INTERVIEW #04

伝統的な漢方を
届けるため、革新的な
機械の開発が必要だ。

伝統的な漢方を
届けるため、革新的な
機械の開発が必要だ。

Profile

生産本部生産技術センター
技術開発部(技術開発4G)
工学研究科 知能機械システム専攻修了

  • # 生産(生産技術)
  • # 2021年入社

入社理由

大学院の研究室では「治療法が見つかっていない未病を薬で治す」というテーマで、研究実験用の機器や擬似臓器などの開発を行っていました。医学部との共同研究だったこともあり、自然と「製薬メーカー」を志望するようになりました。業界研究をする中で、西洋薬メーカーは、設備の設計開発で外部委託が多い中、ツムラは自然物を扱うため独自のノウハウを持った開発部隊があることを知りました。他社では経験できない設備開発に惹かれ、志望しました。また「未病にアプローチする」というツムラの考え方にも共感したのも入社理由の一つです。

ツムラは今、「労働生産性2倍」という目標を掲げており、 その中で私は「自動化設備の開発」に注力しています。自動化設備の開発と聞くと「機械」のイメージが先行しがちですが、必要になる知識は製剤技術や材料工学など多岐に渡ります。働く仲間はユニークな経歴を持っていますし、一人ひとりの仕事の幅も広がっています。みなさんには、どんな興味も活かせる可能性があることを知ってもらいたいです。

現在の仕事内容

技術開発部では、漢方製剤に関わる設備の開発から導入までを担当しています。私が担当するのは「多関節ロボットを使用した部品自動洗浄機」の開発です。今までは作業者の熟練度によって洗浄品質や作業時間にバラつきが出ていました。そこで、常に均一な動きができるロボットを使用し、問題を解消します。また、作業者の負荷軽減にもつながります。自動化設備の開発を通して品質向上、生産性向上、人への負担軽減を軽減することで製造現場を変革していきます。今は、プロト機で検証をする段階です。構想設計から参画しているプロジェクトなので日々試行錯誤しながら導入に向けて尽力しています。

生産現場の立場に立って、何ができるかを意識し、設備の開発を行っています。この活動が「労働生産性2倍」という目標達成とツムラ漢方製剤の供給につながると考えています。私のミッションは、ツムラがこれまでに蓄積したノウハウや知識という「伝統」と、最新技術による「革新」を組み合わせて、「労働生産性2倍」を実現すること。まさに「伝統と革新」を大切にするツムラの転換期に立っています。

仕事で意識していること

「現地、現物、現実」の三現主義を大切にしています。製造の現場に足を運び、生の声を聞いて、ニーズを把握するようにしています。作業者の方と作業の動画を確認してポイントをヒアリングしたり、実際に自ら作業を行うことで、現場の方にストレスなく使っていたただける設備開発に努めています。
特にヒアリングの中で要望として挙がるものが、品種の切換作業時に発生する清掃作業の作業時間短縮と負担の軽減です。私はこの要望をかなえるため、設備設計時に「シンプル」をコンセプトに掲げています。設備の構造をシンプルにし、部品点数を減らすことで清掃時の作業量が減り、生産性向上と負担軽減を実現します。クリーンな環境で製造を行い、安定供給を続ける医薬品製造設備ならではのこだわりだと思っています。

やりがいを感じるのは、現場で自分が開発した設備が実際に製造しているのを見た瞬間です。生産現場の方からも「作業がしやすくなった」と言っていただいたり、さらに患者様からも喜びの声が届きます。「やっていてよかった!」と思うと同時に、「絶対に生産を止めないようにしよう!」と身が引き締まります。設備を導入して終わりではなく、現場の負担を改善し、患者様に安定して漢方薬を届ける。そこまでが開発の仕事です。

次なる挑戦

今後の開発を通して、最終的に、「人が極力、介在しない漢方製剤の製造現場」を実現できたらいいなと思っています。製造ラインで直接製品に関わる作業を自動化し、人は管理や判定に専念することで、人による製造現場の汚染防止や負荷軽減、品質管理体制の強化につながると考えています 。その中で実現させたいテーマは、「部品組立作業の自動化」です。現在、生産終了後に部品の洗浄のため、約200個ある部品を人が一つ一つ分解しています。各々部品の形状が異なり、かつ分解組立に細かな作業が必要であるため、既存の自動化技術では困難です。
しかし、今担当している部品洗浄機のテーマで培った部品に対するノウハウと多関節ロボットの技術を活かすことで、自動化を実現したいです。自動化設備の開発のテーマを完遂することで「人が極力、介在しない漢方製剤の製造現場」実現し、漢方という伝統的な製品の生産を支え続けたいです。