神経質で精神的に不安定な人に
比較的体力はあるが、神経質で、ささいなことが気になって、抑うつ、不安、イライラ、不眠などがあるような、精神的に不安定な人に用いられる薬です。神経症、子どもの夜泣きなどがあるときに処方されます。あるいは、高血圧に伴う不眠、神経性の心悸亢進(しんきこうしん)の改善に使われれることもあります。 診察では、肋骨(ろっこつ)の下が張って押すと痛みがある「胸脇苦満(きょうきょうくまん)」や、へその上あたりに拍動を感じる「臍上悸(さいじょうき)」などがポイントになります。
イライラを鎮め「肝(かん)」をリラックス
「このような症状は、漢方では「気(き)」※の異常や、「肝」の働きの乱れととらえられます。なかでも、「気うつ」が主にみられる場合にこの薬がよく用いられます。
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「気・血・水」は、不調の原因を探るためのものさしです。
漢方では、私たちの体は「気・血・水」の3つの要素が体内をうまく巡ることによって、健康が維持されていて、これらが不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、不調や病気、障害が起きてくると考えられています。 「気(き)」:目には見えない生命エネルギーのこと。「元気」の気、「気力」の気、「気合い」の気。「自律神経(体の機能を調整する神経)」の働きに近いとされています。
配合生薬
柴胡(さいこ) 、 半夏(はんげ) 、 桂皮(けいひ) 、 茯苓(ぶくりょう) 、 黄芩(おうごん) 、 大棗(たいそう) 、 人参(にんじん) 、 牡蛎(ぼれい) 、 竜骨(りゅうこつ) 、 生姜(しょうきょう)
出典:「NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版」 (主婦と生活社)
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