2026.01.20
漢方ブログ
その腹痛、ガスだまりのせいかも? 原因と対処法を解説
腹痛は誰しもが経験したことのある身近な症状です。おなかの痛みといえば、食あたりや胃腸炎などを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は腸にたまったガスが原因であるケースも少なくありません。この記事では、ガスだまりによる腹痛の特徴や原因、即効性のある対処法、考えられる疾患について詳しく解説します。
おなかが痛い…それって「ガスだまり」のせいかも
おなかに痛みを感じたとき、多くの人は食あたりや胃腸炎などの感染症を疑うかもしれません。しかし、意外と見落とされやすいのが「ガスだまり」です。腸内にガスが過剰にたまると、腸壁を内側から押し広げるような圧力がかかり、鈍い痛みやハリ感が生じます。
ガスだまりによる腹痛は、「さっきは上腹部が痛かったのに、今は下腹部が張って苦しい」といったように、ガスが移動するたびに痛みの位置が変わるのが特徴です。また、腹痛とともにおなかがギュルギュル・ぐるぐると鳴る現象がみられることもあります。こうした症状を放置すると日常生活の集中力や快適さが損なわれることもあるため、原因を知り、適切な対処法をとることが大切です。
おなかにガスがたまるのはなぜ?
腸内ガスは、私たちが食事中に無意識のうちに飲み込んでいる空気や、腸内細菌が食べ物を分解・発酵させる過程で自然に発生します。通常はおならやげっぷとして体外に排出されますが、腸の動きが鈍くなるとガスが腸内にとどまりやすくなります。便秘や運動不足、ストレスによる自律神経の乱れなどは、このガスの排出を妨げる大きな要因です。
漢方では、消化・吸収を担う重要な器官を「脾(ひ)」と呼びます。「脾」は胃腸の働きや水分代謝、そして腸内環境の健やかさと深く関係しており、その機能が低下すると、生体エネルギーである「気」のめぐりも滞ります。その結果、腸のぜん動運動が弱まり、ガスがたまりやすい状態になってしまうのです。
ガスによる腹痛と、一般的な腹痛との違い
腹痛とひと口にいっても、痛みの程度や感じ方、部位はさまざまです。食あたりや胃腸炎などの場合は、吐き気や下痢、発熱などを伴い、症状が比較的急激に現れることが多いでしょう。これらは、体内に侵入した細菌やウイルスを排除するための自然な反応です。痛みのある場所は一定していることが多く、ズキズキ、キリキリとした鋭い痛みが続きます。
一方、ガスが原因の腹痛は、腸内にたまった空気やガスが腸壁を押し広げることで発生します。おなかが張ってパンパンに膨らんだような感覚があり、姿勢や体の動きによって痛む場所が移動するのが特徴です。ガスが移動する際に「ゴロゴロ」といった音が聞こえることもあります。また、吐き気や嘔吐を伴う場合もありますが、感染症のような高熱を伴うケースは少ないでしょう。
このように、症状の現れ方や経過を観察することで、ガスによる腹痛かどうかを見極めやすくなります。
おなかにガスがたまる原因は?
おなかにガスがたまる背景には、食生活の乱れや不規則な生活が大きく関係しています。特に、腸の動きを妨げるような生活習慣はガスの排出を妨げ、腹部の不快感や痛みを招きます。便秘や運動不足、早食い、ストレスなど、原因は多岐にわたります。これらの要因が重なることで、ガスが腸内に滞留しやすくなり、症状が悪化することもあります。
早食い
よく噛まずに急いで食べると、食べ物と一緒に多くの空気を飲み込んでしまい、腸にガスがたまりやすくなります。さらに、早食いは胃腸への負担が大きく、消化が不十分なまま腸に送られるため、腸内で発酵が進みやすくなります。漢方では、こうした急な食事は消化吸収を担う「脾」の負担となり、「気」のめぐりを滞らせる原因になると考えられています。
肉類やにんにくの摂りすぎ
高たんぱく・高脂質の食事や、にんにく・唐辛子などの刺激物は、腸内で発酵しやすく、ガスを多く発生させます。特に脂肪分の多い肉類は消化に時間がかかるため、胃腸への負担が大きくなりがちです。こうした食事が続くと腸内環境が乱れ、「脾」の働きが弱まり、ガスだまりを招く要因となります。
便秘
便が腸内に長時間とどまると、腸内細菌による発酵や腐敗が進み、ガスの発生量が増加します。さらに、硬くなった便が腸内で物理的な障害となり、ガスの通過を妨げることで排出も滞りやすくなります。その結果、おなかのハリや痛みが強まるだけでなく、食欲不振や倦怠感などの不調を引き起こすこともあります。
ストレス
精神的ストレスは自律神経のバランスを崩し、腸のぜん動運動を低下させます。また、緊張や不安から無意識に空気を飲み込んでしまうこともあります。漢方では、こうした状態を「気滞(きたい)」と呼び、「気」のめぐりが滞ることで腹痛やハリが起こりやすくなると考えられています。
運動不足
体を動かす機会が少ないと、腸の動きが鈍くなり、ガスが腸内に停滞しやすくなります。軽いウォーキングやストレッチなどの適度な運動は、「気」をめぐらせ、「脾」の機能を助けるとされています。定期的に体を動かす習慣をつけることは、ガスだまりを防ぐ大切な一歩となるでしょう。
ガスだまりによる腹痛・おなかのハリを改善するには
食生活を見直す
豆類や炭酸飲料、脂っこい料理はガスを発生させやすいため、量を控えることが大切です。早食いや噛まずに飲み込む習慣も空気を取り込みやすく、ガスだまりの原因になります。発酵食品や食物繊維を意識して取り入れることで「脾」の働きを助け、腸の動きが整いやすくなります。
発酵食品の例:納豆、味噌、漬物、キムチ、ヨーグルト、チーズ、甘酒 など
これらは腸内の善玉菌を増やし、腸内環境の改善に役立ちます。
食物繊維の例
水溶性食物繊維:海藻類、オクラ、納豆、果物など
不溶性食物繊維:ごぼう、きのこ類、豆類、雑穀 など
水溶性と不溶性をバランス良く摂ることが推奨されます。
軽い運動やストレッチを習慣化する
腸の動きを促すには、1日15分程度の軽い運動が効果的です。ウォーキングや座ったままできるストレッチ、おなかまわりをひねる動きや腹式呼吸は、「気」のめぐりを整え、ガスの排出を後押しします。無理なく続けられる方法から始め、運動習慣を定着させていきましょう。
ストレスを溜めない
強いストレスは自律神経を乱し、「気」の滞りを引き起こします。音楽を聴く、深呼吸をするなど、自分に合ったリラックス法を見つけて心身のバランスを保つことが、ガスだまりの予防につながります。
腸をマッサージする
おへその周囲を「の」の字にやさしく撫でるようにマッサージすると、腸のぜん動運動が促され、ガスが排出されやすくなります。あおむけに寝た姿勢で行うとリラックス効果も得られるでしょう。さらに、おなかが冷えている場合は、カイロや温めたタオルで温めながら行うとより効果的です。「脾」の働きが整いやすくなり、消化吸収機能が高まります。
漢方を活用する
いろいろな対策を試してみても効果を感じられない場合は、漢方薬を取り入れてみるのも有効な方法です。
◆ガスだまりによる腹痛・おなかのハリに「大建中湯(だいけんちゅうとう)」
「大建中湯」は、消化・吸収機能を担う「脾」の働きを整えることで、腸のぜん動運動を改善し、ガスだまりによる腹痛やおなかのハリを改善する漢方薬[遥上10.1]です。
この漢方薬は、腸の温度感覚センサーに働きかける独自の特長をもっています。この働きにより、滞っていた腸の血流が促進され、腸の動きが活発になります。その結果、たまっていたガスや便の排泄を促し、ガスだまりによる腹痛やおなかのハリといった症状を改善します。
消化機能の働きを底上げすることで、ガスがたまりにくい状態へ導くことができます。
【効能・効果】
体力虚弱で、腹が冷えて痛むものの次の諸症:下腹部痛、腹部膨満感
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病気が隠れている可能性も
これらの対処を試しても腹痛やおなかのハリが改善しない場合、病気の可能性も考えられます。症状が長引く、または血便や発熱など他の症状を伴うときは、自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう。
腹痛やおなかのハリがつらいときは、まず生活を見直そう
おなかにガスがたまると腹痛につながることがあります。ガスがたまる原因は、食生活や運動不足、ストレスなど複合的です。まずは生活習慣を見直し、できることから整えていきましょう。それでも症状が続く場合は、他の病気が隠れていることもあるため、早めに医療機関を受診することが大切です。



