撮影:兼下昌典
2020.07.15
わたしと漢方
健康でいるためには、食事、睡眠、ストレス対策、運動の4つが大切。 『ウィメンズヘルス』では、心と体を健やかにするために必要な情報と機会を提供していきたい。
影山桐子 『ウィメンズヘルス』編集長
フィットネス関連の記事を中心に、健康志向の女性たちをインスパイアする情報を発信している『ウィメンズヘルス』。その陣頭指揮を執るのが、編集長の影山桐子さんです。新型コロナウイルスの影響による外出自粛期間中は、自宅でも気軽にできるエクササイズをオンラインで無料配信し、在宅を余儀なくされた多くの女性たちに運動するきっかけを提供してきました。「運動が自分をつくってくれましたし、運動することで良い変化しか起きませんでした。何でもいいから体を動かそうよ、運動することで良い変化が起きるよということを『ウィメンズヘルス』では伝えていきたい」と語る影山さん。今回、影山さんにご自身のワークライフ・バランスや健康に対する思いについてお話をうかがいました。
健康でいるためには、食事、睡眠、ストレス対策、運動の4つが大切
健康でいるために、食事、睡眠、ストレス対策、運動の4つを一番大切にしていますね。この基本的な4つがしっかり管理できていれば、さまざまな病気の予防につながるというのが持論です。私自身もこの4つをしっかり管理することを心がけていますね。
20代の頃は仕事がとても忙しく、2泊3日の徹夜作業もあるような毎日を過ごしていました。ただ、体調を崩すことはありませんでした。なぜかと言うと、私は28才で娘を出産しまして、朝7時と夜7時にはご飯を必ず作らなくてはいけない生活に変わったのです。つまり、子どもがいたおかげで、なかば強制的に規則正しく健康的な食生活を送るようになったので、大きな病気をせずに済みました。子どもにご飯を食べさせないという選択肢はありませんし、カップラーメンで済ませるという選択肢もありませんよね。もし子どもがいなかったら、適当な食事で済ませていたかもしれません。
それから、しっかり睡眠をとることも大切ですよね。本当に疲れたと思ったらすぐ寝るようにしています。昨日も夜11時には就寝しました。ストレス対策は、毎日笑うことですね。鍼灸の先生から、「この激務で体調を崩さずにいられる理由はそれだね」と言われましたが、今の職場のチームがとても楽しくて、毎日爆笑して過ごしています。テレワーク中は毎朝11時にオンライン会議をしていましたが、くだらないことでも大爆笑で。チームの笑いが、私を救ってくれているんだなと思いますね。
運動が自分をつくってくれた
4つのなかでも、特に運動は自分をつくってくれたと感じます。33才からランニングを始めたのですが、もともと運動は大の苦手。体育の成績は万年「D」で、部活では絶対にレギュラーになれない(笑)。今も体力はないですし、体は硬いし。でも、走り始めてみると、良い変化しか起きませんでした。産後は、このまま一生ビキニを着られない体で生きていくんだなと思いましたが(笑)、走り始めて1カ月でぜい肉がなくなりました。朝走るとその日の仕事がはかどり、食べ物は美味しく感じられ、お酒は飲みたくなくなります。走ることで仲間や友達ができて、良いことばかりです。
『ウィメンズヘルス』は、こうした実体験の延長線上にあります。走ることに道具はいらないですし、お金もかかりません。運動する最初のきっかけとしてとても簡単ですよね。走ることからトライアスロンやトレイルランニングといった、よりハードな運動に移行する方も多いです。楽しみながら運動ができるジムも増えてきて、体を動かす機会もたくさんあるので、「何でもいいから体を動かそうよ」、「運動することで良い変化が起きるよ」ということを、『ウィメンズヘルス』では伝えていきたいですね。
東洋医学に興味
私は針の施術がすごく効くタイプで、本当に体がきついというときは、先ほどの鍼灸院に駆け込むようにしています。その先生が、最近疲れていそうだから酸っぱいものを摂るといいわよとか、首や足首、手首を温めておいてねとか、東洋医学に基づいたアドバイスをいつもしてくださって。鼻水が止まらないときに小青竜湯をのむようになったのも、その先生の影響で東洋医学に興味を持ったのがきっかけです。アレルギーに効く強めの薬よりも小青竜湯で治まるんだったらその方がいいなと思います。葛根湯や小青竜湯を常備薬としていつも側に置いています。
前職時代には、ドクターへの取材をたくさんしましたので、ヘルスケアの知識があります。女性特有の不調とその原因、その対策などはひと通り学びました。ハトムギや当帰で化粧水を作るワークショップも開催したことがあります。『ウィメンズヘルス』でも、アーユルヴェーダに関する記事を連載していますが、読者から非常に人気を得ています。東洋医学はとても奥深いですが、『ウィメンズヘルス』では今後もっと強化していきたいなと思っています。
仕事のために自分の体や人生を犠牲にしてほしくない
仕事のために自分の体や人生を犠牲にしてほしくない、というのが私の考えです。ですから、深夜にまで及ぶほどの仕事量だったら、やらなくていいと編集部員には言っています。そうまでしてやらなくてはいけない仕事ってありませんよね? そこは私が決められることですし、みんなのプライベートや生活をきっちり確保できる仕事量であるべきですね。ちゃんと寝るとか、しっかり食べるとか、自分の趣味の時間に充てるとか、そういったことが大切です。体調を崩して仕事ができなくなってしまっては意味がありません。こうしたことも『ウィメンズヘルス』を通して、多くの読者に伝えていきたいと思っています。
影山桐子/かげやまきりこ
『ウィメンズヘルス』編集長。横浜市出身。大学卒業後、ウェブデザイナーを経て、1998年にアシェットフィリパッキジャパン(現ハースト婦人画報社)に入社。女性向けウェブマガジン『エル・オンライン』でファッションエディターとして約 12年間携わる。また、ランニング好きが高じて、ファッション、ビューティ、メディア業界の女性ランナーによる企画集団「ランガール」を2010年に設立。創設メンバーとして一般社団法人ランガールの理事を務める。女子による女子のためのラン祭り「RunGirl★Night」を9年にわたって開催。2017年1月、『ウィメンズヘルス』立ち上げ準備に加わり、編集長に就任。「ワクワクを作ること」を趣味としており、プライベートではランニングの他、スピニングやキックボクシング、ヨガ、最近では自宅でのオンラインワークアウトなども積極的に楽しんでいる。高校3年生の娘がいる。