INTERVIEW わたしの#OneMoreChoice

誰もが心地よく生きるための
新しい選択肢についてお話を伺いました。
いろいろな選択肢から、あなたにとっての
#OneMoreChoiceをみつけませんか?

#015

Z世代が信頼する
動画クリエイター
nanakoななこさんが明かす、
我慢を抱えず「自分を愛する方法」とは?

nanakoななこさん/動画クリエイター

多くの女性が「隠れ我慢」を抱えているといわれています。「隠れ我慢」とは、不調を我慢して仕事や家事をしてしまうこと。

ツムラが実施した調査では、女子大学生の85.7%が生理・PMSといった不調を我慢しながら日々を過ごしていることが分かりました。

今回は、YouTubeなどを中心に美容やライフスタイルについて発信している動画クリエイターのななこさんにインタビューしました。

1998年生まれの25歳。今年、「Z世代がいちばん信頼/参考にしているインフルエンサー・有名人」(LINEリサーチ調べ)で女性からの1位を獲得したななこさんに、ご自身の「隠れ我慢」と徐々に向き合うことで、ありのままの自分を前向きに受け入れられるようになった理由を伺いました。

多くの女性が「隠れ我慢」を抱えているといわれています。「隠れ我慢」とは、不調を我慢して仕事や家事をしてしまうこと。
ツムラが実施した調査では、女子大学生の85.7%が生理・PMSといった不調を我慢しながら日々を過ごしていることが分かりました。
今回は、YouTubeなどを中心に美容やライフスタイルについて発信している動画クリエイターのななこさんに
インタビューしました。1998年生まれの25歳。今年、「Z世代がいちばん信頼/参考にしているインフルエンサー・有名人」
(LINEリサーチ調べ)で女性からの1位を獲得したななこさんに、ご自身の「隠れ我慢」と徐々に向き合うことで、ありのままの自分を
前向きに受け入れられるようになった理由を伺いました。

生理痛は本当に
「女性だけの問題」?

──女子大学生の85.7%が、生理・PMSの不調について日常的に「隠れ我慢」
をしているという調査結果が出ています。
ななこさんもそういった経験はありますか?

大学時代の居酒屋のアルバイトでは、
体調不良を無理して隠してしまうことが多かったです。

友人には体調不良を伝えやすいんですが、
店長が男性だったということもあり、
同じアルバイト同士でもあまり交流のない方には伝えにくいことでした。

理由に関わらず、休む場合は代理の人を探す必要が
あり、
申し訳ないなと思う気持ちもあって、
薬を飲んで「隠れ我慢」をしながら勤務することが
多かったですね。

学校の授業は自己判断で休めるけれど、
アルバイトで「隠れ我慢」をしている学生さんは多いと思います。

──いま振り返ると、「隠れ我慢」を減らすために
どういったアクションが
できると思いますか?

特にアルバイトや仕事の場面では、
信頼できる同僚に事前に体調に関わる話を
しておくことが大切だと思います。

私自身、生理痛が重い方で、
倒れてしまうこともありました。

突然同僚が倒れてしまったらびっくりしますよね。
体調を崩した時に、その背景を理解してくれている
人がいれば
周囲の驚きも少なくて済み、
適切なサポートを受けられると思います。

相手が体調不良の際には手を差し伸べて、
助け合いができるといいですよね。
そのためにも、自分で抱え込んだり我慢して助けを
待ったりするのではなく、
積極的に自分の状況を周囲に共有して、
助け合いやすい環境を作れたらよかったのかなと思います。

──社会全体で互いに助け合うためには、
どういったアクションができると
思いますか?

生理痛は「女性だけの問題」という雰囲気があり、
男性に伝えることに対して、
なんとなく申し訳ない
と感じる時があります。

でもきっと性別関係なく、それぞれにできること、
できないこと、
辛いことがあるはず。
生理痛は「女性だけの問題」という切り分け方では
なく、
個人の得意不得意の一部として、
必ずしも親しい関係でなくても、
互いに助け合える
環境を作ることが理想的ですよね。

見えない部分も多く、難しいとは思いますが、
性別、職業、年齢関係なく、
助け合えたらいいですよね。
そのためにもお互いがお互いのことを知っておきたいですね。

思いきって、
ネガティブな状況を伝えてみた

──先ほど、生理痛が重い方だとおっしゃっていました。YouTube動画では
いつもニコニコされている印象ですが、体調不良の時の対処法はありますか?

生理痛や、寝不足や疲れからくる頭痛、
腹痛などの体調不良を感じていても、カメラのボタンを押したら
いつも通りの笑顔の自分になるように切り替えています。

声がガラガラになってしまったなど、
体調不良が伝わってしまう時の撮影は避けますが、
基本的に我慢すれば問題ないという時は
そのままスケジュールを進行することが多いです。

ただ、本当に落ち込んでしまって、
動画を作ることができない時もあります。

そうすると、自分を責めて、
もっと落ち込んでしまって…。

最近はそういったネガティブな状況も含めて、
InstagramなどSNSで発信するようになったんです。
それが一番の対処法になっています。

SNS上では笑顔で明るい自分が好きな自分の姿しか見せていなかったので、
自分が嫌いな自分を見せることに不安もありました。

でも、いざ発信してみると、
予想以上に共感の声をいただいたんです。

ネガティブな状況を伝えることも、
実は誰かの支えになっていて、
その反応が自分の支えにつながるんです。
そういったありのままの発信ができるいまの環境が大好きだし、
みんなの反応を受けて自分のことを認めてあげられているなと感じます。

──自分のネガティブを伝えるのは、かなり不安が
あったと思います。
どういった気持ちの転換があったのでしょうか。

インフルエンサーって、SNSでしか目に触れない存在なので、
人間じゃないような、
自分とは違う人種のような感じがすると思うんです。

体調不良で動画の更新ができない時に、
なぜいま動画が上がっていないのかを、
ファンの方に理解してもらえるようにしたかったんですよね。

私も人間。笑うし、泣くし、苦しいこともある。
同じなんだよ、と伝えてみたら、人間味を感じてもらえて、
何かイレギュラーなことが起きた時に
「もしかしたら体調不良なのかな」とか、
背景まで想像してもらえると思うんです。

勇気を出してそういった発信をすることで、
活動を続ける中でより自分が自分らしくいられると思ったんです。

──インフルエンサーの方に関わらず、
みんなが少しずつ周囲に自己開示が
できるといいのかもしれませんね。

私は体や心のことは恥ずかしいことではなく、
それぞれの個性の一部と捉えています。
自分から共有していけるようになると、
生活や仕事がやりやすくなると思います。

例えば生理痛の話題でも、
私は友達に
「自分はこういうタイプだよ」と自己開示するようにしています。

私が先に言うことで、友達からも
「私はこうなんだよね」と話してもらえて、
情報交換にもなるんです。

「ナプキン何使ってる?」とか。
家に来た友達に「これめっちゃいいよ!」って
商品を見せたりすることもあります。
情報収集にもなるので、そこで学んだことを発信することもあります。

──おすすめのナプキンなど、生理用品についての詳細な解説動画を投稿されて
いますが、
生理をテーマにした動画の発信も、勇気が必要なことだと思います。
どのような思いで発信されているのでしょうか。

私がYouTubeを始めたのは、
若い世代向けの美容系動画が少ない中で、
「私ならこういう情報を知りたい」「きっと知りたい人がいるはずだ」
と思ったからです。

私自身YouTubeを頻繁に見ていたのですが、
YouTubeで検索する内容って
「友達にはちょっと聞きにくいけれど
知りたいこと」が多かったんです。

特に、おすすめの生理用品って、
友達もそうですし、
母親にも聞きにくいですよね。
そういった情報を求めてYouTubeを検索する方に、
私という存在を介して情報を提供したいんです。

実際、母親から与えられた生理用品をそのまま使い続ける方も多いと聞きます。
彼女たちに、もっと快適に過ごせる、
たくさんの選択肢を知ってもらいたいんです。

動画のコメント欄でみんなと意見や情報を交換できるので、
とてもいい循環ができていると思います。

まずは何か一つでも、
「自分を愛すること」を始めてみよう

──「少しのきっかけと勇気があれば、人生は一瞬で変えることができる」
など、前向きなメッセージを、これまでにたくさん発信されています。
こういったメッセージを伝えようと思ったきっかけはありますか?

私自身、YouTubeとメイクを始めたことで、
自分を愛せるようになって、
その体験をみんなにも伝えたいと思ったんです。

それまでは、芸能活動をしたり、
オーディションを受けたりしたこともない、
本当に普通の学生でした。

実は昔の動画では、
変顔や自虐的な表現をたくさんしていたんです。
正直、コンプレックスだらけでした。

でも発信を続ける中で、
ファンの方から
「かわいい」って褒めてもらえるようになって。
それと同時に、メイクを研究して、
好きな自分になれるように努力していきました。

そうすると、見た目や性格の
コンプレックスだった部分も、
認められて
愛せるようになってきたんです。

自分に自信がつくと、
苦手なことも
「これは苦手だけれどこれは得意だから仕方ないか」
とか、
過去の嫌だった出来事も
「今の自分を作ってくれたからいいか」とか、
そう前向きに捉えられるようになっていきました。

自分自身ありのままで生きることを
前向きに受け入れられるようになって、
まるっと全部自分を愛せるようになっていたんです。

──自分との向き合い方に悩んでいる方はきっと多いですよね。

いま悩んでいる方も、きっと私と同じように、
自分を愛せるようになると思います。

筋トレやボディメイクをしたり、姿勢をよくしたり、
アイメイクを頑張ったり、前髪を頑張ったり。
まずは小さいところから、何か一つ、
自分を愛せるようなことを始めていく。

何か一つでも自分を愛することができたら、
愛するポイントを増やしていくことは難しくないと思います。

私の動画を見た方から、
「自分のことがもっと好きになりました」とか
「コンプレックスが解消しました」という声をいただくんです。
少しでも前向きに誰かの人生を変えられているんだと実感する瞬間が
一番うれしいし、
やりがいを感じます。

──先日、オーストラリアに留学することを発表されていました。
発表の背景では、どんなことを考えていたのでしょうか。

発表するのは、怖かったです。
動画を公開する瞬間は手が震えて、
公開後に高熱を出してしまいました。

動画を撮り溜めして、
隠れて留学することもできたと思います。
でも、そうしたくなかったんですよね。

私は子供の頃、大人ってすごく自由だと思っていたんです。
「大人になったら好きなことができるから、世界一周してみたいな!」
と思っていました。

それが大人になるにつれて、
責任が増えたり縛りが増えたりして、
現実は思っていたよりも複雑なんだと分かりました。

でも実は、やろうと思えば何でもできちゃうんじゃないでしょうか。
留学すると発信することで、動画を見てくれた方が、
自分がしたいことに行動を移せるかもしれないですよね。

──そのチャレンジが、また別のチャレンジを引き起こしていくかもしれない。

そうですね。あの動画を見て、
私の友達で3人、
仕事を辞めて次のチャレンジをするのを決めたと言っている子がいて
「え、大丈夫?」って思いました(笑)。

ファンの方からも、
留学は金銭面とか周りの声で諦めていたけれど、
やっぱり頑張って叶えようというコメントをいただいています。

これからも、自分にとっての大きな意志を伝えることで、
みんなの意志も後押しできたらうれしいなと思っています。

nanakoななこ
岐阜県出身・在住の動画クリエイター。
メイクのHow to動画を中心に様々なコンテンツを
日々アップし、
SNS総フォロワー数は250万人を
超え、
多くの女性から絶大な支持を集めている。
活動はSNSに留まらず、
ラジオパーソナリティや雑誌、TV出演、
自身のコスメブランド「leur charme」を
手掛けるなど多方面で活躍中。

取材・文=林 亜季 撮影=Yoshihito Koba
取材日=2023.07.27
※掲載内容は、取材時点での情報です

取材・文=林 亜季 撮影=Yoshihito Koba
取材日=2023.07.27
※掲載内容は、取材時点での情報です

これがわたしの#OneMoreChoice

これがわたしの#OneMoreChoice

──最後に、ななこさんの
「わたしの#OneMoreChoice」、
自分なりの選択肢について教えてください。

「全員が世界でいちばんかわいくて素敵!
どんな自分も沢山愛してあげよう」
です。

かわいいの基準って、一つか二つしかないとか、
「かわいいと言われているあの子に近ければ近い方が勝ち」
みたいなものではないですよね。

生まれた瞬間からみんながそれぞれ、
世界一かわいいと思うんです。
「私は誰かにはなれないけれど、
他の誰かも同じように、私にはなれない」
という価値観を私は持っています。

あなたを基準にすることで、
あなたは最高に、
世界一かわいい。
すでに素敵なんです。

そう考えれば、自分の長所や短所を愛することができると思うし、
短所や弱点であっても、周囲や社会に対して助けを求めることもできる。
私はそう思っています。
もっと我慢せず、自己開示し合って、助け合っていきましょう。

nanakoななこ