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更年期に関するイメージと実態調査

20代〜60代の男性・女性を対象に
調査を行いました。(2022年11月実施)

男性・女性共に更年期症状のイメージと実態にはギャップが存在しています。

男性編

男性の更年期症状のイメージは「イライラ」、実態は「疲れ」が多い。

※更年期の症状を自覚する男性とは、「医療機関への受診により、更年期障害と診断されたことがある・診断されている」または「自身の更年期障害を疑ったことがある・疑っている」かつ「何らかの更年期の症状(関節痛、筋肉痛、疲れやすい、発汗やほてり、肥満、頻尿、イライラ、不安やパニック、うつ、不眠、興味や意欲の喪失、集中力・記憶力の低下、ED、性欲低下)のいずれかがある」に該当する男性が対象です。

女性編

女性の更年期症状のイメージは「イライラ」・「ほてり」、実態は「疲れ」・「肩こり」が多い。

※更年期症状を自覚する女性とは、「医療機関への受診により、更年期障害と診断されたことがある・診断されている」または「自身の更年期障害を疑ったことがある・疑っている」かつ「何らかの更年期症状(ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ、けん怠感、気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠)のいずれかがある」に該当する女性が対象です。

更年期症状に対する認知度は男女ともに高いが、対処方法は「わからない」人が圧倒的

更年期症状の日常生活・社会生活への支障がある?

言われて傷ついた言葉、嬉しかった言葉

更年期症状に対し、
周りの人に言われて傷ついた言葉

男性編

  • 「イライラしている」と言われた
    (大阪府 41歳)
  • 何でも更年期だと言われていること。
    中には違う症状もあるのに(宮崎県 48歳)
  • 「体調管理ができていない」と指摘
    (東京都 51歳)
  • 「注意力散漫」と言われた(北海道 52歳)

女性編

  • 「もう年なんだから仕方ないよ」と言われた
    (埼玉県 53歳)
  • 「私は更年期障害とかなかったから、
    わからない」と言われた
    (山口県 57歳)
  • 体調が悪いとすぐ更年期のせいだと言われ、
    我慢すべきみたいな空気になること
    (岡山県 62歳)

更年期症状に対し、
周りの人に言われて嬉しかった経験談

男性編

  • 「誰でもなるものだ」と言われて安心
    (東京都 47歳)
  • 「男にも更年期があって、そういう症状が
    出ることもある」
    (北海道 52歳)
  • 友人が「みんな一緒」と言ってくれた
    (広島県 59歳)

女性編

  • 「酷かったら病院へ。心配しないで大丈夫」
    (千葉県 64歳)
  • 「焦らないでゆっくりして」「今、出来る事からやってみたら?」「そういう時もあるかもしれないね」など、私の現状を肯定してくれつつ、ゆとりを持って過ごせるよう促してくれるような言葉がけだったので、ありがたかった
    (埼玉県 53歳)

更年期症状を人に相談してよかったこと

男性編

  • 病院に行くきっかけになりました。症状への対処方法も教えてもらえて安心しました
    (宮崎県 48歳)
  • 先に経験している方に相談するだけでも気持ちが楽になる感じがあったので良かったです
    (三重県 50歳)
  • 定期健康診断のときに相談し専門医に指導を受けることができた。生活習慣の改善に取り組んでいる(北海道 52歳)

女性編

  • 同年代の友人に相談して、同じような症状に悩まされていることがわかって気が楽になった
    (徳島県 48歳)
  • 更年期は誰にも訪れるひと休みの時と考え、日々の体調に合わせて焦らず生きようと思いました(東京都 53歳)
  • 母親に相談。誰にでもあることだが、人によって症状はさまざまだとわかった。
    (千葉県 60歳)

男女とも「更年期症状に対する知識」や「正しい認識の広まり」を望んでいる

専門医に聞く、
更年期との付き合い方

男性更年期の専門医・
堀江先生に聞く、
男性の更年期との付き合い方

日本初の男性外来「メンズヘルス外来」を立ち上げるなど、男性ホルモンの低下に起因するさまざまな疾患の診断と治療を行う日本の泌尿器科医療をリードする第一人者の堀江重郎先生に、今回の調査結果について解説していただきました。

男性の更年期に多い特徴的な「3つの課題」
その本音は、男性は自分が現役から
遠ざかることを認めたくないから

女性の更年期は閉経という生物学的現象ですが、
男性の更年期は自分を取り巻く環境において、自分らしさを発揮できない場合に症状が現れます。
今回の調査結果から、
男性の更年期症状を取り巻く環境には、
「言いにくい」「認めたくない」
「対処法がわからない」という3つの課題が
あることがわかりました。
なぜ、認めたくないのかといえば、
男性は自分が更年期であることを
認めてしまうと、
加齢を受け入れて“現役”から遠ざかるような気が
してしまうからです。
若々しくいきいき仕事をする現役世代に対し、
更年期には現役を終えつつある世代
というイメージがあります。
今回の調査でも約7割以上が更年期に
ネガティブなイメージを持っていましたが、
ネガティブなイメージがあると、
症状を誰かに相談することが難しくなります。
男性は、精神的な苦痛や肉体的な疲労を
他人には訴えず、
また自分でも認めないという傾向があり、
その結果として対処法がわからない、
という悪循環に陥りやすいのです。
男性の性格的な傾向や
更年期の持つイメージから、
男性の更年期の症状には「3つの課題」が大きな
ハードルとなっていると考えられます。

男性の更年期の時期は「人生のハーフタイム」 
後半戦をより有意義なものにするための
整え期間

かつて現役を退くことは、隠居して社会的な存在
ではなくなることを意味していました。
しかし、超高齢社会では、
社会との関わりはさらに長くなり、
その中で自分らしい人生を送ることが
課題になっています。
更年期は、
例えるならサッカーやラグビーの
ハーフタイムのようなもの。
前半戦の試合を終え、疲労を感じ、
息が上がっているような状況です。
ひどく疲れる人もいればそうでもない人も
いるように、症状の大小に差はあれど、
ここでうまくコンディションを整え、
よい後半戦に臨むことが肝心です。
よいコンディションをつくっていくために
情報収集したりアドバイスをもらったりし、
現状をしっかり分析しましょう。
更年期とは人生の前半戦は
終わったことを意味しますが、
決してネガティブな時期ではなく、
これから人生の後半戦に向けて
準備をし整える時期です。
健康問題はオープンに話し合うことで、
自分に合った解決策やサポートが
見つけられる可能性が高まります。
無理に打ち明ける必要はありませんが、
症状を知ることは大切です。
男性の更年期は社会的ストレスが要因と
なりやすいので、何が要因かを具体的に探り、
ストレスから離れるために周囲のサポートが
必要な場合は、そのことを伝えてみるのも
良いでしょう。
更年期は誰もが迎える人生のハーフタイムです。
人生の後半戦をより有意義なものとするために、
心身ともに整えましょう。

更年期の不安ごとは、
男性の守護神「泌尿器科」に相談を!

今回の調査では、更年期症状に対して対処法が
わからない男性が約8割を超えていました。
更年期の男性は、若いときのようなエネルギーが
なくなった、周囲から十分に評価されていない、
仕事にやりがいが感じられないなど、
ネガティブな感情を抱きがちです。
そんなネガティブな感情にとらわれるのでは
なく、人生のハーフタイムと受け止め、
仕事や家族、プライベートについて考え、
生きがいを見直し、
体調を整えることを優先しましょう。
男性の更年期は症状を
我慢してもよくなりません。
更年期症状をはじめ、
心身の不調などの症状が現れた場合は、
泌尿器科医を受診してください。
泌尿器科の「泌」は分泌、
すなわちホルモンのこと。
泌尿器科は男性の守護神です。
日本メンズヘルス医学会のホームページ
(https://mens-health.jp)では
全国の専門医を紹介しています。
お気軽にご相談ください。

堀江 重郎(ほりえ・しげお)先生
泌尿器科医、医学博士

順天堂大学医学部 泌尿器外科学講座・遺伝子疾患先端情報学講座・デジタルセラピューティクス講座 主任教授

日米で医師免許を持ち、手術ロボット ダヴィンチを駆使した前立腺、腎臓手術のトップランナー。
男性ホルモンの低下に起因する様々な疾患の診断と治療を行う日本初の「メンズヘルス外来」の立ち上げなど、
日本の男性医療や科学的アンチエイジングをリードする。
発足から22年目を迎える日本メンズヘルス医学会の理事長。日本抗加齢協会 理事長。
著書に「男性の病気の手術と治療」(かまくら春秋社)、
男性更年期障害(LOH症候群)について解説した「LOH症候群」(角川新書)など多数。

南雲久美子先生に聞く、
女性の更年期との付き合い方

「更年期の症状は改善できる時代。我慢したり諦めたりせずに、専門医に気軽に相談を」

ほてりや汗、ホットフラッシュなど更年期の時期
に多く見られる典型的なものが、
一般的なイメージでした。
これらは自分だけでなく他人からもわかるので、
本人も恥ずかしいと感じがちですが、
症状があるのは割と短期間。
更年期という10年もの長い間、
女性を苦しめるのは、
更年期の症状に影響を与える身体的因子、
心理的因子、社会的因子によるものが
多いようです。
ですから、一般的なイメージと更年期の実際の
症状が異なる結果になった、と考えられます。
また、更年期というといまだにネガティブな
イメージを持つ人が多いという結果でしたが、
その意識が正しい知識を持ちにくくし、
対処や治療の遅れにつながっていると
考えられます。
更年期の年代の女性はとても多忙です。
家族のこと、子どものこと、親の介護、
自分の仕事、夫の仕事、将来のこと…、
考えなければならないことが山ほどあって、
自分のことは二の次、三の次になってしまう。
また、更年期の症状はいつかは終わるからと
我慢を重ね、結果、不調に慣れ、諦め、
受け入れている女性も少なくないでしょう。
確かに、かつては諦めるしかない時代も
ありましたが、今は違います。
たくさんの情報を得て、
しっかりと正しい対処ができるように
なっています。
人生100年時代。
その中の10年もの長い時間を、
不調に何も手を打たず、諦めて生きるのは、
あまりにももったいない。
普段当たり前と思って慣れてしまった不調の中
に、実は改善できるものがあるかもしれません。
不調が少しでもない日々に、
私たちが貢献できれば幸いです。

南雲 久美子先生(なぐも くみこ)

目黒西口クリニック院長 漢方医学専門医

杏林大学医学部卒業。北里研究所附属東洋医学総合研究所で東洋医学を学び、
1996年に東洋医学と西洋医学を融合した治療を行う現クリニックを開業。
「新版冷え症・貧血・低血圧」(主婦の友社)、「タイプ別・冷え症改善ブック」(家の光協会)など著書多数。

丸山 綾先生に聞く、
女性の更年期との付き合い方

「個人差が大きい更年期症状 自己診断せず婦人科を受診、更年期離職という悲劇も回避できます」

更年期症状は誰にでも起こるものですが、
個人差が大きく、人によっては日常生活・
社会生活・QOLに支障を及ぼすことも少なくありません。
放置すると悪化する、という類のものではなく、
どこからが受診が必要などの
基準もありませんが、
症状が重く日常生活に支障を来すのであれば、
「更年期症候群」という病気としての
治療も可能です。
治療方法はホルモン補充療法が一般的で、
漢方治療を選択・併用することもあります。
ホットフラッシュの場合、
1〜2週間で症状の軽減を
感じられることが多いようです。
また、例えばメンタルの症状が強く、
更年期症状と自己判断していたら実は
うつ病だった、というケースもあります。
そういう場合は、放置すると悪化することがある
ので、受診して客観的な診断を受けておくことが
必要です。
また、最近注目されている「更年期離職」という
問題もあります。
更年期の不調で仕事を辞めざるを
得ないというもので、数千億円もの経済損失とも
言われています。
当事者だけでなく雇用する企業にとっても大きな
課題となっています。
企業の方には、更年期症状がひどい人は、
日常生活、社会生活に支障が出るほどつらいこと
をまずは認識していただきたいと思います。
更年期障害の診断がついたなら、時短勤務や
テレワーク、必要があれば部署や職種の変更など
を検討し、
また症状に波があるので、
症状の重いときには休暇がとれるなどの
柔軟な対応をお願いしたいです。
当事者だけでなく、
社会全体での正しい認識が望まれます。
更年期症状は治療可能です。
薬の反応も良く、
使用するとしても長い人生のほんの短期間です。
受診された方から「もっと早く受診すれば
よかった」という声はしばしば聞かれます。
あれこれ悩むより、「更年期かな?」と少しでも
思ったら、
ぜひ婦人科に相談にいらしてください。
一緒に乗り切りましょう。

丸山 綾先生(まるやま あや)

「霞が関ビル診療所」婦人科医

1999年、日本大学医学部卒業。駿河台日本大学病院(現日本大学病院)、
丸の内クリニックなどを経て、現職。専門は産婦人科一般、漢方診療。
医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本東洋医学会漢方専門医。

本調査では
●女性更年期の時期とは閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた10年間のこと ※出典=「産婦人科診療ガイドライン-婦人科外来編 2020から引用
●男性更年期の時期とは40代以降からの男性の性ホルモン分泌量の低下が訪れる時期のこと ※出典=「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)診療の手引き」から引用
●更年期症状とは更年期の時期に現れるさまざまな症状の中でもほかの病気を伴わないもののことを指しています。

※「男性の更年期に関するイメージと実態調査」および「女性の更年期に関するイメージと実態調査」より
 調査主体:株式会社ツムラ/実施時期:2022年11月2日(水)~11月4日(金)/
 調査手法:インターネット調査/調査対象:全国の20代〜60代の男女各600人
(うち更年期の症状を自覚する40代〜60代の男女各100人)/実査委託先:楽天インサイト

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専門家に聞く 更年期との付き合い方