自然と健康を科学する 漢方のツムラ

―植物の研究―人々の健康に役立つ植物を研究し、これから役立つかもしれない植物を守ること。植物研究、自然保護に長い時間をかけてツムラは関わってきました。

人々の健康に役立つ植物を研究し、これから役立つかもしれない植物を守ること。植物研究、自然保護に長い時間をかけてツムラは関わってきました。

牧野植物園 園長
薬学博士

水上 元さん

牧野植物園 植物研究課長
理学博士

藤川 和美さん

著名な植物研究者を産んだ高知

高知出身で、植物分類学の父と呼ばれる、牧野富太郎博士。高知県立牧野植物園は、博士のゆかりの植物など、約3,000種類が園内を彩る、高知県民の憩いの場です。
一方で、高知県内の希少な植物を守る研究や、和漢薬用植物を栽培・生産するための研究、さらには海外での植物研究など、植物に関する世界的な研究と学びの場でもあります。
ツムラと牧野植物園との縁は、牧野博士が創刊した雑誌「植物研究雑誌」をツムラの創業者である津村重舎が支援したことから。
以来、植物研究を通じて交流を深めています。

絶滅危惧種の植物を知り、守る

日本に自生する植物は、約6,700種。高知県にはその約半数が存在し、なかには絶滅危惧種の植物も含まれています。
牧野植物園では、植物分類学の研究者が、地元のボランティアの皆さんと共に、県内の植物分布のモニタリングを行っています。
「例えば、服に実がくっつくオナモミ。これは絶滅危惧種で、高知ではすでに生息していません。このような植物を記録しつづけることで、絶滅しそうとか、いつ絶滅したか、などを知ることができます。」

植物を研究すると新たな治療につながる

薬用植物学という、薬になる植物についてさまざまな切り口で研究する学問もあります。
「本当の意味で、人間が化学合成してつくった薬というのは、実はおおよそ3割くらいしかないんです。」
過去にアメリカで新薬として認められた1300種類ほどの医薬品のうち、およそ7割が植物などの天然の成分、その成分を加工したもの、分子構造を参考にして合成したものなど、何らかの形で天然の成分に依存しているという調査もあります。
植物を研究することは、新たな医薬品や治療法につながる可能性があるということです。

生薬の栽培研究で漢方医療をささえる

漢方薬には、有効成分は解明されていても、「どのようなしくみで効いているのか」が解明されていないものが数多くあります。
そのため、効くことがわかっている生薬を医薬品として患者さんに届けるには、常に安全なものを、生産する量の分だけ、確保しなければなりません。
しかし、海外でしか収穫できない生薬も数多くあります。「最小限でも日本で栽培できる体制を作れれば、安定した供給につながり、漢方医療の将来を支えられる。われわれ研究者はその点で貢献できるのではと考えています。」

植物の研究に秘められた可能性

人々の健康維持や病気の治療に役立つ植物は、今後も見つかる可能性が大いにあります。一方で、絶滅していく種も多くあるので、人間にとって有用な植物が失われつつある現実があります。
植物を研究することは、未来に向けて多様性を保全し、環境保護の意識を高めることにもつながります。
研究者たちは、その信念をもって日々植物と向き合っているのです。

探求のこころを、人から人へ。