漢方の歴史

漢方は日本独自の医学です

漢方は、治療に対する人間のからだの反応を土台に体系化した医学といえます。古代中国に発するこの経験医学が日本に導入されたのは5~6世紀頃。日本の風土・気候や日本人の体質にあわせて独自の発展を遂げ、わが国の伝統医学となりました。
17世紀頃、特に大きく発展して体系化され、現在へと継承されています。漢方という名称の由来は、日本へ伝来した西洋医学である「蘭方」と区別するためにつけられたものであり、もちろん、中国の伝統的な医学である「中医学」とも異なります。まさに漢方は、日本独自の医学なのです。

飛鳥時代 701〜

中国伝統医学伝来

中国から医療制度や医学を積極的に導入。

平安時代 794〜

中国伝統医学の模倣

日本の独自性を追求、
わが国最古の医学書が日本人により編纂された。

室町時代 1336〜

中国伝統医学の日本化

後世方派 李朱医学を持ち帰る。

江戸時代 1603〜

日本の伝統医学・漢方の始まり

古方派 「傷寒論」と「金匱要略」への回帰を唱える。

日本漢方の発展・独自化の達成

処方の有用性を第一義とし、経験的・臨床的に良所を享受する柔軟な姿勢をとる立場が現れる。

明治時代 1868〜

衰退・存続

西洋医学中心の新しい医制改革の漢方医学の断絶の危機が迫る。

昭和 1926〜

復興

一部の医師や薬剤師、薬種商などの尽力により、民間レベルで生き続けた漢方医学は、再び注目を集めるように。

昭和・平成 1976

発展・新展

医療用漢方製剤が薬価基準に収載され、漢方薬は現代医薬の市場規模を広げている。