女性に用いられることが多い漢方薬です。脈やおなかの力が弱い虚弱なタイプの人の、月経不順や月経困難症、更年期障害などの婦人科系の不調によく用いられます。漢方でいう「血(けつ)」の量が不足した「血虚(けっきょ)」を改善する薬で、特に、冷え症で、手足がほてり、唇が乾燥しているような人に向くとされています。
温疹などの皮膚症状を改善する効果もある
皮膚の乾燥や荒れ、あかぎれなどは「血虚」の典型的な症状で、乾燥してバリア機能が低下した皮膚は、温疹などのトラブルもますます起こりやすくなります。「温経湯」は、そうした皮膚症状の改善にも用いられることがあります。
婦人科の病気でこの薬をのみ始めた人が、肌や髪の手触りがよくなってきたことで、効果を感じられることもあります。
配合生薬
麦門冬(ばくもんどう)、 半夏(はんげ)、 当帰(とうき)、 甘草(かんぞう)、 桂皮(けいひ)、 芍薬(しゃくやく)、 川芎(せんきゅう)、 人参(にんじん)、 牡丹皮(ぼたんぴ)、 呉茱萸(ごしゅゆ)、 生姜(しょうきょう)、 阿膠(あきょう)
出典:「NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版」 (主婦と生活社)
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