中国・漢代の医学書『傷寒論(しょうかんろん)』に掲載されている古くからの漢方薬のひとつで、虚弱体質で、腹部膨満感があり、ふだんから胃腸が弱い人の下痢や便秘などに用いられる薬です。
過敏性腸症候群の下痢や便秘に用いられることがあります。どちらかというと下痢型に特に有効です。
この薬は「桂枝湯(けいしとう)」を基本に「芍薬」の量を増やした処方です。
「大黄(だいおう)」を使いにくい高齢者や妊娠中の便秘にも
「桂枝加芍薬湯」は、「大黄」を含まない便秘薬として、「大黄」の刺激が問題になりやすい高齢者や妊娠中の女性の便秘にもしばしば処方されます。また腹部の膨満感や、頻繁(ひんぱん)に便意をもよおすのに少ししか便が出ないしぶり腹にも有効です。開腹手術後で腹部膨満感のある時や便通異常にも用いられます。
配合生薬
芍薬(しゃくやく)、 桂皮(けいひ)、 大棗(たいそう)、 甘草(かんぞう)、 生姜(しょうきょう)
出典:「NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版」 (主婦と生活社)
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