フレイルの基礎知識

誰にでも起こる体と心の
変化 フレイルとは?
「フレイル」とは、歳とともに、体力・気力が低下した状態のことです。フレイルの状態となることで、病気になりやすい場合や、生活の質が低下することがあります。ただし、適切な対策で、健康な状態に戻ることが可能な「可逆性」という特徴を持っています。2014年に日本老年医学会が提唱した概念で、英語の「Frailty(フレイルティ:虚弱)」が語源となっています。
フレイルの定義
フレイルとは、「加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」を表す“frailty”の日本語訳として日本老年医学会が提唱した用語である。フレイルは、要介護状態に至る前段階として位置づけられるが、身体的脆弱性のみならず精神・心理的脆弱性や社会的脆弱性などの多面的な問題を抱えやすく、自立障害や死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を意味する。
「フレイル診療ガイド 2018 年版」(日本老年医学会/国立長寿医療研究センター、2018)
フレイルのサイン
フレイルは1つの兆候を表すものではなく、主に3つの特徴があります。筋力が低下して転びやすくなるといった身体的な問題、もの忘れや気分の落ち込みが続くといった心理・認知的な問題、社会交流の減少や経済的な困窮といった社会的な問題も含みます。
これらは別々に存在しているわけではなく、互いに関連し合っています。もし、どれか1つでも心当たりがあればフレイルかもしれないと考え、対策をとることが大切です。
身体的フレイル
転びやすい、足腰が弱って歩けない、疲れやすい など。
心理・認知的フレイル
うつ状態や、認知機能の低下 など。
社会的フレイル
一人暮らしや、一人きりの食事、閉じこもり など。
50代から生活を
見直すことが大事
50代であれば「自分には関係ない」「まだまだ元気」。確かにそう思う方も多いかもしれませんが、歳とともに、体と心の衰えは少しずつ始まっていますので、プレフレイルや、フレイルの可能性を考えてみることも大切です。


何も意識せず心身の衰えが進んでいくと、病気を引き起こす原因になる可能性もあります。
プレフレイルが始まると言われる50代から、日常生活を見直すなど適切な対策をすることで、フレイルへの進行に歯止めをかけ、健康な状態を維持することができるのです。
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