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ツムラのビジネスFAQ

漢方について

ツムラが提供する「漢方」。漢方とは、どのような薬なのか?また、その特徴について解説します。

  • 漢方という言葉は中国でも使われているのですか。

    漢方とは、古代中国の医学が、5~6世紀以降に朝鮮半島や遣隋船・遣唐船などを経由して日本に伝わり、その後1400年以上の年月をかけてわが国で独自に発展した医学で、中国における医学とは異なっています。
    漢方は、江戸時代に体系化されたもので、オランダから入ってきた西洋医学を「蘭方」と呼び、それと区別するために日本の医学を「漢方」としました。中国の伝統医学は、「中医学(中薬)」と呼ばれています。

  • 漢方薬は、どのようにして配合する生薬やその配合比を決めているのですか。

    一般的に、漢方薬は「傷寒論」や「金匱要略」などの古典に則り、配合する生薬やその配合比を決めています。
    また、各薬を使用する目安(体の症状)についても、古典に記されています。

  • 漢方薬は、何に主眼をおいて処方されるのですか。

    漢方治療の特徴として、患者さん個々の体質や病気の状態等にあわせて、さまざまな薬を使い分けます。これが、漢方がテーラーメイド医療といわれる所以です。

    例えば、かぜの場合は、体力、罹患時期、症状(熱・鼻水・ふしぶしが痛い・咳)等によって、患者さんの状態を総合的に判断し、薬を使い分けています。

    ※なお、疾患によって処方の選択基準は異なります。

  • 漢方薬と合成薬(西洋医学の治療薬)の違いについて教えてください。

    合成薬(西洋医学の治療薬)は、単一成分であり、ひとつの症状に対して1剤を投与します。このため、効果は強力であるものの、いくつもの病気が重なって症状が複雑になると薬の種類も多くなりがちです。

    一方、漢方薬は複数の生薬が組み合わされた薬剤であり、多成分であることが特長です。このため、複数の症状に対して1剤で対応できるケースもあります。

  • 漢方薬を使用している医師はどの程度いるのですか。

    日本漢方生薬製剤協会の2011年の調査によると、漢方薬を現在使用しているは89.0%であり、前回2008年の調査83.5%より5.5%増えています。漢方薬を処方している医師が増えていることが分かりました。

    また、処方する理由としては、「西洋薬治療で効果がなかった症例で、漢方薬治療により効果が認められた」が57%と最も多く、「患者さんの要望があった」、「エビデンスが学会などで報告された」、「西洋薬だけの治療に限界を感じた」、「QOLの向上など全人的な医療ができる」が後に続いています。
    ※全人医療とは、一人ひとりの体質や特徴を重視し、心とからだは一体であることを前提に、身体全体の調和を図ることに重点をおきます。

  • 「ツムラ抑肝散」とはどのような薬剤ですか。

    「抑肝散」は食事をする、着替える、歩くなどの日常の動きを低下させることなく、行動・心理症状を改善するという治療効果が報告されています。
    認知症の行動・心理症状の改善は、患者さんの治療だけではなく、介護するご家族や医療従事者の負担を軽減することも期待されます。

  • 「ツムラ六君子湯」とはどのような薬剤ですか。

    六君子湯は、FD(機能性胃腸症)やGERD(胃食道逆流症)等に伴う上腹部不定愁訴に対して使用されています。

    食物の胃排出能を高める作用に加え、胃の貯留能を高める作用、さらにペプチドホルモンであるグレリンの分泌促進を介した食欲亢進作用が認められることが、米国消化器病週間(DDW)にて発表されました。

  • 「ツムラ大建中湯」とはどのような薬剤ですか。

    「大建中湯」は、術後イレウス(腸管麻痺)等に伴う腹部膨満感に対して、広く外科領域にて使われています。

    また、“消化管運動亢進作用”に加えて“腸管血流増加作用”に関する臨床・基礎研究も進んでおり、期待が高まっています。

売上高や市場・事業について

ツムラの売上高動向や構成比、また市場の特殊性について解説します。

「業績・財務ハイライト/年間チャート」もご参考に。

  • ツムラの売上高構成比を教えてください。

    売上高構成比では、約9割が病院で処方してもらう医療用漢方薬です。
    現在、薬価収載され健康保険が適用となっている漢方薬は148品目ありますが、ツムラではそのうち129品目を取扱っています。

  • 医薬品事業の売上推移を詳しく教えてください。

    当社の医療用漢方製剤は、1976年(昭和51年)にはじめて薬価収載されました。それ以降、安心感等に基づく漢方ブーム、小柴胡湯が慢性肝炎の治療に広く使用されたこと等から、病院でも幅広く使用されるようになりました。売上高のピークは、1991年(平成3年)で、医薬品の売上が1,000億円を超え、小柴胡湯はそのうち300億円を占めていました。

    しかし、慢性肝炎の治療薬としてインターフェロンが上市されたり、小柴胡湯に慢性肝炎の副作用が報告されたことなどにより、売上は下降傾向に入ってきました。 1996年(平成8年)には、死亡例も含む大規模な副作用報告がなされるなど、安全と思われていた漢方薬で死亡者が出たというショックから、更に売上が減少しました。

    そのような中、当社は営業戦略の見直しを図りました。漢方医学そのものの普及を図るという戦略をとった結果、1999年(平成11年)を底にして、売上は回復基調に入っています。
    また、2004年度以降は「漢方の育薬」によるエビデンスの集積により、売上が更に増加しています。

  • 漢方薬市場の推移を教えてください。また、漢方薬市場の特徴について教えてください。

    2016年度における漢方薬(医療用漢方製剤)の市場規模は、1,481億円に達しています。
    2000年度を底に着実に市場は拡大しています。医療用漢方薬市場におけるツムラのシェアは、2017年3月末時点で84.0%になっています。
    また、医療用医薬品に対しては、2年に1回の薬価改定が行なわれます。しかし、漢方薬はその有用性が認められ、漢方医学の普及も進んでいることから、薬価の引下げを吸収し、堅実に成長しています。

  • 医療用漢方製剤の事業への参入障壁について教えてください。

    漢方薬は、1800年以上前にすでに組成や対象疾患(症状)などが医学書にまとめられ公開されており、特許はありません。しかし、漢方薬の事業には高い参入障壁があります。

    • (1) 既に他のメーカーが販売している漢方薬を上市しようとする時は、安全性、効果等での同等性(生物学的同等性)を科学的に証明する必要があります。
    • (2) 149番目、150番目の漢方薬の新製品を発売するにあたっては、西洋薬と同等の臨床試験を行なわなければなりませんが、研究開発投資とその回収という費用対効果の面からも、新しい漢方薬の開発は行なわれていないのが現状です。

    更に、生薬は天然物であること、漢方薬は複数の生薬の組合せでできており多成分であることから、常に一定の品質の漢方薬を安定的に製造するために、かなり高度なノウハウが必要となります。

    現在、ツムラでは新しい漢方薬を開発するのではなく、既に承認を得ている129処方の使用が拡大されることを目指しています。

生薬について

ツムラでは、原料生薬の徹底した品質管理を行っています。

「ツムラCSR」「品質について」もご参考に。

  • 生薬はどこから調達してくるのですか。

    ツムラでは、129品目の漢方製剤の原料として、119種類の生薬を取扱っており、約8割を中国から輸入しています。古来より、生薬の原料となる植物等は、その土地の土壌や環境に適応して生育し、薬としての評価を受けてきました。これらの伝統生薬は穏やかに、かつ確実に効果を示す特有の生薬として残り、今日に至っています。

  • 原料生薬の調達状況について教えてください。

    中国:日本:東南アジア=約80%:約15%:約5%の割合となっています。
    また、新規調達国としては、ラオスで生薬栽培の目途がたち、2009年度に現地法人ラオツムラを設立しました。
    それぞれの地域での生薬の栽培方法・栽培管理の統一化を実施し、生薬安定確保のため、長期契約栽培の拡大を継続して進めるとともに、中国および日本における栽培面積の拡大を図ります。

  • 品質管理についての取り組みを教えてください。

    漢方製剤の原料となる生薬は、同じ生薬であっても産地や品種などにより成分に違いがみられます。
    ツムラでは、常に一定の品質で、一定の薬効を発現する製剤を製造販売するため、原料である生薬の入手確保に始まり、漢方エキス製剤に適した製造方法・製造設備の確立、製造管理・品質管理の実施及び出荷に至るまでをすべて自社で行なう一貫体制を整備しています。
    品質管理の1つの方法として、3D-HPLC(3次元高速液体クロマトグラフィー)による品質管理の研究にも取り組んでいます。

  • 国内での栽培拠点について教えてください。

    国内には、6ヶ所(北海道・岩手・群馬・高知・和歌山・熊本)に生薬の栽培拠点があります。今後は、国内栽培を強化していきます。
    北海道においては、夕張市に生薬の生産・加工・保管拠点を設けました。また、2009年7月には、夕張市での生薬の生産・加工・保管拠点の事業を統括するために子会社(株式会社夕張ツムラ)を設立し、生薬栽培の拡大を図っていきます。

漢方の事業戦略について

ツムラでは、漢方医学の確立、普及に向けてさまざまな企業活動を展開しています。

「ツムラCSR」「イベント情報」もご参考に。

  • 漢方医学の普及活動について教えてください。

    小柴胡湯の副作用問題から、漢方薬というハードだけではなく、漢方医学というソフトもあわせて普及させていくことが必要であると考えました。
    漢方医学を普及させるために、3つの活動をターゲットとし活動しています。

    • (1) これから医師・薬剤師になろうとする学生に対しての、漢方医学教育の充実に向けた支援
    • (2) 患者さんを診察している医師に対しての漢方セミナー
    • (3) 一般市民・マスコミに対して、正しい漢方の知識を提供するための公開講座などの漢方セミナー
  • 営業活動において、何か特徴はありますか。

    過去の営業活動は、医師を納得させるエビデンスが十分ではなかったこと等から、漢方を使用している医師に対する訪問活動が中心でした。
    ところが、現在では漢方が着実に伸長し続けるための「仕組み」(上記図参照)をつくり、医療機関の各階層ごとに営業活動を行なっています。

    MR(医薬情報担当者)体制も、2006年より大学専任制を導入し、その後2007年より臨床研修指定病院の一部専任制を実施しています。

  • 大学への漢方教育の支援は、具体的に何を行なっているのですか。

    全国に大学医学部・医科大学は80大学あります。漢方医学教育に関して、8コマ以上の講義の必修化と大学主催の講師育成制度の導入(FD)についても、各大学で実施されるよう支援しています。

    漢方医学における統一の教科書として、EBMに基づく領域ごとの冊子を制作するための支援を行います。

    座学だけではなく、臨床現場において実習をするための場としての漢方外来について、全80大学に設置されるよう支援しています。

  • 漢方の育薬とは何ですか。

    医療用漢方製剤を処方しない医師があげる一番の理由は、「漢方製剤には科学的根拠がない」というものでした。そこで当社は、近年の疾病構造を見据え、 医療ニーズの高い領域において新薬治療で難渋している疾患で、医療用漢方製剤が特異的に効果を発揮する疾患に的を絞り、エビデンス(科学的根拠)を確立することを「育薬」と名付け、2004年度から取り組みを開始いたしました。
    現在は、全129処方の中から大建中湯・六君子湯・抑肝散・牛車腎気丸・半夏瀉心湯の5つを育薬処方とし、エビデンス確立に向けた基礎・臨床研究を推進しております。

  • 世界に向けて研究成果は発信されているのですか。

    アメリカにて開催の米国消化器病週間(DDW)にて、ツムラ漢方製剤の研究演題が採り上げられています。

    DDWは、毎年世界各国より医療関係者や研究者など多数が集まる世界最大級の学会です。日本国内だけではなく海外でも、漢方薬に対する期待が高まっています。
    2017年度は、シカゴにて「六君子湯:7演題、大建中湯:2演題、防風通聖散:1演題、麻子仁丸:1演題、茯苓飲合半夏厚朴湯:1演題、人参養栄湯:1演題」合わせて13演題が取り上げられました。

  • 育薬追加処方について、教えてください。

    育薬の追加領域は、「がん領域」とし、抗がん剤が引き起こす副作用に漢方製剤が有効であるものをターゲットとしました。
    2009年11月、2つの処方を追加しました。

    一つは、「ツムラ牛車腎気丸」で、抗がん剤等による末梢神経障害(しびれ等)に対して、症状の軽減を目的に研究を進めています。もう一つは、「ツムラ半夏瀉心湯」で、抗がん剤等による粘膜障害(下痢・口内炎)に対して、症状の軽減を目的に研究を進めています。

    最先端の治療薬が持つ薬効を落とすことなく、その薬剤が引き起こす副作用を、漢方製剤の投与によって軽減させる効果が期待できると考えます。

  • 米国における漢方薬の臨床試験について教えてください。

    ツムラは米国内で治療に困っている疾患で、漢方薬が特異的に効果を発揮する領域に的を絞って、漢方の国際化を推進しています。

    日本国内での大建中湯フォーラムを初めとした最新の研究成果を米国臨床試験の手続きに連携させる体制を整え、日米オーソリティドクター同士の情報交換を推進し、より効率的な開発体制を構築しています。