自然と健康を科学する 漢方のツムラ

―加工・製造―安定して漢方製剤を送り届けるために、24時間体制で工場が動いています。0.01g単位をはかり、1mm以下を許さず、年間1300万箱を作り上げます。

安定して漢方製剤を送り届けるために、24時間体制で工場が動いています。0.01g単位をはかり、1mm以下を許さず、年間1300万箱を作り上げます。

茨城工場 製造三課

金澤 史絵さん

 
世界最大規模の漢方製剤工場

石岡センターで品質チェックを終えた生薬。それを加工して、患者さんの手元に届く漢方エキス製剤の形にする国内工場の一つが、ツムラの茨城工場です。
牛久大仏が“見守る”茨城工場は、医療用漢方製剤の工場として世界一の規模と生産能力を持っています。
さらに、敷地の中に研究所・漢方記念館・薬草見本園などが併設され、薬学・製剤学から情報工学まで、最先端技術を合わせた「インテリジェント・ファクトリー」です。

伝統的な手法を最先端の機械で再現

生薬をエキス顆粒(かりゅう)の形に加工する工程は、最先端の機器を使って、伝統的な漢方の処方に基づいた手順で作られています。
まず切りそろえた生薬を各処方に従って調合。その生薬を漢方の伝統的な手法を再現できる、ツムラ独自の装置に投入し、エキスを抽出します。
遠心分離機でろ過し、濃縮したエキスは、約11.5メートル、工場の1階から4階までの高さを持つ大型のスプレードライ装置で瞬時に乾燥・冷却し、エキス粉末に。これを加工することで、服用しやすいエキス顆粒の形に仕上げます。
そして、品質が確認されたものだけが包装・表示工程に送られます。そこで1回分の分包/7日分に束ねられ、箱詰めされて出荷されるのです。

重要なのは質量と気密性

製品のトレーサビリティーを保つため、1つのラインで1つの製品をロット単位で製造します。
1日あたり1ラインで約5000箱を製造する能力を持ち、茨城工場全体で年間約1300万箱を出荷しています。
このパッケージ工程で重要なのは、質量と気密性。医薬品として、正しい容量で封入される必要があるので、例えば内容物が2.5gの漢方製剤なら、包材を含んだ重さが±0.07g以上ずれると不良品とし、質量があわないものは全て廃棄します。
気密性とは、パッケージの品質のこと。傷により穴などがあいていれば、薬の品質に大きな影響が出ます。
見た目でのチェックのほか、完成品を水に沈めて気泡が出ないかを確認する試験も行っています。
「商品の顔でもある外観には、全員が大変気を遣っています。1ミリ以下の汚れや傷でも許しません。」

テクノロジーと人のコラボレーション

工場内の各工程では、専用の多軸ロボットが作業を受け持ち、正確に作業を進めていきます。
一方で、メンテナンスが行き届いているロボットも故障することがあります。
それらを事前に察知できるような敏感さも、現場での重要なスキルのひとつ。
「普段と違う音がするな、と思ったら、機械が壊れる直前だった、ということはあります。」
最先端の機器と、人の感覚の組み合わせで、常に安定した品質の漢方製剤を作ることができるのです。

未来ある漢方製剤漢方製剤をだから、いいものをつくりたい

「研究が進むほどに、さまざまなことが発見される漢方製剤に未来を感じます。だからこそ品質の高いものを患者さまに届けたい、という気持ちが湧いてくるんです。」
工場の機器を監視するオペレーターは、常に細かい数値に気を配ります。
一見受け身のようで、実は状況にあわせてラインを調整し、五感をフルに使って機器の不具合を見つける能力が求められる、クリエイティブな仕事です。

確かな製品を、人から人へ。~加工・製造~