高齢者によく用いられる「腎虚(じんきょ)」を改善する薬
「牛車腎気丸」は、「八味地黄丸(ハチミジオウガン)」に「牛膝」と「車前子」という生薬を加えたものです。この薬は、体力が低下した疲れやすく、腰から下が冷えやすい方の、しびれや下肢や腰の痛み、むくみ、排尿障害などに用いられます。
このような状態は、漢方では「腎虚」ととらえられます。「腎(じん)」は、生きるエネルギーである「気(き)」を蓄えるところで、その働きが衰えると、前述のような症状が起きてくるのです。いわば老化にともなう症状で、「腎虚」を改善する「八味地黄丸」や「牛車腎気丸」は高齢者によく用いられます。
高齢者の頻尿(ひんにょう)、特に夜間頻尿をはじめ、腰痛や下肢痛、糖尿病の合併症の神経障害によるしびれなどに使用される。
配合生薬
地黄(じおう)、 牛膝(ごしつ)、 山茱萸(さんしゅゆ)、 山薬(さんやく)、 車前子(しゃぜんし)、 沢瀉(たくしゃ)、 茯苓(ぶくりょう)、 牡丹皮(ぼたんぴ)、 桂皮(けいひ)、 附子(ぶし)
出典:「NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版」 (主婦と生活社)
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