冷え症の人の慢性的な胃腸の不調に
「桂枝人参湯」は、体力があまりなく、冷え症で顔色が悪くて、胃腸が弱い人に向くとされる漢方薬です。例えば、長期間、上腹部に痛みを感じ、胃もたれや食欲不振があったり、下痢がちで、一般には慢性胃腸炎や胃腸虚弱のときによく処方されます。漢方の診察では、おなかが軟弱、胃のあたりを軽くたたくとポチャポチャ音がする、みぞおちのつかえ感などが多く見られます。
特に、おなかが冷えると下痢しやすいような人に効果的で、「桂枝人参湯」はおなかを温めて、胃腸の働きを整えます。虚弱体質の人の消化器症状をともなうかぜ、下痢などにも用いられます。
胃腸障害をともなう頭痛や動悸(どうき)にも使われる
「桂枝人参湯」は、胃腸が弱い人の頭痛や動悸などに用いられることもあります。冷えると症状が出ることが処方の目安のひとつとされ、胃腸障害が改善するにつれ、頭痛や動悸もよくなっていきます。
配合生薬
桂皮(けいひ)、甘草(かんぞう)、蒼朮(そうじゅつ)、人参(にんじん)、乾姜(かんきょう)
出典:「NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版」 (主婦と生活社)
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