役員報酬・構成

報酬の額又はその算定方法の決定方針

基本方針

  • 当社の取締役の報酬は、ペイ・フォー・パーパスを基本思想として以下の方針に基づき決定いたします。
  • 1)ツムラのグループ経営の根幹を成すパーパスを掲げた理念経営に基づくビジョンの実現に報いるものとする
  • 2)サステナビリティやガバナンスへの取り組みを通じたステークホルダーからの信頼の獲得、社会課題の解決を通じたツムラの持続的な成長に報いるものとする
  • 3)高い目標へのチャレンジを動機付けるものとする
    • 高い目標への役員一人ひとりのチャレンジに報いる
    • 高い目標の達成に不可欠な"経営チーム"としての成果に報いる

報酬水準

当社を取り巻く経営環境を踏まえ、外部専門会社の調査データに基づく同業他社または同規模の他社等の報酬水準との比較を客観的に行い、また、当社従業員の給与水準等を鑑みて、役割・職務等に見合う報酬水準を設定しております。


報酬体系・構成

当社の取締役の報酬体系は、基本報酬(固定部分、短期業績連動部分(STI))、業績連動型株式報酬(LTI-Ⅰ、LTI-Ⅱ)により構成し、基本報酬の短期業績連動部分、業績連動型株式報酬をインセンティブ(変動報酬)として位置付けております。また、当社の取締役の種類別の報酬割合については、外部専門会社の調査データに基づく同業他社又は同規模の他社等の動向等も参考に、当社の持続的成長と企業価値向上に資するため以下のとおりの報酬構成としております。

報酬の種類 目的・概要
固定

基本報酬(金銭)

固定部分 役割・職務等に応じた固定報酬
変動 STI(短期業績連動部分) 各事業年度の会社業績及び個々が設定する業務目標達成に向けた取り組みに報いるための年次インセンティブ
  • 目標達成時に支給する基準額は、役割・職務等に応じ総報酬に対する一定の割合で設定
  • 具体的な支給額は、各事業年度の業績目標達成度に応じ基準額の15%-150%の範囲で決定
  • 固定部分とあわせて毎月金銭で支給
業績連動型株式報酬(非金銭) LTI-Ⅰ(中期業績連動)

中期経営計画実現に向けた取り組みに報いるための中期インセンティブ

  • 毎年役割・職務等に応じた基礎ポイントを付与・累計し、中期経営計画の業績目標の達成度及び個々が設定する業務目標の達成度に応じ当該累計ポイントを変動させたポイント数に相当する当社株式を交付(納税目的で50%は金銭支給)
  • 具体的な交付株式数は、基礎ポイントの累計の15%-150%の範囲内で決定
  • 原則として、中期経営計画の終了直後の7月頃に一括して交付
LTI-Ⅱ(長期ビジョン連動)

長期ビジョン実現に向けたチャレンジを促すための長期インセンティブ

  • 毎年役割・職務等に応じた基礎ポイントを付与・累計し、中期経営計画期間終了後に長期ビジョン実現に向けた進捗目標の達成度に応じ当該累計ポイントを変動させたポイント数の合計値に相当する数の当社株式を交付(納税目的で50%は金銭支給)
  • 具体的な交付株式数は、基礎ポイントの累計の0%-150%の範囲内で決定
  • 原則として、退任後に一括して交付

短期インセンティブ:短期業績連動部分(基本報酬)

基本報酬の短期業績連動部分の支給額は、中期経営計画の数値目標の指標として用いている連結売上高と連結営業利益の各事業年度の目標達成度及び業務執行の責任者として個々が設定する業務目標の達成度に基づき定まります。
各評価指標の配分割合・変動幅は以下のとおりです。

各評価指標の配分割合及び変動幅

評価指標 配分割合 係数変動幅
連結売上高 25%~35% 0%~150%
連結営業利益 25%~35% 0%~150%
個々が設定する業務目標の達成度 30%~50% 50%~150%
合計 100% 15%~150%

中期インセンティブ:LTI-Ⅰ(業績連動型株式報酬)

LTI-Ⅰの交付株式数は、中期経営計画にある数値目標として掲げる連結売上高、連結営業利益、連結ROE(対象期間平均)の目標達成度及び業務執行の責任者として個々が設定する業務目標の達成度に基づき定まります。株式交付に際しては、交付される50%の株式は、納税資金に充当することを目的として、金銭に換価して支給されます。各取締役に対する株式及び金銭の給付は三菱UFJ信託銀行株式会社の役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下BIP信託)を通じて行います。
交付株式数の算定式、並びに、各評価指標の配分割合及び変動幅は以下のとおりです。

株式報酬(中期業績連動)の算定式

基礎ポイント=取締役の役割・職務等に基づく報酬基準に応じて定める金額÷基準株価(※)交付株式数=中期経営計画期間中の基礎ポイント数の累計×業績連動係数

  • 中期経営計画期間開始直前の3月の東京証券取引所における当社株式の普通取引の終値の平均値(小数点以下の端数は切り捨て)

各評価指標の配分割合及び変動幅

評価指標 配分割合 係数変動幅
連結売上高 30% 0%~150%
連結営業利益 20% 0%~150%
連結ROE(対象期間平均) 20% 0%~150%
個々が設定する業務目標の達成度 30% 50%~150%
合計 100% 15%~150%

長期インセンティブ:LTI-Ⅱ(業績連動型株式報酬)

LTI-Ⅱの交付株式数は、中期経営計画と対応する期間における、企業価値、サステナビリティ、コーポレート・ガバナンス、事業価値に関する評価指標の達成度に基づき定まります。株式交付に際しては、交付される50%の株式は、納税資金に充当することを目的として、金銭に換価して支給されます。各取締役に対する株式及び金銭の給付はBIP信託を通じて行います。
交付株式数の算定式、並びに、各評価指標の配分割合及び変動幅は以下のとおりです。

株式報酬(長期ビジョン連動)の算定式

基礎ポイント=取締役の役割・職務等に基づく報酬基準に応じて定める金額÷基準株価(※)
業績連動ポイント=中期経営計画期間中の基礎ポイント数の累計×業績連動係数
交付株式数=退任時点までの業績連動ポイントの合計値

  • 中期経営計画期間開始直前の3月の東京証券取引所における当社株式の普通取引の終値の平均値(小数点以下の端数は切り捨て)

各評価指標の目的・選定の考え方

評価指標 指標選定の考え方
企業価値 相対TSR※1
(TOPIX成長率比較)%
  • 長期ビジョンの実現度を測る指標
  • 長期ビジョンの実現及び企業価値向上に対する貢献意欲を高めるとともに株主との価値共有を企図
サステナビリティ GHG削減
野生生薬栽培化
など
  • サステナビリティビジョンの実現度を測る指標
  • 自然環境保全や生薬栽培化等、持続可能な事業活動を実現するための取り組み促進及び意識づけを企図
コーポレート・ガバナンス 経営チームの多様性
など
  • サステナビリティビジョンの実現度を測ること及び長期経営ビジョンの実現を促進することができる指標
  • 事業構造転換を含む中長期的な企業価値を牽引し得る、適時適切な経営判断ができる海外拠点を含むツムラグループ全体での経営チームの組成を促すことを企図
事業価値 海外事業売上高比率
  • 長期経営ビジョンの実現度を測ることができる指標
  • 海外事業の基盤を構築し、海外市場における成長を通じた企業価値向上に対する貢献意欲を高めることを企図
  • 1 TSRはTotal Shareholder Returns(株主総利回り)の略。TOPIX成長率に対する当社TSRの比率を用います。

各評価指標の配分割合・変動幅及び主な指標値

評価指標 配分割合 係数変動幅 主な目標値
企業価値 相対TSR
(TOPIX成長率比較)
25%
0%~200%
(ただし2028年3月31日までの期間は0%~100%)
1.0
サステナビリティ GHG削減 野生生薬栽培化 など 25% 0%~100% 2031年度末にGHG排出量50%削減
(2020年度比)など※1
コーポレート・ガバナンス 経営チームの多様性
など
25% 0%~100% ※1
事業価値 海外事業売上高比率 25% 0%~200%
(ただし2028年3月31日までの期間は0%~100%)
2031年度末に50%※1
合計 100% 0%~150%
(ただし2028年3月31日までの期間は0%~100%)
  • 1 評価指標により、その達成度が100%あるいは80%を下回った場合、係数は0%といたします。

LTI-Ⅱが支給される場合

  • 構成割合は役割・職務等ごとの報酬基準額におけるものです。
  • 変動報酬に係る目標達成度を100%とした場合のモデルです。

LTI-Ⅱが支給されない場合

報酬決定のプロセス

  • 取締役会は、業務執行取締役及び執行役員の選解任である指名手続きと、報酬基準額、業績評価方法、業績評価結果に応じた確定額の算出ルール及びそれに基づく報酬決定の手続きを審議プロセスの客観性・透明性を高めるために、指名・報酬諮問委員会に諮問し、その結果・経緯についての答申を受け、株主総会で決議された総額の範囲内で決定いたします。このうち、業績評価方法及び業績評価結果に応じた確定額の算出ルールは、社内規則に定めることとし、これを改定する場合には、指名・報酬諮問委員会による審議・答申を基に取締役会で決議いたします。
  • 取締役会は、基本報酬の短期業績連動部分及びLTI-Ⅰにおける個々が設定する業務目標の達成度の決定に関しては、指名・報酬諮問委員会に委任するものといたします。指名・報酬諮問委員会に委任する理由は、委員長を社外取締役が務め、委員の過半数を社外取締役で構成している同委員会に委任することにより、報酬等に関する手続の客観性及び透明性をより一層高めるためです。
  • 代表取締役社長である加藤照和に、社内規則及び取締役会決議内容に即した個人別支給額が算定されているかの確認ならびに個人への通知について委任しております。委任した理由は、指名・報酬諮問委員会の審議内容を踏まえ報酬額の妥当性を検証できる立場にあると判断したためです。

報酬等の内容

  • 当社は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の基本報酬(金銭報酬)は、年額600百万円以内(2017年6月29日開催の第81回定時株主総会決議による。)とすることを決議しております(決議時の取締役は社外取締役を含めて6名が対象)。
  • 株式報酬は、2016年6月29日開催の第80回定時株主総会にて業績連動型株式報酬制度の導入を決議しております(決議時の取締役は業務執行取締役3名が対象)。
  • 2019年6月27日開催の第83回定時株主総会において、株式報酬に係る報酬を、当社普通株式の交付から、当社普通株式の交付及び金銭の支給へ改定することを決議しております(決議時の取締役は業務執行取締役3名が対象)。
  • 対象期間(2020年3月31日で終了する事業年度から2022年3月31日で終了する事業年度までの3事業年度)において交付する普通株式の総数は6万株相当を上限とし、金銭報酬債権及び金銭の合計額は450百万円以内としております。なお、2022年度に業績型株式報酬制度の改定を行っており、2021年度迄の株式報酬は上記の株式報酬に係る決議内容に服することになります。
  • 2022年度以降の株式報酬は、2022年6月29日開催の第86回定時株主総会にて決議しており(決議時の取締役は業務執行取締役3名が対象)、当社が掲げる中期経営計画の対象となる事業年度(当初は、2023年3月31日で終了する事業年度から2025年3月31日で終了する事業年度までの3事業年度)において、当社が拠出する金員の上限は290百万円に当該中期経営計画の対象となる事業年度の年数を乗じた金額、取締役等に当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)の交付及び給付(以下「交付等」という。)が行われる当社株式等の数の上限は10万株に当該中期経営計画の対象となる事業年度の年数を乗じた株数を上限としております。
  • 監査等委員である取締役の報酬は、その役割・職務等の内容を勘案し、固定の基本報酬のみとし、年額72百万円以内(2017年6月29日開催の第81回定時株主総会決議による。)において、監査等委員である取締役の協議により決定しております(決議時の取締役は監査等委員である取締役3名が対象)。
  • 取締役(監査等委員である取締役を除く。)のうち社外取締役を含めた非業務執行取締役および監査等委員である取締役は、業務執行の監督という役割に鑑みて固定の基本報酬(金銭)のみとしております。

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