15歳〜49歳の生理の経験がある6,000人を対象に
「生理・PMSへの本音」を、
15歳〜49歳の男女15,000人を対象に「生理・PMSへの理解度」を調査しました。
生理痛やPMSで辛くてもいつも通りにする
頻繁にある
時々ある
ほとんどない
まったくない
生理痛やPMSの症状で辛いときに、周囲に伝えるか
伝えている
たまに伝えている
ほとんど伝えることはない
伝えることはない
生理痛やPMSの症状で辛いとき、周囲に伝えない理由(複数回答)
生理痛やPMSの症状を理解してもらえず辛い経験をした
頻繁にある
時々ある
まれにある
ない
生理前や生理中に感じる症状(複数回答)
生理痛やPMSによる症状の感じ方
(複数回答)
お腹周りの痛み
お腹にフォークをグサグサ刺されている感じ (埼玉県・10代)
お腹に常に1トンくらいの重りがついている感じ (島根県・10代)
トンカチなど鈍器で叩かれるような腹痛 (広島県・20代)
貧血で立っている時にフラフラする。お腹を継続的に殴られているような痛みがある (神奈川県・20代)
お腹にハリセンボンが居る感じ(栃木県・20代)
お腹周りをだるま落としみたいにずっと叩かれている(岡山県・30代)
お腹の中で地味にずっと太鼓を鳴らされている(東京都・40代)
お腹に水風船を設置された様な感じで、パンパンになり、便秘にもなって息苦しく感じる事がある(大阪府・40代)
精神的な苦痛
生理の症状が出る期間は自分が自分じゃないような気がします。上から圧がかかってるみたいに気持ちも体も重たい(愛知県・10代)
寝ても寝ても眠い(福島県・10代)
精神的にも不安定になって、些細なことで泣きそうになったり病みそうになる(北海道・20代)
得体のしれない何かにずっと苛立ち、すぐに自己嫌悪に陥る(長崎県・30代)
人生がとことん嫌になって気持ちが落ち込む、世界の終わりのような気持ちになる(福岡県・30代)
孤独感(千葉県・30代)
頭の中がぐちゃぐちゃ(山口県・40代)
腰や子宮周りの痛み
小学生が腰に捕まっている感じ(神奈川県・20代)
すごく重たい石をお腹に押し付けられ、腰が砕け散っている感じ(埼玉県・20代)
腰にハンマーで殴られて動けないような痛み。腹はミキサーにミンチにされるようなズキズキ感(千葉県・30代)
お腹の痛みは子宮をギューっと握り潰されてる感覚。腰痛は金槌でガンガン殴られてる感覚(青森県・30代)
頭痛
頭を誰かにグーパンチされている感じ(滋賀県・40代)
孫悟空の輪っかのように頭を絞られてる感覚(愛知県・40代)
生理について学んだ経験の有無と学んだ場所
学んでいない
学んだ経験あり
PMSについて学んだ経験の有無と学んだ場所
学んでいない
学んだ経験あり
知識を得てよかったこと
生理やPMSについて対話する機会がない
生理やPMSについて話題にすることはタブーではないと思う
今回の調査結果について、霞が関ビル診療所婦人科の丸山綾先生に解説していただきました。
詳しく読む
今回の調査では月経痛やPMSに対してさまざまな痛みの表現が寄せられ、 感じ方は人それぞれで全く違っています。 痛みの感じ方は個人差があり、他人と比較することはできません。 ですから、痛みをわかってもらえないから我慢する、と考えるよりも、大切なのは「ご自身でできる選択をしてみる」こと。 例えば、医療機関を受診するなど、症状を緩和させることを考え行動することも、ひとつの選択肢だと思います。 自分の今の痛み、月経痛やPMSにどう対処するか、ご自身の身体について向き合ってみる(考えてみる)ことも大事です。 婦人科医には、あなたの痛みを緩和し改善するためのノウハウがあります。
婦人科を受診するというと、若い方にはハードルが高いと感じる方もいらっしゃるようですが、 先に申し上げたように「痛みは個人差が大きい」ものですから、どの程度の痛みなら受診するという目安はありません。 「自分の状態がどうなのかわからないので知りたい」という場合でも、気軽に受診してください。 ただし、「日常生活に支障がある」、「以前より症状が重く辛い」、「月経痛で動けないほど痛い」方は、ぜひ一度、受診をおすすめします。 子宮内膜症や子宮筋腫などの器質的疾患の有無を検査しましょう。 これらを放置しておくと、症状の悪化だけでなく、不妊や将来的にがんの原因となることもあるからです。 また、どのような症状でも、今より改善する可能性があることを知っておいてください。 例えば、「座っていれば、仕事や勉強・家事は何とかこなせる」という方は、低用量ピルや漢方薬などを服用することで「座っていなくても、通常どおりに仕事や勉強・家事がこなせる」ことが期待できます。 またPMSのイライラ感は、薬を使用しなくても、白砂糖系のスイーツや辛い物などの刺激物を避けることで緩和が期待できるなど、自分でできる生活上の“養生のコツ”も色々あります。 「このくらいなら我慢できる」ではなく、「月経前後でも月経以外の時期と同じように生活できる」ようなハッピーな生活を目指しましょう。
今回の調査では、月経痛やPMSを「我慢するもの」と捉える人がいる一方、月経やPMSの話題は「タブーではない」と考える人も半数以上いました。 確かに20年前と比べると、月経痛に対して鎮痛剤以外の月経困難症治療薬(低用量ピル等)が出てきたり、 そもそも病気として認識されていなかった月経前の不快な症状が、PMSという病気として認められ、徐々に一般にも知られるようになってきています。 当院でも、ご自身でPMSを疑って受診される方は増えましたし、また中高生の娘さんを連れてきたり、相談されるお母さま方が増えている印象があります。 月経時の症状を無視せず、それらが治療対象の病気であることを理解していることの現れだと思います。 月経痛やPMSの理解度を見ると高いとは言えませんが、今はインターネットなどで多くの情報を得ることができます。 月経痛やPMSという女性特有の病態が、以前よりは認識されつつあります。 しかし、まだその理解は不十分で、当事者にとってはもちろん、社会全体への正しい知識とさらなる理解が必要です。 そして月経痛やPMSにについて少しでも気になることがあれば、症状の強弱に関わらず、「ひとりで我慢したり悩んだりせず、医療機関に相談する選択肢もある」ということを知っていただけたらと思います。