女性の不定愁訴に用いられる代表的な漢方薬
“産婦人科の三大漢方薬”のひとつで、月経異常や更年期障害など、女性特有の症状によく用いられます。
体力があまりない人で、肩がこる、めまいや頭痛がするなどのほか、のぼせや発汗、イライラ、不安など、不定愁訴といわれる多様な心身の不調に広く用いられます。逍遙とはぶらぶら歩くことを意味しますが、「加味逍遙散」もさまざまに移り変わる症状に効果があることからつけられた名前です。
三大漢方薬はいずれも「瘀血(おけつ)」※を取り除く「駆瘀血剤(くおけつざい)」ですが、「加味逍遙散」は、「気逆(きぎゃく)」からくる神経の高ぶりにも、「気うつ」からくる抑うつにも効果があります。
- 「瘀血(おけつ)」:「血(けつ)」がなんらかの異常で滞っている状態
ストレスによる心身の不調をあわせて改善
現代では、ストレスによって頭痛やめまい、不安、不眠などの症状に悩まされる人が少なくありません。「加味逍遙散」は、そうした心身の不調にも使われます。
配合生薬
柴胡(さいこ) 、 芍薬(しゃくしゃく) 、 当帰(とうき) 、 茯苓(ぶくりょう) 、 蒼朮(そうじゅつ) 、 山梔子(さんしし) 、 牡丹皮(ぼたんぴ) 、 甘草(かんぞう) 、 生姜(しょうきょう) 、 薄荷(はっか)
出典:「NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版」 (主婦と生活社)
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