INTERVIEW わたしの#OneMoreChoice

女性が心地よく生きるための
新しい選択肢についてお話を伺いました。
いろいろな選択肢から、あなたにとっての
#OneMoreChoiceをみつけませんか?

#009

それぞれの見た目も、選択も、人生も、
全部いい
広がれば、もっと楽になる。
宅トレ動画クリエイター・竹脇まりなさんの
考える、
隠れ我慢のない社会とは?

竹脇まりなさん / 宅トレ動画クリエイター

多くの女性が「隠れ我慢」を抱えていると言われて
います。「隠れ我慢」とは、不調を我慢して仕事や家事を
してしまうこと。ツムラが実施した調査では、
全国20~50代の約8割が「隠れ我慢」を抱えながら
日々過ごしていることがわかりました。
今回お話を伺うのは、宅トレ動画クリエイター、
竹脇まりなさん。宅トレとはその名のとおり、
自宅で行うトレーニングのこと。
コロナ禍をきっかけにまたたく間に浸透し、
彼女のチャンネル登録者数は299万人にも上ります。
(2022年3月現在)
いつも笑顔でポジティブなメッセージを発する竹脇さんに
もあった「隠れ我慢」の経験、
そして彼女が考える「自分を好きになること」との関係に
ついて伺いました。

多くの女性が「隠れ我慢」を抱えていると言われています。
「隠れ我慢」とは、不調を我慢して仕事や家事をしてしまうこと。
ツムラが実施した調査では、全国20~50代の約8割が「隠れ我慢」を抱えながら日々過ごしていることがわかりました。
今回お話を伺うのは、宅トレ動画クリエイター、竹脇まりなさん。宅トレとはその名のとおり、自宅で行うトレーニングのこと。
コロナ禍をきっかけにまたたく間に浸透し、彼女のチャンネル登録者数は299万人にも上ります。(2022年3月現在)
いつも笑顔でポジティブなメッセージを発する竹脇さんにもあった「隠れ我慢」の経験、
そして彼女が考える「自分を好きになること」との関係について伺いました。

周りへの相談は
整理」と「刺激」のために不可欠

──YouTubeで「宅トレ」を発信する前は、
意外にも金融系の企業で会社員をされていた
そうですね。

そうなんです。4年前までは日々、オフィス街で馬車馬の
ように
働いていました(笑)。そんな「がんばる自分」を
楽しんでもいたのですが、
28歳の時にふと、
「一生この仕事をやるのかな」と立ち止まっちゃって。
そのとき、夫に「2カ月後に死ぬとしたら、
何をやりたい?
その『やりたいこと』が実現できる
ような仕事を選んだ方がいいよ」と
言われたんです。
そんなふうに考えたこともなくて、
雷に打たれた
気分でした。

夫に勧められるがままノートに書き出して分かった
私の望みは、
「健康美な状態で死にたい」。死ぬ直前まで
周りをハッピーにして、
自分は健康でいたい。
フィットネスインストラクターだった母のように
生きたい。そう気付いた時、会社を辞めることを決意
したんです。
そして、せっかくやるなら本場にとインドへ
向かい、
ヨガのインストラクターの資格を取得。
帰国後、
意気揚々と就活を始めました。

──では、いわゆる「スタジオで教える
インストラクター」に
なるつもりだった?

はい。でも、どこに履歴書を送っても全然採用して
もらえなくて……
1年くらい、もんもんと過ごして
いましたね。そんな時に夫の仕事で
アメリカに
行くことになり、向こうでYouTubeを始めました。
その時にはもう「自分にはフィットネスの才能なんて
ない」と
諦めていたから、まったく別ジャンルの
動画中心で。

でも、そこから1年くらいたった時、
夫に「せっかく本場で学んだんだし、やりたいこと
なんだから」と再度
背中を押してもらいました。
そこで思い切って、フィットネスの動画を
出し始めたんです。だから、会社を辞めてからも
トータル2年は、
理想とのギャップに心が折れ続けて
いましたね。

──長いトンネルですね。でも、パートナーの導きも
あって
進む道を決められたと。

基本的に、悩んだ時は人に相談するタイプです。
例えば会社を辞める時も就活がうまくいかない
時期も、
いろんな人に話を聞いてもらいました。
夫以外でいうと、その時に近しい人ではなく
「転職した元同期」くらいの
少し遠い友人に話を聞いて
もらったのが、すごくよくて。
自分の状況や思いを相手に
伝わるように言語化するから
頭が整理されるし、
自分が本当に大事にしていることが見つかるんです。
しかも、距離が遠いからこそ客観的でフラットな意見も
もらえて、
ハッとしたり。
いい相談は、「整理」と「刺激」のために不可欠。
みんなのおかげで、一歩ずつ前に進めてきた気がします。

隠れ我慢」は、「オープン素直」で
防ごう

──YouTubeでは、笑顔やポジティブな言葉がけが
印象的です。
そんな竹脇さんでも「隠れ我慢」を
したことはありますか?

会社員時代、特に男性が多いチームに所属していた
時は生理でも
「体調が悪い」と言い出せず、ぐっと
耐えていました。
やっぱり「異性に体のことは話すもの
ではない」って気持ちが強かったし、
「言っても困らせ
ちゃうだろうな」と遠慮もあって。
起きるのがしんどい
くらい生理痛がひどい時もあったんですけど、
「今日は出社できません」のひと言がなかなか
言えませんでした。

──いま、当時の自分にアドバイスするとしたら?

「日頃からもっと“オープン素直”になろう!」です。
結局、ダウンしてるときだけ「自分のこと」を伝えようと
するから
うまくいかないんですよね。日々いろんな感情を
言葉にして、思いを伝えて、
自分について話す。
いろんな話題の一つであれば体調不良も伝えやすかった
はずだな、と気付きました。
もちろん、自分のことをしゃべりたい人ばかりではない
とは思います。
でも、「大変なときはお互いさまだよ」と
いうことが伝わるコミュニケーションは
日頃から意識して
おきたいな、と。

──いまは、パートナーや仕事仲間に
「オープン素直」でいられていますか?

愛情も感謝も不満も思っていることも、なるべく言葉に
して伝えることを大切に
しています。調子が悪いときも、
自分の状態を即共有。
「察してよ」と思ってると、
逆に心配や迷惑をかけることにもつながりますし。
あと、ただ伝えるだけではなく、家族にも仕事相手にも
「今日はつらいから
お願い!」と頼れる関係をつくれると
いいですよね。
「隠れ我慢」を解消するには、頼り上手に
なることがすごく大事だと思うから。
もちろん、頼ってばかりだと信頼を損ねちゃうので、
やっぱりそこも
お互いさま精神! 
私はいま、周りの人たちと遠慮なく
「お願い!」を
言い合える関係なので、すごく楽になりました。

自分自身と向き合い、
認めてあげることの大切さ

──竹脇さんは「もっと自分を好きになる」という
メッセージを
掲げていらっしゃいますが、
不調を隠れ我慢するとメンタルも
不安定になり、
自分を肯定できない女性も少なくないと思います。
どうすれば安定して自分を好きでいられますか?

うーん。正直に言っちゃうと、私も自分のこと、
「まあまあ……好きかな?」
くらいなんですよ(笑)。
意外に思われるんですけど、多くの視聴者さんと
同じで
自分を好きになろうとしてる途中。外見でも内面でも、
イヤだなって
思うところはたくさんあります。
でも、昔よりは自分のことを好きになって
いるし、
安定して認められるようになってきたかな、
とは感じていて。

それは、他人との比較をやめて、自分自身と向き合うよう
になったからだと
思います。私、もともと比べたがりで、
「あの人より痩せてる」「仕事が
できる」って自信を持つ
ことでモチベーションを上げるタイプだったんです。
でも
振り返ってみると、他人ありきの考え方が自分を苦しめて
いた。
自分よりすてきな人ってたくさんいるから、
いつまでたっても自分のことを
心から好きに
なれないんですよね。

──SNSの普及など、いまは「他人との比較」から
逃げ出せない社会でも
あります。どうすれば自分と
向き合えるようになるのでしょう?

その一つが、宅トレです。誰も見ていない中、
自分自身にだけ
フォーカスして、比べるのも昨日の自分と
だけ。
私自身、「昨日の自分よりちょっとできるように
なった!」を
積み重ねて、徐々に自分を好きになりつつ
あります。……とはいえ
「自分の全部が好き!」って
なることはなさそうなので(笑)、
この「徐々に」は
たぶん、一生続くんじゃないかな。
でも、それでいいんじゃないかなって思います。

──少しずつでも自分を好きになることで、
メンタルに変化はありましたか?

他人に優しくなれたし、心からリスペクトできるように
なりました。
「私は私でいいし、あなたもあなたで
いいよね」って。
誰かと自分を比べていた時は、相手に対して対抗意識を
持っちゃったり、SNSを見て勝手に落ち込んだり……
そんなネガティブな
気持ちがだんだん薄くなってきたのを
実感しています。
心の底から「あなたのココがいいね!」
って思えるから、
人付き合いがもっと好きになりました。

──どんな人でも、自分を好きになれるでしょうか。

大切なのは、成長の実感です。それさえあれば、
社会的成功も他人の目も
関係なくて。どんなことでも
いいから努力して、変化を記録して、ためる。
「やったー!」って瞬間を日々積み重ねていけば、
充実感も自分への肯定感も、自然と得られるはずです。
成長の実感を得るために何をしようかなって人は、
やっぱり身体づくりが
お薦めです! 
だって、がんばれば絶対に変化するし、理想に少しでも
近づくと本当にうれしいから。まずはおなかを絞るとか
髪をケアするとか、
好きなポイントを磨くだけで
いいんです。そうして「究極の自己満」を
積み上げていく
ことで、だんだん自分を好きになれると思います。

──竹脇さんの活動によって、「究極の自己満」が
増えていくとすてきですね。

みんなが自分を好きになることで「私もいいし、あなたも
いいね」って
考え方を持てたら、すごく楽な社会になると
思うんですよ。
それぞれの見た目も、選択も、人生も、
全部いいよねって。
この「それぞれ」の感覚が広がっていったら、
自分と周りを比べて「もっとがんばらなきゃ」って
無理や我慢をする
女性も、ぐっと減る気がします。

取材・文=田中裕子 撮影=Shin Ishikawa
取材日=2022.01.25
※掲載内容は、取材時点での情報です

竹脇まりな(たけわき まりな)
1989年秋田県生まれ。宅トレ動画クリエイター。
"宅トレを当たり前の世界に" をミッションに
夫のダーウィンと共に宅トレの魅力を広めるため、
YouTubeや宅トレブランドMARINESSの運営をはじめ、
様々な活動を行っている。
YouTubeチャンネルでは、自宅で楽しくできる
フィットネスやダイエット料理動画を発信しており、
チャンネル登録者数は299万人を突破。

取材・文=田中裕子 撮影=Shin Ishikawa
取材日=2022.01.25
※掲載内容は、取材時点での情報です

これがわたしの#OneMoreChoice

これがわたしの#OneMoreChoice

「明日でいいことは明日やろう」です。

もともと完璧主義で、「明日やろうはバカやろう」タイプ
だった私。
「やるからには100パーセント」とか
「できないと恥ずかしい」といった思いが
強く、
息抜きも下手……。自分を追い込むことも
少なくありませんでした。
結果的に体調や心が落ち込んで
しまったこともあるので、同じ間違いは
繰り返さないぞ
と気をつけています。
いまは、不調を感じたら「今日やらなきゃいけないわけ
じゃないんだから」と、
予定の調整をまず意識するように
なりました。
自分を甘やかして、1日中ソファで
ダラダラすることだってあります。
明日でいいことは明日でいいや。
そう割り切って、
無理をしないでやっていきましょう!