冬から春への移り変わり──
気候も暖かくなり、植物も色とりどりに花を咲かせ、華やかな気分になりますよね。
けれど、急な気温の変化を繰り返すこの時期、カラダと心にじわじわダメージが与えられている季節でもあります。
春の華やかさとは裏腹に、カラダと心が追いつかない人も多いのではないでしょうか。
今回は薬剤師である筆者が、春の訪れとともに起こる不調とその対策を解説します。
春は自律神経が乱れやすい季節
四季の中でも、“春”は精神疾患を引き起こしやすい季節と言われ、すでに患っている病気が悪化したり、新たに精神的な不調を訴えることがあります。 例えば、寝つきが悪い、やる気が起きない、不安や動悸を感じる、気持ちが落ち込む、イライラするなど、心が落ち着かないことが多くなります。さらに、めまい、頭痛、食欲不振、下痢、便秘などの症状を感じることもあります。
じつは、これらは全て“自律神経の乱れ”が原因とされています。
気温変化が多い冬から春にかけて、カラダは体温調節のために自律神経を一生懸命働かせます。しかし、寒暖差が激しすぎると、この変化にカラダがついていけず、結果的に自律神経を乱してしまいます。さらに、人間関係や生活環境が新しくなることも多く、慢性的なストレスが増えるので、特に不調を感じやすいのです。 その他にも、花粉シーズンのピークを迎えたりなど、暖かくなる反面、意外に過ごしにくい季節でもあります。

春を快適に過ごす、ストレス発散方法
春を快適に過ごすのに必要なことは、“ストレスを発散”することです。
いくつかオススメの発散方法を紹介します。
ガムを噛む
“噛む”動作には、気持ちを落ち着かせる働きがあると言われています。 さらに、ストレスがあると唾液の分泌が減り、口臭がきつくなります。ストレス対策だけではなく、口臭対策も同時に行うことができます。

料理にこだわってみる
料理をしているときは、五感を使い、ひたすら野菜を刻むなどの単調作業を繰り返し、完成した時には達成感も得られるため、さまざまな面からストレス解消に役立ちます。
また、過度のストレスを感じている時には、食事がおろそかになりがちです。しかし、しっかり料理をすることで、栄養状態も良好になります。

フラクタルを見つめる
自然界にあるパターン化できる形を「フラクタル」と言います。 フラクタルをぼーっと見つめているだけでストレスを発散できると言われています。身近なところにフラクタルを見つけてみましょう。

漢方薬を飲む
ストレスの原因は、カラダの不調や精神的なものまでさまざまですが、そのような時、漢方薬には有効なものがあります。 じつは、漢方薬は精神的な問題への改善も得意としていますが、その際、注意しなければならないのは、漢方薬はその人の体質や症状に合ったものでないと、十分にその効果を発揮できないということ。 ですので、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談することが大事です。

春は、お花見や旅行など、アクティブに過ごしたくなる季節です。
年度初めで忙しい人や、生活環境の変化などでバタバタしている人も、ストレスを上手に発散して、スッキリのびのびと“春”を満喫しましょう。
Mar 27 2019
薬剤師・大久保 愛
Keywords
- ストレス
- 不調
- 自律神経