漢方とは

漢方のことを正しく知ってもらうための

漢方の基礎知識

STEP1

漢方ってどんなもの?

漢方とはそもそもどういうものなのか、
よくある疑問について

STEP2

体のバランスってなに?

バランスを整える漢方の役割とそのバランス
をはかるための「気・血・水」「証」について

STEP3

「肝・心・脾・肺・腎」を知る

人が活動する中で大切な五臓
「肝・心・脾・肺・腎」について

漢方薬とは自然からの恵みである植物や鉱物などの生薬(しょうやく)を組み合わせて、最新技術を駆使して作られた薬です。
3STEPによって漢方における基礎知識や漢方医学でのご自身の体質などをご確認いただけます。

STEP1

漢方ってどんなもの?

生薬と漢方薬は同じだと思っていませんか?

生薬とは、漢方薬を構成する原料です。植物の葉、茎、根などや鉱物、動物のなかで薬効があるとされる一部分を加工(切る、乾燥する、蒸すなど)したものです。
一方、漢方薬とは、漢方医学の考え方にもとづき、基本的には2種類以上の生薬を定められた量で組み合わせた薬のことです。つまり、生薬自体を、漢方(or漢方薬)と表現するのは実は間違いです。
例えば、漢方薬である葛根湯(かっこんとう)は、7種類*の生薬から構成されています。

  • カッコン、タイソウ、マオウ、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、ショウキョウ
生薬と漢方薬
生薬と漢方薬

生薬(しょうやく)とは、漢方薬を構成する原料です。植物の葉、茎、根などや鉱物、動物のなかで薬効があるとされる一部分を加工(切る、乾燥する、蒸すなど)したものです。
一方、漢方薬とは、漢方医学の考え方にもとづき、基本的には2種類以上の生薬を定められた量で組み合わせた薬のことです。つまり、生薬自体を、漢方(or漢方薬)と表現するのは実は間違いです。
例えば、漢方薬である葛根湯(かっこんとう)は、7種類*の生薬から構成されています。

  • カッコン、タイソウ、マオウ、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、ショウキョウ

中国人には伝わらない日本語「漢方」

あまり知られていませんが、中国では、中国伝統の薬は「中薬」と呼ばれていて、日本でなじみのある「漢方薬」とは表現されていません。
「日本の伝統医学」を漢方と呼び、その薬を漢方薬と言います。
もともとは中国生まれですが、1400年以上前に日本にわたってきてから、日本人の体や気候に合わせて発展してきました。特に江戸時代の鎖国によって、加速して独自の発展をとげました。
「漢方」という呼称について、江戸時代後期にオランダ医学が日本に伝わり、それまであった日本の伝統医学と区別するため、オランダ医学を「蘭方」、従来の医学を「漢方」と呼ぶようになったことが始まりです。
ちなみに、中薬が韓国に伝わり、独自に発展したのが「韓医学」です。

西洋薬と漢方薬は何が違う?

西洋薬はたいてい一つの有効成分で作られていて、血圧を下げたり、細菌を殺したり、熱や痛みを取ったりするなど、一つの症状や病気に対して、強い効果があります。
一方、漢方薬は1剤に複数の有効成分が含まれているため、多様な症状に効くのが大きな特徴です。
1剤で複数の症状が改善されることがあるのも漢方薬の大きな特徴です。
例えば、加味逍遙散(かみしょうようさん)は、冷え症や月経不順にも用いられますが、更年期障害にも使用されるなど、複数の症状に対応することができます。

西洋薬と漢方薬
西洋薬と漢方薬

西洋薬はたいてい一つの有効成分で作られていて、血圧を下げたり、細菌を殺したり、熱や痛みを取ったりするなど、一つの症状や病気に対して、強い効果があります。
一方、漢方薬は1剤に複数の有効成分が含まれているため、多様な症状に効くのが大きな特徴です。
1剤で複数の症状が改善されることがあるのも漢方薬の大きな特徴です。
例えば、加味逍遙散(かみしょうようさん)は、冷え症や月経不順にも用いられますが、更年期障害にも使用されるなど、複数の症状に対応することができます。

医療用漢方製剤と一般用漢方製剤の違い

病院で処方される医療用漢方製剤と薬局・ドラッグストアで売っている一般用漢方製剤は、同じ名前の漢方薬に含まれる生薬の組み合わせは一緒ですが、医療用漢方製剤は医師の診察のもと使われるのに対し、一般用漢方製剤は薬剤師や登録販売者に相談して購入するため、配合されている成分量が違うものがあります。ツムラでは、この違いをふまえた上で安全性の観点から一日の服用量を調整しています。

STEP2

体のバランスってなに?

からだ全体のバランスを整える漢方

人がもともともっている、バランスを保つのが漢方です。
生薬を複数組み合わせてつくられる漢方薬は、身体全体のバランスを整え、生きる力を引き出すことを基本としています。単独の生薬では得られない「組み合わせの妙」によって、患部だけでなく、からだ全体のバランスを整え、調子が改善されることを目的としているのです。
だから、検査をしても診断がつかない不定愁訴や冷えなど、数値に現れないけれどつらい症状の改善も期待できます。

「気」「血」「水」のバランスで健康維持を目指す

漢方では、人のからだを構成する基本的な要素は気・血・水の3要素だと考えています。
「気」とは人間の体を動かす根源となるエネルギーで、血液や水、臓器を動かし、自立神経系や内分泌系をつかさどる働きをもちます。「血」は体内にある赤い液体を指し、全身に酸素や栄養を運んだり、ホルモンバランスの調整もしてくれます。
「水」は体内にある透明な液体、つまり鼻水や尿、リンパ液などの体のあらゆる水分を指し、免疫力に大きな関わりがあります。

気(き)

目には見えない生命エネルギーのこと。
「元気」の気、「気力」の気、「気合い」の気。
「自律神経(体の機能を調整する神経)」のはたらきに近いと考えられています。

血(けつ)

全身を巡ってさまざまな組織に栄養を与えます。主に血液を指します。

水(すい)

血液以外の体液全般に相当し、水分代謝や免疫システムなどに係わっているものとされています。

漢方では、私たちのからだは「気・血・水」の3つの要素が体内をうまく巡ることによって、健康が維持されていて、これらが不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、不調や病気、障害が起きてくると考えられています。
ご自身のからだの状態によって、「気虚」「気滞」「気逆」「血虚」「瘀血」「水滞」「津虚」の7つのタイプがあります。

  • 気虚

    つかれやすい
    無気力

  • 気滞

    重苦しい
    不安感

  • 気逆

    のぼせやすい
    吐き気

  • 血虚

    息切れ
    乾燥

  • 瘀血

    あざが増えた
    痺れる

  • 水滞

    むくみ
    めまい

  • 津虚

    便秘
    乾燥

その人の状態をあらわすモノサシ「証」とは

「証」とは、分かりやすくいうと、「その人の状態(体質・体力・抵抗力・症状の現れ方などの個人差)をあらわすもの」です。
症状や、体格などの要素から判別し、漢方ではその「証」に合った漢方薬が使われます。
したがって、同じ症状でも、自分の「証」と他の人の「証」が違えば、使われる漢方薬も違ってきます。自分が服用している漢方薬を同じ症状だからといって、他の人が飲んでも効果が期待できない可能性があるのは、こういった理由からなのです。

「証」の分け方「虚」と「実」

「証」の分け方のひとつに「虚・実(きょ・じつ)」があります。
体力や抵抗力が充実している人を「実証(じっしょう)」、体力がなく、弱々しい感じの人を「虚証(きょしょう)」と言います。

実証

  • 体力がある
  • 筋肉質でガッチリ
  • 血色がよく、肌つやがある
  • 大きくて太い声
  • 胃腸が強くて便秘ぎみ
  • 暑がり

虚証

  • 体力がなくて弱々しい
  • 細くて華奢(きゃしゃ)
  • 顔色が悪くて肌が荒れやすい
  • 細くて小さな声
  • 胃腸が弱くて下痢をしやすい
  • 寒がり

STEP3

「肝・心・脾・肺・腎」を知る

心身の関係性を示す東洋医学の一つの考え方
心身の関係性を示す東洋医学の一つの考え方

東洋思想には五臓という、生体の生命・精神活動の中心をなす機能単位の考え方があります。五臓とは肝・心・脾・肺・腎のことですが、西洋医学における臓器の名称とは異なり心身の健やかさを維持・促進する機能を指します。また、それぞれに異なる役割があり、五臓は互いに支え合い、バランスを取っているという考え方をします。五臓の臓器は高めあう関係の「相生」、抑制しあう関係の「相克」というバランスの中で機能しています。