自然と健康を科学する 漢方のツムラ

―生薬栽培―安心・安全な生薬をより多く収穫するために、創意工夫を重ねた越知町の人たち。彼らが長年培ってきたノウハウは、現在、全国の生薬栽培に活かされています。

安心・安全な生薬をより多く収穫するために、創意工夫を重ねた越知町の人たち。
彼らが長年培ってきたノウハウは、現在、全国の生薬栽培に活かされています。

農事組合法人
ヒューマンライフ土佐組合長

山中 嘉壽馬さん

生薬栽培農家

片岡 知賀子さん

生薬栽培農家

和田 泰明さん

高知の自然が育む安全な生薬

西日本の最高峰である石鎚(いしづち)山系に囲まれ、清らかな仁淀川(によどがわ)が町を流れる、自然の恵みが豊かな町、高知県越知町。
ここでは、漢方薬の原料となる生薬、ミシマサイコ(三島柴胡)、サンショウ(山椒)、キジツ(枳実)などが、契約農家で栽培されています。
始まりは1985年、ミシマサイコから。少ない人数で、使う道具なども自分たちで考え、創意工夫を重ねながら育てていきました。

育てて、気づいた生薬栽培に適した土地

山に囲まれた越知町の農地の多くは傾斜があり、一般的に条件が良いとは言えない環境です。
しかし、水はけの良い土壌、湿気が少なく日当たりも良い点が、ミシマサイコの栽培にとても適していました。
さらに栽培方法を改良することで、当初の想定よりもはるかに多い収穫量を得ることに。
「契約面積より多く栽培してるんじゃないかって、ツムラの人が、メジャーを持って耕作面積を測りにきたんですよ。」と、当時を知る人は笑って言います。

冬から始めて、次の冬まで手間をかけて

ミシマサイコの栽培は、2月の土づくりから始まります。3月に種をまき、芽が出るのはひと月後。
茎が育つ6~8月にあえて芽を摘む「摘芯(てきしん)」を繰り返し、生薬として使う根をしっかりと育てます。11月に種を、12月中旬~1月に根を収穫します。
摘芯で根張りを良くする作業は、試行錯誤の末に生まれた手法のひとつ。
これら長年培ってきた栽培法は、全国のツムラの契約農家に伝えられています。

親子三代にわたり生薬栽培に携わる

越知町で生薬の栽培を始めて三十数年。
生薬を育てる仲間は着実に増え続け、越知町だけで150人を超え、愛媛、香川、徳島まであわせると430人になりました。なかには親子三代にわたって取り組む家族もいます。
「寒い冬、掘り出したミシマサイコの余分な茎などを、暖かい屋内でおじいさん、おばあさんと共にはさみで切って整える、そんな光景も見られますね。」
ツムラとの契約栽培という形で、人々の健康に役立つ作物を育てることに、情熱を傾ける人が、ここにはいるのです。

安全な生薬を常に安定した品質で

契約農家とツムラの間には、栽培法や、収穫後の加工方法などに厳しい取り決めがあります。
「体を治す薬を栽培する。そのことを念頭において作業しています。」と、農家の皆さんも言います。
ツムラでは、栽培・加工・流通・保管などの生産履歴情報を記録として残す「生薬トレーサビリティ体制」を運用しています。誰が、いつ育てた生薬を漢方製剤に使っているのか、すべて把握しているのです。
農家の皆さん一人ひとりが、「薬を育てている」という使命を感じながら、大切に育んだ生薬。
だから私たちは、安定した品質の漢方製剤をお届けすることができるのです。

育てる想いを、人から人へ。~栽培~