わたしにいいこと、みつけよう! #One more choice

隠れ我慢調査

⽇本全国の20代∼50代の⼥性10,000⼈に
「隠れ我慢」の実態を調査しました。
(2021年1⽉実施)

⼥性の8割が、
不調を我慢して
仕事や家事をこなしている。

不調を我慢して
仕事や家事をすることがある

34.3%

44.9%

14.9%

5.9%

頻繁にある

時々ある

ほとんどない

全くない

全体 (n=10,000)

感じても我慢する不調TOP10
(複数回答)

全体 (n=1,000) (%)
1位 疲れ・だるさ 23.8
2位 イライラ感 16.2
3位 不安感 15.6
4位 PMS 13.7
5位 寝つきにくい・目覚めが悪い
眠りが浅い・不眠
11.6
6位 冷え 11.3
7位 頭痛 11.2
8位 生理痛・生理不順・生理前後の腹痛 11
9位 言葉にしにくい不調 10.9
10位 便秘 10.7

我慢していつも通りに過ごす理由
(複数回答)

50.1%

休むと仕事、家事などに
支障がでる

43.8%

我慢できる

42.2%

病気ではなく休むほど
ではないと思っている

31.9%

周りに負担をかけたくない、
周りの仕事を増やしたくない

27.2%

周りに心配をかけたくない

26.4%

周りに相談をしても
分かってもらえない気がする

21.9%

自分にあった対処法がわからない

20%

どのような対処があるの
かよくわからない

19.3%

別のことに集中していれば
気がまぎれる

18.7%

自分にしか出来ないことだと思う

16.6%

周りの目が気になる

9.7%

周囲の女性がどう対処してるか
分からない

全体 (n=1,000)

不調を我慢して、
体調悪化させた経験

38.6%

ある

ない

体調悪化

61.4%

全体 (n=1,000)

不調を我慢して、
後悔した経験

46.6%

ある

ない

後悔した

53.4%

全体 (n=1,000)

具体的なエピソード

  • 我慢したことで仕事に目処がついた途端高熱を出して、結果一週間休む羽目に(埼玉県20代)
  • いつもの生理痛と思い腹痛を我慢した結果、病院を受診したら、急性胃腸炎になっていたことが発覚(兵庫県30代)
  • 痛みを我慢していたら、限界がきてしまい倒れて救急車を呼ばれてしまった(大阪府40代)
  • 更年期のイライラや体調不良を我慢してすごくストレスが溜まり、常に不機嫌そうな顔をして家族を不快に(愛知県50代)

周りの女性の不調は
心配するが、
自身の不調は
周りに伝えない女性が多数

「隠れ我慢」をしているとき、
誰かに相談しているか

7.1%

40%

31.9%

21%

相談する47.1%

よく相談する

たまに相談する

ほとんど相談しない

全く相談しない (%)

全体 (n=10,000)

「隠れ我慢」の相談相手

43.1%

プライベートの友人

40.1%

母親

32.7%

その他の家族

19.7%

職場の同僚

16.6%

姉妹

6.6%

職場の上司

6.6%

かかりつけ医

3%

職場の後輩

相談する女性(n=471)

親しい女性との
「隠れ我慢」の相談度合い

83.2%

親しい女性が不調を我慢していることに
気付いたら、しっかり休むことを勧める

54.9%

親しい女性が不調を我慢していたら
相談されることがある

44.9%

自分が不調を感じているとき、
親しい女性に相談することがある

34.4%

自分が不調を感じているとき、
周囲の親しい女性に伝える
(知らせる)ようにしている

31.6%

親しい女性がどのように
不調に対処しているか知っている

27.6%

自分が不調を感じているとき、
周囲の親しい女性に気付いてもらえていると思う

スコアは「あてはまる」+「ややあてはまる」の合計値
全体 (n=1,000)

⼥性の9割以上が
「隠れ我慢」をしなくていい
社会を望んでいる

「隠れ我慢」をしなくていい
社会になってほしい

48.3%

44.4%

5%

2.3%

そう思う

まぁそう思う

あまりそう思わない

そう思わない

STOP!
「隠れ我慢」

92.7%

全体 (n=1,000)

「隠れ我慢」をしなくていい
社会のために必要だと思うこと

  • 男性も女性も自分の仕事だと決めつけずに、お互い思いやりを持って一緒に家事や仕事をする(東京都30代)
  • 言いやすい職場作り 休んでも回る職場 休みやすい職場(愛知県30代)
  • 産後ケアをもっと国で考えて欲しい。旦那の育休を取得しやすい社会になって欲しい(福井県30代)
  • 些細なことでも言い合える環境作りが大切、日頃からコミュニケーションを図り話しやすい状況を作ること(東京都40代)
  • どうしても辛くなった時に休養できたり、話せる人や一時的に違う場所に行ったりできる環境(東京都 40代)
  • 生理痛や偏頭痛など見た目では分かり辛い不調や女性特有の不調を偏見なく知ってもらうこと。生理痛、妊娠など女性や女性特有の事を軽視する風潮が減り、大変さの理解が増えること(千葉県40代)

心理カウンセラー下園壮太先生に聞く、
「我慢と上手に付き合う方法」

今回の調査結果について、心理カウンセラーの下園壮太先生に解説していただきました。

INTERVIEW 01 我慢には、自信につながる
「できる我慢」と、
自分を追い込んでしまう
「できない我慢」がある

私は、「隠れ我慢」が募る背景には幾つかのルートがあると考えています。我慢は、ある刺激に対して自分の欲求を押し殺すことで環境に適応していく対処法です。我慢すること自体は辛くても、実際に現実問題に上手に対応できるし、うまくいくと自信もつくし成長の喜びもあります。なので「できる我慢」はすれば良いと思います。
ところが、私たちは「できない我慢」をすることがあるのです。現状がかなり辛いなら、本来ならそのことを周囲に伝えて改善を求めたり、あるいはその場から離れたりする対処を取ればいい。ところがそれが難しい理由が3つあります。

INTERVIEW 02 女性が「できない我慢」を
してしまう3つの理由

1つ目は、自分の苦しさを上手に説明しにくいこと。疲労や女性特有の心身の不調などは、職場などで上手に説明し、きちんと理解してもらうことが難しいのです。頑張って説明しても、結局分かってもらえず、徒労感や無力感に襲われるぐらいなら我慢した方が良いとなってしまうのです。2つ目は、そのように自分の都合を職場などで主張することが、なんとなく、わがままなような気がしてしまうことです。日本人は自分の権利を強く主張できる民族ではないので、気まずい思いをするぐらいなら、何も言わない方がいいと、つい我慢を選択してしまいます。3つ目は、小さい頃からのしつけで、我慢するべきということを強く学習し過ぎている場合があること。本来なら「できない我慢」でも、自分の心の中で我慢するべき、私が我慢しさえすればうまくいく、と言い聞かせて乗り切る癖がついてしまっています。
「隠れ我慢」の状態が短期間なら特に問題はありません。しかし我慢が長くなると、結局心身に不調として表れてしまいます。その不調もまた、表現しにくく、理解してもらいにくいため我慢するしかありません。うまく対処できない自分や周囲にイライラしながら、「隠れ我慢」が続いてしまうのです。

INTERVIEW 03 「隠れ我慢」スパイラルを
断ち切るための2つの提案

では、この悪循環を断ち切るためにはどうしたらいいでしょうか。もちろん、本人が辛さを訴える前に、自然に適切な配慮ができる社会になることが理想です。そしてそんな社会に変わるためには、皆で声を上げ続ける必要があるでしょう。一方で、その変化を待ってばかりもいられません。というのも自分の心身は、最終的には自分で守らなければならないからです。主張することを身につけることも大切でしょうが、性格や立場は急に変わるものではありません。そこでここでは、比較的できそうなことを2つだけ提案してみたいと思います。
一つ目は、疲労系の苦痛や女性特有の身体苦痛などに上手に対処することです。薬などを使う、適切に体を休めるなど、身体苦痛との付き合い方のバランスが上手になると、「できる我慢」の範囲に収まるトラブルになります。すると、「分かってくれない」とイライラし、周囲や社会を恨みながら生きていくという「隠れ我慢」スパイラルを避けることができます。
もう一つは、「隠れ我慢」の苦痛を共有する仲間を持つことです。女性は孤立すると不安を強く感じるようです。「隠れ我慢」についても誰かと話をして、何をどう我慢するか、何をどこまで誰に打ち明けるかなどについて、具体的な対策を一緒に考えていくと、「一人だけ悩んでいる」という孤独感を緩めることができます。リアルでもネットでもいい。本音で話せる関係があると、かなり女性は前向きになれるようです。
もちろん、抜本的な解決策ではありません。ただ、「隠れ我慢」のストレスが年代とともに減っていくのは、おそらく、ある程度の年齢やキャリアの積み重ねによって、主張することができるようになったり、我慢以外の対処方法を見つけることができるからだと思います。
今の環境の中で、今の自分にできることを少しずつ試して、この「隠れ我慢チェッカー」で成果を確認してみる。そんな試行錯誤によって、「隠れ我慢」が少なくなる、自分なりの生き方を徐々に確立していってほしいと思います。

下園壮太(しもぞの・そうた)先生

心理カウンセラー。MR(メンタルレスキュー)協会理事長、同シニアインストラクター。
1959年、鹿児島県生まれ。防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊。陸上自衛隊初の心理教官として、
衛生隊員やレンジャー隊員などに、メンタルケア、惨事ストレスコントロールの指導、教育を行う。
2015年に退官し、現在は講演や研修、著作活動を通して独自のカウンセリング技術の普及に努める。
近著に『寛容力のコツ』(三笠書房)、『自衛隊メンタル教官が教える 人間関係の疲れをとる技術』(朝日新書)。

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調査概要

※「隠れ我慢に関する実態調査」より

■実施時期:
2021年1⽉16⽇(⼟)〜 1⽉18⽇(⽉)
■調査⼿法:
インターネット調査
■調査対象:
①全国の20代〜50代⼥性10,000⼈
(⼈⼝構成⽐に基づく)
②⼼⾝の不調があっても、いつも通り家事や仕事を行う20代〜50代⼥性1,000⼈
(年代別に250⼈ずつ)
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