価、とくに原料生薬の割合が高いという特徴を持ちます。また、当社は原料生薬の約80%を中国で調達しており、円安の進行も調達コストを引き上げました。外部環境の変化に対し、生薬の調達に関しては、安定的な調達を可能とする自社管理圃場※1の拡大や、一部の生薬の戦略的な備蓄をすすめました。生薬価格の上昇や薬価改定を見越して、省人化・省力化を実現する新製造システムへの投資も積極化しました。また、業務の効率化を徹底して販管費の抑制を努めるとともに非事業資産の売却も実施しましたが、外部要因の影響を克服するまでの効果をあげるには至りませんでした。コーポレートレポート 20166

元のページ 

page 7

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です