冷え症チェック! わたしはどのタイプ?
同じ冷え症でも、冷えのタイプや症状はさまざまです。冷えている感覚が少しでもある方は、ご自身の感覚が、次のどのタイプにあてはまるかを確認してみてください。
タイプⅠ 全身が冷える「全身型」

POINT
体内の熱生産が低下し、新陳代謝が低下。その結果、全身が冷えるタイプ。食欲や気力が失われ、疲労感や倦怠感が生じます。長年の冷えにより、手足も内臓も冷えています。
生活習慣の改善ポイント
- 睡眠を十分にとり、休息する
- 軽めの有酸素運動、ウォーキングからスタート
- 腹巻き、レッグウォーマー、スカーフは必須
- 冷飲・冷食を避け、温かく消化の良いものを腹八分目で食べる
- バランスの良い和食がおすすめ。雑穀、イモ、キノコ、たんぱく質(魚・肉)も忘れずに
- ショウガ、ネギなどの陽性(体を温める性質)食品を積極的にとる
<漢方薬>
- 手足が冷えやすい人の食欲不振には「六君子湯(リックンシトウ)」
- おなかが冷えて痛む人の腹部膨満感には「大建中湯(ダイケンチュウトウ)」
など
タイプⅡ 手足が冷える「四肢末端型」

POINT
手足の先まで血液が循環しないことから、手足に冷えを感じるタイプ。10~20代女性に最も多く、疲労や無理なダイエットが背景にある可能性があります。しもやけや立ちくらみ、ニキビ、月経トラブルが起こりがちです。筋肉量も低下しています。
生活習慣の改善ポイント
- ウォーキングや筋トレを頑張る
- 湯船につかる。足湯や手浴もおすすめ
- 夜更かしはしないようにする
- スマホで目を酷使しないよう注意
- プルーン、ナツメ、クコの実などのドライフルーツ、黒豆、黒ゴマ、ひじきなどの黒い食材がおすすめ
<漢方薬>
- 足腰の冷え症に「当帰薬散(トウキシャクヤクサン)」
- 「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)」
など
タイプⅢ 上半身は熱いが下半身が冷える「上熱下寒型」

POINT
気や血のめぐりが悪く、滞った状態で上半身がのぼせて、下半身が冷えるタイプ。顔のほてりで冷えとは気づきにくいため注意が必要です。イライラ、頭痛、顔のほてり、肩こり、肌荒れのほか、月経トラブルや便秘が起こることもあります。
生活習慣の改善ポイント
- 気を静めるために深呼吸
- 足湯、下半身浴で下半身を温める。岩盤浴もおすすめ
- スクワットなどで下半身の筋肉を強化する
- 長時間同じ姿勢を続けない
- ゆるめの服を着る
- 口が渇いたり顔が熱くても、水分のとり過ぎやきつい冷房に注意
- 冷飲・冷食、甘いもの、高脂肪のものを控える
- 青魚、野菜、酢などがおすすめ
<漢方薬>
- 足が冷えてのぼせる人の月経痛(生理痛のこと)に「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」
など
タイプⅣ ストレスで冷える「体感異常型」

POINT
ストレスで自律神経に影響が出て、血流が悪くなり冷えを感じるタイプ。疲れているのに眠れない、集中力がなくイライラする、食欲不振、胃痛、息が吐きづらいなどの症状が見られます。
生活習慣の改善ポイント
- 気分転換し、ストレスをためないことが大切
- 吐く息を長くする深呼吸を
- 短時間でも自分の時間を持つ
- パソコン、スマホの長時間使用を避ける
- ヨガや太極拳、ストレッチなどのゆっくりとした運動を
- 長めの入浴、アロマなどでリラックスを心がける
- 香りの高いレモンやシソ、ミョウガ、ミント、香草は効果的
<漢方薬>
- イライラする人の冷え症や不眠症に「加味逍遙散(カミショウヨウサン)」
など
タイプⅤ 各部位の症状に冷えがかかわる「症候型」

POINT
頭痛や腰痛、肩こり、アレルギーなどの具体的な症状があり、それらの不調の裏に冷えがかかわっているタイプ。
生活習慣の改善ポイント
- 腹部やみぞおちを腹巻きやカイロで温める
- 温かい食べ物をとる
- 冷飲・冷食を避ける
<漢方薬>
それぞれの症状にあった漢方薬が用いられます。
- 手足が冷える人の頭痛や頭痛に伴う吐き気には「呉茱萸湯(ゴシュユトウ)」
など
監修:岡村 麻子(かしわの葉レディースクリニック院長 東邦大学薬学部客員講師
日本産科婦人科学会 専門医・指導医 日本女性医学学会 専門医・指導医 日本東洋医学会 漢方専門医・指導医)