女性によく用いられる「血虚」に対する基本処方
「四物湯」は、「血(けつ)」※1が不足した「血虚」に対する基本的な方剤とされ、多くの漢方薬のもとになっている古くからの処方です。
体力が低下して腹力がなく冷え症で、皮膚がカサカサと乾燥して色つやが悪い人に向く薬です。女性に用いられることが多く、産後・流産後の疲労回復、月経不順やいわゆる血(ち)の道症※2などによく用いられます。貧血の人にも使われます。
※1 「気・血・水」は、不調の原因を探るためのものさしです。
漢方では、私たちの体は「気・血・水」の3つの要素が体内をうまく巡ることによって、健康が維持されていて、これらが不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、不調や病気、障害が起きてくると考えられています。
「血(けつ)」:全身を巡ってさまざまな組織に栄養を与えます。主に血液を指します。
※2 血の道症:女性ホルモンの変動に伴って現れる体と心の症状
乾燥肌のトラブルや冷え症の改善にも
しもやけ、しみにも効果があります。また、冷え症の改善にも用いられ、特に貧血気味で手足が冷えるという人に適しています。
配合生薬
地黄(じおう)、 芍薬(しゃくやく)、 川芎(せんきゅう)、 当帰(とうき)
出典:「NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版」 (主婦と生活社)
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