Q&A

フレイルや漢方薬について、よくあるご質問にお答えしています。
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フレイルとは何ですか?
フレイルとは、歳とともに、体力・気力が低下した状態を指します。それにより、病気になりやすいこともあるといわれています。ただし、適切な対策により、健康な状態に戻ることも可能です。
なお、似た概念であるサルコペニアは「筋肉」にフォーカスした概念で、加齢とともに筋肉量が減って筋力や身体機能が低下した状態を指します。サルコペニアは身体的フレイルの一つという位置づけです。 -
自分がフレイルかどうかチェックできますか?
フレイル状態かどうかを把握できる方法の一つとして、フレイルチェックがあります。ただし、これはあくまでも目安となります。詳しくは、かかりつけ医に相談してみましょう。
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フレイルは対策できますか?
健康な状態から、いきなり深刻な状況になるというケースはあまりなく、通常は、プレフレイル、フレイルと段階を経ながら状態が悪化していきます。フレイルは「適切な対策をすれば健康な状態に戻ることが可能な段階」と位置付けられています。しかしフレイルになってからではなく、健康時から早めに対策を始めるのが理想的です。ポイントは「栄養」「運動」「社会参加」の3つです。
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フレイルは改善できますか?
フレイルは、健康から要介護にすすむ中間の状態。健康に問題が起きてしまうと回復は大変ですが、フレイルはまだ元に戻ることができる段階。しっかり対策をして、健康な状態を取り戻しましょう。
漢方薬もフレイルの改善に効果的です。漢方薬は体と心を一体として捉え、全体のバランスを整えることで、結果的に症状を改善します。“原因が特定できないけれど、なんとなく調子が悪い”など、「未病」と呼ばれる病気の一歩手前の状態でも治療ができます。フレイルはまさに「未病」であるため、漢方薬の得意分野と言えるでしょう。 -
フレイルの心配がある場合、どこへ相談すればいいですか?
かかりつけ医に相談してみましょう。また、フレイルに詳しい医師がいる「老年内科」や「フレイル外来」を設置している医療機関も少しずつ増えてきています。
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フレイルと関連すると考えられている病気にはどのようなものがありますか?
厚生労働省「国民生活基礎調査」(2019年)によると、65歳以上の「介護が必要になった主な原因」のトップ5は「認知症」「脳血管疾患(脳卒中)」「高齢による衰弱」「骨折・転倒」「関節疾患」。これらはいずれもフレイルと深くかかわっています。
たとえば認知症では、認知症になる前段階として「軽度認知障害(MCI)」という状態があります。MCIは脳のフレイルのようなもので、その約半数が5年以内に認知症に移行するといわれています。MCIのすべてが認知症になるわけではありませんが、MCIの段階から運動や社会参加といった活動を始めることで、認知症の進行を遅らせることが期待されています。
また、身体的フレイルの一つ「サルコペニア(筋肉量や筋力の低下)」になると、認知症のリスクが増加することもわかっています。「加齢による衰弱」はフレイルそのものですし、「骨折・転倒」をしやすくなるのは、身体的フレイルの特徴でもあります。