INTERVIEW #01

私が調達した生薬が、
薬になる。
だからいい加減な
仕事はしない。

私が調達した生薬が、
薬になる。
だからいい加減な
仕事はしない。

Profile

生薬本部 生薬業務部
生薬調達課
持続性社会創生科学研究科
国際乾燥地科学専攻博士前期課程修了

  • # 調達(生薬)
  • # 2016年入社

入社理由

大学院では「栽培学」という名のもと、肥料の研究を行っていました。ただ、就活時は業界を絞らず、肥料メーカーや食品メーカー、出版社、自衛隊など幅広く受けていたんです。ツムラを見つけたとき「ピン!」ときたのは、野菜や果物と違って「栽培方法の体系が解明されていない生薬」という分野に対して面白そうだという直感があったからです。どんな肥料が好まれるのか、どんな肥料に変えたら生薬に含まれる成分が変わるのか、を解明したいという気持ちが芽生えました。

また、生薬の中には1度その畑で育てると、10年ほど育てられなくなる、といったものもあるんです。これまでの学びを生かして「生薬生産の課題を解決したい」という目標も生まれました。ツムラの面談で提案されたのは、生薬研究ではなく生薬調達の道でした。最初のキャリアで「生産の現場」を知ることができるのは、将来必ず役に立つはず。そんな期待を胸にツムラに入社しました。

現在の仕事内容

現在は、国内で栽培される生薬調達を担当しています。エリアは和歌山県と三重県で、柑橘系がメインです。産地に出向き、農家さんや農家さんを束ねる生産団体の方々と日々、お仕事しています。

調達の仕事のミッションは大きく2つあります。1つ目は、ツムラの漢方薬にとって欠かせない「安心安全な生薬を栽培してもらうこと」。2つ目は「安定的に供給量を確保すること」です。天候や土壌の状態によってその年の生産量は左右されます。生育の状態を観察しながら、ツムラとして必要な量を生産してもらえるよう交渉したり、足りないときは他の生産地に確認をとって調整したりします。

過去には中国やラオスの調達を担当し、ラオスにある子会社のラオツムラで3年間の駐在も経験しました。「百聞は一見にしかず」と言いますが、実際に栽培してくださる方々と共に働けたことで、生産現場の課題が今までよりも分かりやすく見えるようになりました。ラオスに行って本当によかったです。

仕事で意識していること

私は調達の仕事を「ツムラの漢方薬の原料になる生薬に求められる“品質”を最初に提案できる仕事」だと捉えているんです。私たちが調達した生薬そのものが、病や不調に悩む人々を助ける薬になるからです。だから「いい加減な仕事はしない」と決めています。「これくらいでいいや」とか「これで大丈夫」という曖昧な基準は私の中にありません。

それから、常に新しいやり方を模索することも欠かせません。人件費の高騰にともなって「生薬の加工方法」を変えてみたり、SDGsのテーマにある資源の枯渇の観点から「野生の採取から栽培」に切り替えたり、時代の変化に合わせて「今できること」を考え続ける根気強さが求められますね。経験と自分の知識と社内外の人と人とのつながりが増えていくことで、トラブルへの対応力や自分のキャパシティが大きくなっていることを実感しています。何事にも興味を持って取り組める人にとって面白い仕事だと思います!

次なる挑戦

「生薬生産の課題を解決したい」という目標を超えて、「生薬生産を盛り上げたい、生薬の生産者を増やしたい」という新たな目標ができました。具体的には「生薬の生産現場のDX化」を実現させたいですね。すでに、選別作業へのAI導入に取り組んでいる先輩もいます。今後は農家さんからも要望の強い栽培においてもDX化が進められるといいですね。ツムラにはアイデアを提案できるチャンスがいくらでもあるので、これから一つひとつ形にしていきたいです。

生薬生産を盛り上げるためには、もっと多くの人に「生薬の魅力」を知ってもらう必要があると思うんです。中国では生薬は暮らしにもっと身近で、生薬をスープに入れたり、お酒に漬けたり、暮らしの中に上手に取り入れています。日本でも生薬を口にする習慣を増やしていきたいですね。生産者のみなさんと、ツムラの仲間と、力を合わせて盛り上げていきます。