
2018.01.01
養生のすすめ
薬膳
春の冷え症対策は、旬の食材たっぷりの簡単薬膳! -温活フーズ-
冷えない体を作るには、外から温めるだけでなく、食べ物の性質を知って、食生活に生かすことが大切です。年齢とともに代謝が落ち、熱を作り出す力も弱くなってくるので、より冷えやすくなってしまいます。今回は、旬の食材で作る“春の簡単薬膳”をご紹介しましょう!
冷えを油断しがちな春は、内側から温める薬膳料理
漢方では、毎日の食事で健康を保ったり、病気を防いだりする目的で、「食養生」を重視しています。そのうち、どのような食材を組み合わせるかという献立の部分が「薬膳」。「薬膳」というと、特別な食事のようですが、ちょっとした漢方の知恵で簡単にできるものもあります。たとえば、季節によって起こりやすい不調を防ぐには「旬のもの」を食べることです。
漢方では、季節の変わり目である「土用」は体調を崩しやすいと考えられています。新生活が始まり、環境が変化しやすい春は不調を訴える人が多くなります。そこで、春の「簡単薬膳」を食べて、気温や湿度の変化に負けない、内から温まる体を目指しましょう。
食べ物のもつはたらきや性質を知る
旬のものの「食性」を知ることで温める力をアップできます。「食性」とは、体を温める、体の熱を冷ますといった食べ物がもつ性質のこと。熱性・温性は冷えやすい人向き、体の熱を冷ます涼性・寒性はほてりやすい人向き、どちらにも偏らない平性は、どんな体質の人にも向いています。
さらに、食べ物には甘い、辛い、苦い、酸っぱい、塩辛いなどの味がありますが、それぞれはたらきがあると考えられ、これを「五味」と呼びます。春の五味は「酸っぱい(酸)」食べ物。たとえば、レモン、酢、梅などです。漢方で酸味はストレスをやわらげるはたらきがあるとされています。春は、ストレスの影響を受けやすく、気持ちが不安定になりやすい季節。そこで、酸味のある食べ物を積極的にとることをおすすめします。

旬のもので「食性」は熱・温、「五味」は酸の薬膳メニュー
菜の花のマスタード和え
旬の野菜、菜の花の「食性」は温。酸味のあるマスタードと和えていただきましょう。

材料(2人分)
菜の花:1パック、マヨネーズ:大さじ1/2、粒マスタード:大さじ1、塩:適量
作り方
- 半分に切った菜の花を塩ゆでしたあと、冷水にさらしてから、ペーパータオルでよく水気を切る。
- 菜の花をマヨネーズ、マスタードで和える。
牛肉とニンニクの芽の炒めもの
旬の野菜、ニンニクの芽、タマネギの「食性」は温。めぐりに良いとされるパプリカ、牛肉とを合わせて炒め物に。

材料(2人分)
牛肉のこま切れ:180g、サラダ油:適宜、ニンニクの芽:10本、赤パプリカ:1/2個、タマネギ:1/2
<牛肉の下味>
しょうゆ:小さじ1、酒:大さじ1、片栗粉:大さじ1
<あわせ調味料>
ショウガ:すりおろし少々、みりん:大さじ1、豆板醤:少々、オイスターソース:大さじ2
<仕上げ>
ごま油:小さじ1
下準備
- 牛肉を2cmに切り、<下味>をからめる。
- ニンニクの芽はかたい根元を切り落として長さ4cmに切り、熱湯で茹でてザルにあげる。
- タマネギ、パプリカなどは食べやすい大きさにカットする。
- <あわせ調味料>を混ぜ合わせる。
作り方
- フライパンにサラダ油を強火で熱し、下味をつけた牛肉を加えて色が変わるまで、ほぐしながら炒める。いったん取り出す。
- フライパンにサラダ油を熱し、中火でタマネギ、パプリカを炒める。
- タマネギに火が通ったら、強火にし、牛肉とニンニクの芽を入れて全体を炒める。
- <あわせ調味料>をからめるように、さっと炒め、ごま油を回しかける。
鯛のアクアパッツァ
旬の鯛(たい)、マッシュルーム、ブロッコリーの「食性」は温。フライパンを使って、オリーブオイルと白ワインで煮込んだシンプルなアクアパッツァです。

材料(2人分)
真鯛(まだい) の切り身:2切れ、アサリ:8個、マッシュルーム:3個、ブロッコリー:1/8、プチトマト:3個、ニンニク:2片、水:1/2カップ、オリーブ油:大さじ1、ブラックオリーブ:5個、ケッパー:適量、塩:適量、こしょう:適量、バジル:適量
準備するもの
クッキングシート
下準備
- 真鯛の切り身は塩・コショウをする。
- ニンニクは半分にしてつぶす。
- アサリは塩抜きをする。
- マッシュルーム、ブロッコリーは食べやすい大きさに切る。
- ブラックオリーブはスライスする。
- ミニトマトは半分にする。
作り方

- 熱したフライパンの上にクッキングシートを乗せ、オリーブオイルとニンニクをおいて、香りが出てきたら鯛を皮の部分からのせて焼く。両面に焼き色がついてきたら、クッキングシートを引きとる。
- 白ワインを加えて、アルコールを飛ばし、次に水を加えて煮る。
- アサリを最初に並べ、マッシュルーム、ブロッコリー、プチトマト、ブラックオリーブ、ケッパーを入れて、フライパンにフタをして中火で煮込む。
- アサリが口を開けて、真鯛にスープの塩加減を調節して半分にしてつぶしたニンニクを。マッシュルーム、ブロッコリーを食べやすい大きさに切る。
- フライパンにオリーブオイル、輪切り唐辛子、すりおろしニンニク、塩を入れ、具材を並べ、ふたをして5分ほど中火で煮込む。
- 仕上げに塩、こしょうで、味を調節する。