INTERVIEW #03

漢方薬をつくるのは
難しい。
だから、私は
考え続ける。

漢方薬をつくるのは
難しい。
だから、私は
考え続ける。

Profile

生産本部 茨城工場 製造一部 製造五課
機械科卒

  • # 生産(製造)
  • # 2011年入社

入社理由

正直、就活のタイミングでは「これがやりたい」という明確な目標はなかったんです。でも、どうせ働くなら「人の役に立つことがしたい」とは思っていました。高専で「パーキンソン病」をテーマに研究をしていたことから、世界にはさまざまな病気で苦しんでいる人々がいることを改めて感じました。そこから医療機器メーカーなどを中心に「医療」の分野で企業を探していたところ、ツムラと出会ったんです。ツムラは医療用漢方製剤の国内シェアNo.1で、「たくさんの人々を助けている」ということが分かり、「ここだ!」と入社を決めました。

機械科の所属でしたから、工場の所属になって製造機械のメンテナンスなどをするものだと思っていたら、配属が「製造」で少し驚いたことを覚えています。けれど、すんなり受け入れることができました。「まずは漢方製剤をつくることでいろいろと勉強できる」と思えたからです。その考えは間違っていませんでした。

現在の仕事内容

ツムラの漢方製剤には複数の製造工程があるのですが、私が担当しているのは「エキス粉末」から「エキス顆粒」をつくる「混合・造粒」という工程です。今は製造ラインに入ることはなくなりましたが、ラインに入るメンバーが参考にする「製造指図書」を作成したり、メンバーが記入した「記録用紙」を照査・管理したりする仕事をしています。

入社当初から感じていることですが、漢方薬の製造は本当に難しいんです。なぜなら、化学合成した均一の物質からつくられる西洋薬と違って、漢方薬は生薬という天然物からつくられるからです。「昨日までこの方法で上手くいっていたのに、今日は上手くいかない」なんてことがよくあります。原因を調べてみると、生薬が採れた時期や、採れた場所といったロットが違うんですね。もちろん製造には守るべきルールや規格がありますが、すべてがその通りにいくとは限りません。自然物を扱う難しさと日々、向き合っています。

仕事で意識していること

製造の仕事は毎日同じ作業を繰り返すように思われがちですが、ツムラの製造現場は違います。毎日、変化に富んでいます!医療用の漢方製剤においては120を超える処方が存在しますし、配合する生薬も100種を超えます。毎日、異なる処方を製造していたり、トラブルも多様なバリエーションで発生したりするのです。そこで大切なのが、チームで協力して取り組むことです。みんなで共有した目標を達成できた時が、最もやりがいを感じる時ですね。そのためにも「きちんと話を聞くこと」を心がけています。どんな些細な気づきでも話してほしいんです。

最近、「改善」に関するポジティブな相談が増えていることがとても嬉しいです。「より安全にしよう」「より良い品質を保てるようにしよう」といった観点を、主体的に考えて教えてくれるんです。私自身も常に主体的であること、その姿勢を見せ続けることで、チームのみんなにとってやりがいのある職場にしていきたいです。

次なる挑戦

製造の難しさである「生薬のロットごとの特色」を、製造前に分かるようにしたいと考えています。たとえば「今回の生薬に含まれる水分量はこれくらいだから、製造時にはこんな点に注意しよう」ということが事前に明確になるのが理想です。実現可能かどうかですか?正直、分かりません。でも、誰かに頼っていても何も変わりません。自分で考え続けるしかないと思います。

それから、製造現場を飛び越えて「フレイル」というテーマにも取り組みたいと考えています。フレイルとは加齢によって身体の機能が弱まってしまう現象を指すのですが、ツムラでは「フレイルに漢方薬を役立てるための研究」が進んでいます。祖母の姿を目の当たりにして「自分にできることはないか?」と思うようになりましたし、学生時代に「パーキンソン病」を研究して抱いた「病で困っている人を助けたい」という想いを「フレイル」というテーマに取り組むことで実現したいです。これからも仲間と一緒に考え続けます。