資源の循環利用
水資源の考え方
水資源の変化は、原料生薬の生育条件・収量の変化、生薬価格の高騰、原料生薬や医療用漢方製剤の品質への影響など、原料生薬栽培から調達までのサプライチェーン全体に影響を与えます。
また、医療用漢方製剤の製造工程では、大量の水資源を必要とします。国内の生産拠点では、主に地下水を取水していますが、水資源の変化は、製剤の安定した供給に影響を与えます。
ツムラグループでは漢方バリューチェーンの強化により水資源リスクの緩和を目指しています。
水資源の変化は、原料生薬の生育条件・収量・品質・価格などに影響を与えます。また、医療用漢方製剤の製造工程では、大量の水資源を必要とするため、製剤の安定した供給にも影響を与えます。ツムラグループでは漢方バリューチェーンの強化により、水資源リスクの削減を目指しています。
目標と進捗結果
項目 |
進捗 (2022年度実績) |
対象 |
2024年度目標 (基準年:2020年度) |
---|---|---|---|
取水量原単位* | 基準年度比:6%増加 |
〇 茨城工場・静岡工場 |
10%削減 |
〇・・・ツムラ単体
* 取水量原単位=取水量(t)/医薬品エキス顆粒生産量(t)
主な取り組み
茨城工場の第3SD棟で、製造用水を再利用する新たな設備を導入したほか、漢方エキス抽出液の濃縮工程において冷却水を回収し再利用する仕組みは、静岡・茨城・上海・天津の4工場に導入しています。当社グループ全体の排水量のうち、およそ96%(2022年度実績)はこの4工場が占めています。
環境パフォーマンスデータ
廃棄物の考え方
ツムラグループでは、3R(リデュース・リユース・リサイクル)とリニューアブルに取り組み資源循環の仕組みづくりに取り組んでいます。当社グループで発生する産業廃棄物のうち、大部分は漢方製剤のエキス製造過程の抽出後に残る残渣(生薬残渣)です。
そのため、特に生薬残渣の利活用に向けた取り組みに注力しており生薬残渣分科会が中心となり検討を進めています。
目標と進捗結果
項目 |
進捗 (2022年度実績) |
対象 |
2024年度目標 (基準年:2020年度) |
---|---|---|---|
プラスチック使用量 | 包装資材の素材選定・評価を実施中 | 〇 | 10%削減 |
産業廃棄物排出量原単位* | 生薬残渣の利活用検討を実施中 | 〇 | 50%削減 |
〇・・・ツムラ単体
* 産業廃棄物排出量原単位=産業廃棄物排出量(t)/医薬品エキス顆粒生産量(t)
主な取り組み
生薬残渣の一部は有償での取引も行っており、火力発電所のCO2排出量削減につながるバイオマス燃料などに活用しています。その他の生薬残渣も、堆肥化などにより100%リサイクルされています。
再資源化と並行して、資源循環のより良い仕組みづくりにも注力しています。生薬残渣には約80%もの水分が含まれています。上記のようにリサイクル活用は実施しているものの、大量の水分を含んだ状態で外部の処理施設まで運搬しているため、環境負荷と経済的なコストがかかっています。そこで現在、肥料の製造技術を応用し、環境に負荷をかけることなく残渣の水分含量を減らせる手法の研究・検討を進めています。
このほか、プラスチック資源循環法の施行など規制の強化を踏まえて、環境対応型包装資材への転換を検討しています。
廃棄物総排出量・最終処分量・再資源化率
環境パフォーマンスデータ
自然資源の有効活用
生物多様性の保全と自然資源の持続的な活用は相互に関連しています。そのため貴重な自然資源を余すところなく利用することはとても大切であると考えています。
ツムラグループでは生薬「陳皮」の国内増産にあたって、企業リレーションを図りながら自然資源の有効な活用に取り組んでいます。
缶詰・ジュース等のみかん加工品製造時に発生する「みかん生皮」はほとんどが産業廃棄物として処分されますが、適切な加工を施すことにより生薬「陳皮」の原料とすることができます。
当社では、取引先の「株式会社早和果樹園(そうわかじゅえん)」の協力のもと、3年かけて製造ラインを開発し、省力化と自動化を備えた陳皮の生産体制を整備しました。
これまで有効活用されていなかった「みかん生皮」を年間約200t以上、生薬原料としており、陳皮の国内調達率も飛躍的に向上しました。
「早和果樹園」のホームページにリンクhttps://www.sowakajuen.co.jp/