撮影:兼下昌典

2019.01.31

わたしと漢方

料理が美味しいと感じられるために、心と体作りが大切

吉田真希子 料理家

料理家でありソイフードマイスターでもある吉田真希子さんは、「食べてキレイになる」をテーマにご自身の活動を通して食の大切さを発信しています。最近では、東麻布の「ロケール」で週に一日だけオープンする飲食店を始めるなど、料理教室やセミナー以外にも活動の幅を広げています。「心も体も健康じゃないと、せっかくの料理も美味しいと感じられない」と語る吉田さんに今回、お話をうかがいました。

体が教えてくれた、食べることの大切さ

二十代のころ、テレビに出演する仕事をしていたんですけど、体調を崩してしまったんですよね。当時のテレビはブラウン管でしたので、自分の顔がちょっと横に広がってまん丸に見えていたんですね。若い時ってぷっくらしているのが当たり前なんですけど、それがショックでその時に生まれて初めてダイエットに取り組みました。ただ、知識もないままとにかく食べなければいいやで始めてしまったので、体調をすごく崩してしまって。それがきっかけで食べることの大切さに気が付きました。体が教えてくれたんだと思います。実は、その時に漢方薬にもお世話になりました。病院で自分に合う漢方薬を処方してもらい、飲み続けていたら体質改善ができたんですよね。

制限を取り払って、自分の欲するものに正直に

今、料理教室を開催したり、女性向けのセミナーで講演をする機会が多いんですけど、自分自身が元気でないとなにも伝えられないですよね。年齢を重ねて体調の変化を感じはしますが、やっぱり自分が疲れていたら説得力もないですし、自分が楽しめていないと来てくれた方も楽しくないのかなって思います。なので、元気で楽しい自分でいるために、食べたいものを食べて、しっかり寝て、ちゃんと遊んで、お酒もよく飲んで(笑)、「しちゃいけないこと」を作らないようにしているんです。ある意味、二十代に自分をすごくいじめてしまった分、逆にいまはすごく甘やかしています。

食の大切さを教えてくれた家族

子どものころから、母の料理はなんでも手作りでした。ごくごく当たり前な手料理でしたけど手抜きせず、デザートやアイスまで手作りでしたね。祖母もとてもチャーミングで、梅干しの種を日本酒に漬けて、それを顔にパックするんですよ。その祖母が、「女性は、最期に目をつむる瞬間まで、女性としてきれいでかわいく生きなきゃいけない」ということをよく言っていました。両祖父母も、ホテルのちゃんとしたレストランだけじゃなく、ラーメン屋さんにも連れて行ってくれて、食に関するいろいろな体験をさせてくれましたね。そうやって食の大切さを教えてくれていたんだなって思います。

周りにも感謝し、自分にも感謝

心も体も健康じゃないと料理を美味しいと感じられないですよね。二十代はせっかく美味しいものを食べていても美味しいと思えませんでした。料理をいかにおいしく食べられるか、そのための心と体作りをすることが自分のテーマです。私は、葛根湯だけはいつも欠かさず持ち歩いてるんですけど、この2年くらいは葛根湯さえ飲まないくらい元気で健康です(笑)。自分の好きなことがやれて、好きなことで仕事ができていて、そういった仕事ができている自分がいるってことは、周りにも感謝していますし、自分にも感謝していますね。

吉田真希子/よしだまきこ

1991年、「カネボウ化粧品SALA」の初代イメージキャラクターとして芸能界デビュー。女優、タレントとして仕事をするかたわら、自身のダイエット体験などを通して食の大切さを学ぶ。2003年フランス料理名門校である「ル コルドン ブルー」で「料理ディプロム」を取得。07年には日本野菜ソムリエ協会公式「ベジフルビューティーアドバイザー」の第1期生となり、食のスペシャリストとしても活動を始める。近年は日本ソイフードマイスター協会公式「ソイフードマイスター講師」としての活動をメインに料理教室やセミナー、レストラン&カフェプロデュース、商品開発を行い、「食べてキレイになる」をコンセプトに身体の中からきれいになる「キレイごはん」を提案している。
●東麻布Localeにて、毎週金曜ごはんやさん主宰。
●鎌倉円覚寺佛日庵にて、お寺で料理教室〜ソイフード〜を開催。

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