心身が疲労して眠れないような人に
「酸棗仁湯」は、体力が低下して、心身が疲労している人の不眠の改善によく用いられる漢方薬です。神経症、自律神経失調症による不眠の治療などにも用いられています。
不眠のタイプとしては、特に覚醒と睡眠のリズムが乱れて、夜間目が冴えて眠れない、夢見が多い、熟睡感がないといった症状があるような場合に適します。
抑うつ、不安、焦燥感などの精神状態をともなうことが多い。
精神を安定させる生薬で構成される
主薬の「酸棗仁」は気を鎮めるような作用があり、「五臓」※の「心(しん)」の働きの不調に関する症状に用いられる生薬です。「知母」や「茯苓」にも同じような効果が期待できるといわれています。
こうしたいくつもの生薬がいっしょに働いて、神経の高ぶりを鎮めて、熟睡できるように働きかけます。
- 五臓:西洋医学とは異なる臓のとらえ方で、肝・心・脾・肺・腎の働き
配合生薬
酸棗仁(さんそうにん)、 茯苓(ぶくりょう)、 川芎(せんきゅう)、 知母(ちも)、 甘草(かんぞう)
出典:「NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版」 (主婦と生活社)
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