胃腸が弱い人、高齢者や妊婦のかぜによく処方される
「香蘇散」は、虚弱で胃腸が弱い人に向く薬で、かぜのひき始めによく用いられます。症状としては、軽い悪寒(おかん)や頭痛、鼻づまり、食欲不振などで、多くの場合、熱はあまり高くありません。「麻黄(まおう)」を含まないため、「葛根湯(カッコントウ)」などで食欲不振を起こすような人に勧められます。高齢者や妊娠中の女性にも使用されています。
「香蘇散」と言う名前は、「香附子」と「蘇葉」を主薬とするところから名づけられています。
神経質な人のストレス病にも使われる
また、「香蘇散」は神経質な人に向く薬とされ、漢方では「気うつ」の状態ととらえられ、血の道症※にも用いられます。
- 血の道症:女性ホルモンの変動に伴って現れる体と心の症状
配合生薬
香附子(こうぶし)、 蘇葉(そよう)、 陳皮(ちんぴ)、 甘草(かんぞう)、 生姜(しょうきょう)
出典:「NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版」 (主婦と生活社)
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