漢方のかぜ薬として知られ、ひき始めに使われる
かぜの薬としてよく用いられる「葛根湯」は昔からなじみの深い漢方薬のひとつです。基本的には体力がある「実証(じっしょう)」※の人に向く薬で、かぜの初期などの頭痛、発熱、首の後ろのこわばり、寒気がするが汗は出ないといった場合に有効です。「葛根湯」は発汗を促すことで熱を下げ、かぜを治そうとします。最近の西洋医学的な基礎研究でも、抗炎症作用などが確かめられています。基本的に急性期に用いる薬で、使うのは発病後1~2日が目安とされています。
「葛根湯」はかぜに限らず、鼻炎、頭痛など、炎症が起こって熱が出るような急性の病気の初期にも広く使われます。
慢性頭痛や肩こりにも用いられる
「葛根湯」は、発熱がなくても、うなじや背中が緊張しているようなときに用いられます。慢性頭痛、なかでも緊張型頭痛や、肩こりの治療でもよく処方される薬です。「葛根湯」は、体を温めることでこれらの症状をやわらげます。
- 掲載内容は、2024年3月取材時のものです。
配合生薬
葛根(かっこん)、大棗(たいそう)、麻黄(まおう)、甘草(かんぞう)、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)
出典:「NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版」 (主婦と生活社)
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