慢性腎不全治療薬「温脾湯(TJ-8117)」 開発方針変更のお知らせ
2003年03月01日
  • ニュースリリース

 株式会社ツムラ(本社:東京、社長:風間八左衛門)では、開発中の慢性腎不全治療薬「温脾湯(おんぴとう/TJ-8117)」の前期第Ⅱ相臨床試験の成績を検討した結果、国内での開発の方針を見直し、今後の開発・研究を海外で実施する方向で検討を開始しました。

 温脾湯は、唐の時代に書かれた古典「備急千金要方(びきゅうせんきんようほう)」に由来する漢方製剤です。慢性腎不全の既存の治療薬としては、唯一、球形吸着炭に「腎不全の進行防止」の効能がありますが、温脾湯は、球形吸着炭とは異なる作用機序により、慢性腎不全の進行を抑制し透析導入を遅延する薬剤として、開発を行っていました。
国内において1999年度から実施してきた前期第Ⅱ相臨床試験では、球形吸着炭と比べ遜色のない効果があると予想されましたが、今後の臨床試験デザインについて検討したところ、当初想定していた投与期間では十分ではなく、本剤効果の臨床評価をより明確にするためには、近年公表されているアンジオテンシンⅡ拮抗薬の臨床評価同様に、長期観察が不可欠と判断されました。現在の日本の治験事情も含めて考慮すると、開発期間の延長、開発費用の著しい増大が見とおされるため、今後の開発をより効率的に行うことを目的に、国内から海外へシフトする方向で検討を開始しました。
開発移行先につきましては、現在上海に新工場を建設中であり、中国での医薬品開発も行う予定であることから、中国への移行を中心に開発期間、費用などを総合的に検討して決定する予定です。

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