漢方ビュー通信

漢方薬と上手に付き合っていくために

漢方薬と上手に付き合っていくために

ひと昔前と比べて、より身近になった“漢方”

実際に薬局やドラッグストアに陳列されている漢方薬を見たり、テレビCMなどの情報で漢方に触れたりする機会も多くなっているため、その種類や効果効能などに詳しい人も増えているのではないでしょうか。

そこで今回は、漢方薬の効能、素晴らしさ──の部分ではなく、その反対側のイメージ…「副作用」について解説します。

漢方薬の服用で副作用は起こる?

漢方薬に副作用はあるの?という質問をよく受けます。 確かに、漢方薬の原料となる生薬は自然界に存在するものなので、「副作用がなくて安心な薬」と思っている人も多いかもしれません。

そもそも漢方薬の製法は、毒性をもつ生薬が含まれている場合にはそれを緩和する生薬が配合されていたり、組み合わせることで効能が発揮されやすい配合になっていたりと、先人の知恵と努力によって生み出されたものです。

しかし、漢方薬も医薬品ですので副作用はあります。 また、カラダの状態に合っていない漢方薬を服用すると、アレルギー反応を引き起こすこともあるので注意が必要です。

したがって、漢方薬を服用する際には、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談し、自分の体質に合ったものを選んでもらうことが大切です。仮に、服用中に異変を感じたりした場合には、すぐに相談するようにしましょう。

漢方薬

服用前には必ず相談を

漢方薬の副作用で多いとされるのが、胃もたれなどの消化器に出る症状、そして湿疹やかゆみなど。また、漢方薬の原料である生薬にも、副作用を起こしやすい性質をもったものがあります。
一般的に、服用を止めると副作用も治まる場合がほとんどですが、まれに治療が必要になる場合もありますので注意しましょう。

ちなみに、副作用を起こしやすい人の特徴としては、漢方薬を3種類以上併せて服用していたり、インスリン治療をしていたり、肝臓疾患で治療をしていたりすることなどが挙げられます。

今や、漢方薬は薬局やドラッグストアでも手に入り、以前よりも比較的身近な存在になってきました。しかし、漢方薬も薬である以上、医師や薬剤師に相談してから服用を始めることをおすすめします。

応用が利く漢方薬

とはいえ、漢方薬は非常に応用が利く薬として重宝されています。

例えば、漢方薬は1剤に複数の生薬(有効成分)が含まれているため、特定部位のみの改善にとどまらず、カラダ全体もしくは多様な症状に効果を得やすい特徴があります。 また、自覚症状はあるけど検査で異常が見当たらない、病名が特定できないような場合でも、その時のカラダの状態を独自の診察で見分けて処方されます。 漢方治療の特徴として、個々の体質や病気の状態等にあわせて、さまざまな薬を使い分けます。これが、漢方がテーラーメイド医療といわれる所以です。

漢方薬だけに限ったことではありませんが、薬は決して万能ではありません。 上手に付き合っていけるように、自分のカラダと周りでサポートしてくれる医師や薬剤師とのコミュニケーションを大事にしていきましょう。

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医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。

  • すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。

May 31 2021

薬剤師・大久保 愛

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  • 副作用
  • 医師
  • 生薬
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