口の渇きや尿量の減少がある人の「水滞(すいたい)」を改善
むくみをはじめ、頭痛、めまい、下痢などは、漢方では「気・血・水(きけつすい)」※の「水」が滞った「水滞」を原因とする症状と考えます。水分代謝がうまくいかずに、体のあちこちに偏在(へんざい)して異常が現れるのです。 「五苓散」は、「水滞」を改善する代表的な処方で、口の渇きや尿量の減少やめまいなどのある方のむくみ、頭痛、下痢などに使用されます。
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「気・血・水」は、不調の原因を探るためのものさしです。
漢方では、私たちの体は「気・血・水」の3つの要素が体内をうまく巡ることによって、健康が維持されていて、これらが不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、不調や病気、障害が起きてくると考えられています。
頭痛、めまいから吐き気、嘔吐(おうと)まで適応が広い
「五苓散」の適応症は多く、また「虚実(きょじつ)」の「証(しょう)」も「虚実間証(きょじつかんしょう)」を中心に比較的広く用いられます。 さまざまな浮腫(むくみ)、急性胃腸炎、下痢、頭痛、暑気あたり、二日酔いなどの吐き気やむかつきにも用いられます。子どもの下痢、妊婦のむくみなどに使われることもあります。
配合生薬
沢瀉(たくしゃ) 、 猪苓(ちょれい) 、 蒼朮(そうじゅつ) 、 茯苓(ぶくりょう) 、 桂皮(けいひ)
出典:「NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版」 (主婦と生活社)
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