コーポレート・ガバナンス基本方針

  ツムラグループは、事業を行う上での原理・原則・理法であるプリンシプル「順天の精神」と、究極的に成し遂げる事業の志であるパーパス「一人ひとりの、生きるに、活きる。」を掲げ、経営理念「自然と健康を科学する」、企業使命「漢方医学と西洋医学の融合により世界で類のない最高の医療提供に貢献します」、これら基本理念に基づく経営を実践しております。持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、経営の健全性・透明性・公正性を確保し、迅速・果敢な意思決定を行うため、コーポレート・ガバナンスの強化に努めることを基本方針としています。

  2017年6月より、機関設計として、監査役設置会社から監査等委員会設置会社に移行するとともに、取締役会は、独立社外取締役5名(うち、監査等委員2名)および業務執行取締役3名・取締役常勤監査等委員1名で構成し、社外取締役を過半数としております。これにより取締役会は、業務執行の監督機能をより一層強化し、一部の重要な業務執行の意思決定を受任取締役へ委任することで、意思決定の迅速化を実現しております。同時に、取締役会は、社外取締役と代表取締役社長で構成する指名諮問委員会(委員長:社外取締役)および報酬諮問委員会(委員長:社外取締役)を設置しております。

両委員会は取締役会からの諮問を受け、指名諮問委員会は、経営トップの選解任・再任の適否の判断、経営トップの後継者育成計画の策定・運用への主体的な関与によるプロセスの客観性・適時性・透明性の確保ならびに後継者指名の適切性の担保などを行い、報酬諮問委員会は、経営トップの評価・報酬についての監督などを行い取締役会へ答申をしており、取締役会はこれらを最大限尊重しております。

  また、コーポレート・ガバナンスの実効性を高める取り組みとして、外部評価機関のアドバイスに基づき、毎年、取締役会の実効性アンケートを実施し、項目ごとの評価・反省・課題抽出・改善策・重要経営テーマ設定などに率直な議論・意見交換を行うことで、情報の非対称性を解消し、業務執行のモニタリングの強化に努めております。

  今後とも、持続的なグループ事業の成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの進化・深化に取り組んでまいります。

代表取締役社長CEO

加藤照和

第1章 総則

1.目的

ツムラグループは、パーパス※を掲げた理念経営、ビジョン経営のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るにあたり、経営の透明性・公平性を高めるとともに、ステークホルダーの皆様への説明責任を果たすために、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方とその枠組みならびに取り組み方針をまとめた「コーポレート・ガバナンス基本方針」を制定し、コーポレート・ガバナンスの充実に向けて継続的な取り組みを行います。

  • 2022年4月、創業の精神でもあり、事業を行う上での原理・原則・理法であるプリンシプル「順天の精神」を原点に、究極に成し遂げる事業の志として、パーパス「一人ひとりの、生きるに、活きる。」を掲げ、そのプリンシプルとパーパスを頂点にTSUMURA GROUP DNA Pyramidを刷新いたしました。

2.コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

ツムラグループは、事業を行う上での原理・原則・理法であるプリンシプル「順天の精神」と、究極的に成し遂げる事業の志であるパーパス「一人ひとりの、生きるに、活きる。」を掲げ、経営理念「自然と健康を科学する」、企業使命「漢方医学と西洋医学の融合により世界で類のない最高の医療提供に貢献します」、これら基本理念に基づく経営を実践しております。持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、経営の健全性・透明性・公正性を確保し、迅速・果敢な意思決定を行うため、コーポレート・ガバナンスの強化に努めることを基本方針としています。
2017 年 6 月より、取締役会の監督機能をより一層強化すべく、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しております。経営の監督と執行の分離、取締役会構成員の過半数に社外取締役を選任することなど、経営監督機能の強化、経営体制の革新に努め、今後も「経営の透明性の確保」「経営の効率性の向上」「経営の健全性の維持」が実行できる体制の整備 を継続して進めてまいります。

3.適切な情報開示

ツムラグループは、様々なステークホルダーの皆様との長期的な信頼関係を構築することを目的として、ステークホルダーの皆様に必要と考えられる情報を、法定開示および任意開示の両面において、迅速かつ正確に公平性に配慮して開示します。

4.制定・改廃

本基本方針の制定・改廃は、取締役会の承認を得ることとします。

第2章 ステークホルダーとの関係

1.株主との関係

  1. 株主の権利・平等性の確保
    当社は、全ての株主に対して実質的な平等性を確保するとともに、株主の権利の確保と適切な権利行使に資するため、迅速かつ積極的な情報開示を行います。また、定款や関連規則の整備、株主総会の運営や議決権行使方法の適切な対応に努めます。
  2. 株主総会における権利行使のための環境整備
    当社は、株主総会を最高意思決定機関と位置付け、株主権利が適正に行使できるよう、株主平等原則に基づき、議決権電子行使プラットフォーム、招集通知(事業報告)の内容充実、招集通知の早期発送、発送前WEB開示等を通じて、議決権を有効に行使していただけるように努めます。
  3. 資本政策の基本的な方針
    当社は、"漢方"が持続的に発展・成長するための事業投資を通じて、企業価値の向上を図ることが、最終的に株主・投資家の皆様への最大の還元になるものと考えております。そして、ROEを持続的な株主価値向上に関わる重要な経営指標として捉え、収益力や資産効率を高めることで、資本コストを上回るROEを目指してまいります。また、財務基盤の健全性を確保しながら経営効率を高め、営業キャッシュフローや負債の活用、最適資本構成から許容される資金を、成長投資と株主還元へ適切に分配してまいります。なお、株主還元においてはDOE(株主資本配当率)を指標として設定し、堅牢なバランスシートに依拠して、長期的な配当拡充を目指してまいります。
    項目 指標 2031年度に目指す水準
    経営効率 ROE 10%
    財務基盤の健全性 自己資本比率 50%以上
    配当 DOE(株主資本配当率) 5%
    • 上記の業績見通し等の将来に関する記述は、2031年度に目指すべき方向性のビジョンであり、今後様々な要因により上記数値と異なる可能性があります。
  4. 政策保有株式に関する方針
    1. 当社は、政策保有株式を縮減していく方針としております。一方、取引先との長期的・安定的な関係を構築・維持することが重要と考えており、このため、取引先との事業上の関係等を総合的に勘案し、企業連携が高まり、企業価値向上につながる株式のみを現在保有しております。保有株式については、当社の資本コストを勘案した上で、取締役会にて中長期的な関係維持、取引拡大、シナジー創出等の可否を原則として、個別に保有の検証を行い、冒頭の方針に基づき、保有意義が低下した銘柄等については売却の対象としております。
      なお、議決権行使については、当該企業の価値向上に資するものか否かを判断する上で、財務状況や社会的貢献度、企業統治に問題が発生していないかどうかを鑑みて適切に議決権を行使しております。
    2. 当社は、自社の政策保有株主から、売却等の意向が示された場合には双方で協議し、売却等を妨げることはいたしません。
    3. 当社は、政策保有株式について、保有目的、リターンとリスクを踏まえ、政策保有株式それぞれについて検証を行い、会社や株主共同の利益を害することのないように対応します。
  5. 関連当事者間の取引
    取締役の競業取引、会社と取締役間の取引については、「取締役会規則」において取締役会決議事項および報告事項として明示し、取締役会において審議します。
  6. 株主との建設的な対話を促進するための体制整備・取り組みに関する方針
    当社は、株主との建設的な対話を促進するため、以下の体制整備・取り組みを行います。
    1. IR専任部署の設置
    2. 代表取締役、IR担当取締役等による決算説明会(年4回)の実施
    3. IR専任部署による投資家説明会、施設見学会、取材対応の実施
    4. 外部調査機関による株主等への調査
    5. ディスクロージャーポリシーに則った株主との対話の実施

2.株主以外のステークホルダーとの関係

  1. 社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題への対応
    当社の漢方・生薬事業は、原料の栽培・調達からはじまり、品質管理、製造、流通、情報収集・提供、研究・開発という多くの過程で関わる全てのステークホルダーとの協働により製品を製造・販売しております。また、健康・疾病、医療、産業・地域活性等において様々な社会課題を認識し、その課題を事業活動において取り組むべき「ツムラの重要課題」と特定し活動しております。この重要課題への取り組み、社会との共通価値創造と持続可能な発展へ貢献することが当社の果たすべき社会的責任であると考えています。また、国連が提唱する「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」の達成にも貢献していきます。
  2. 行動規範の策定・実践
    ツムラグループは、プリンシプル、パーパスおよび経営理念のもと、企業使命を果たすとともに、社会課題の解決と持続可能な社会の創造に貢献するため、サステナビリティビジョンの実現に向けた理念経営を実践しており、その基本方針である「サステナビリティ憲章」のもと、関連規則を定めております。また、毎年実施するアンケートや社内外で発生した事象等を踏まえ、コンプライアンス推進活動方針を「コンプライアンス委員会」で審議・策定の上、各業務担当部門及びグループ会社に対して提示・指示し、推進活動を各職場で実施しております。なお、推進活動方針や活動実施後のアンケート結果検証等については、コンプライアンス担当役員が取締役会へ報告し、取締役会はその内容を監督します。
  3. 多様性の確保
    ツムラグループは、人財こそが中長期的に企業価値を向上する重要な資本(人的資本)と考えており、性別や国籍、新卒・中途に関係なく、能力や適性を重視する人物本位の人財登用を実施します。今後のグローバルな事業展開や多様な市場ニーズに対応した新規ビジネスの開発、付加価値の創造に取り組むためには、多様な視点や価値観を尊重することが重要と考えています。そのために経験・技能・キャリアが異なる人財を積極的に採用し、これらの人財が活躍できる職場環境の整備に取り組みます。
  4. グループ内部通報制度
    ツムラグループは、問題が発生した、または発生するおそれがある場合に、すみやかに発見・是正するため、関連規則により内部通報制度を整備します。この制度は、従業員等が不利益を被る危険性を懸念することなく、違法または不適切な行為・情報開示に関する情報や疑念を伝えることができるものであり、これらの情報が客観的に検証・活用されるよう、適切な体制を整備します。また、経営陣から独立した相談窓口として弁護士窓口および第三者機関窓口を設置すること、公益通報対応従事者を指定すること、情報提供者の秘匿と不利益取扱を禁止すること等を関連規則に定めており、その運用をイントラネットや社内掲示物等により周知します。

第3章 コーポレート・ガバナンス体制

1.取締役会・取締役

  1. 取締役会の役割・責務
    ツムラグループは、パーパスを掲げ、経営理念および企業使命を基本理念とし、全ての意思決定は、基本理念に照らし合わせて行う理念に基づく経営を実践します。取締役会は、持続的な成長、中長期的な企業価値の向上に資する経営戦略や経営計画等については、建設的な議論、適切なリスクテイクの判断のもと意思決定します。また、重要な業務執行については、将来予想や客観性、透明性、公正性等を勘案の上、十分な審議過程を経て意思決定します。
  2. 取締役会への委任の範囲
    取締役会は、法令または定款で定められた事項のほか、重要な事業計画等の基本方針、一定額以上の固定資産の取得・処分等、「取締役会規則」に定めた決議事項について意思決定し、「取締役会規則」に定めた決議事項以外については、業務執行取締役および執行役員を中心とする経営陣幹部に業務執行に関する重要事項の意思決定を委任します。
    また、監査等委員会設置会社への移行に伴い、取締役へ重要な業務執行の決定の一部を委任することにより、経営陣幹部に対する委任の範囲を拡大するとともに、業務執行に関する報告事項を具体的に明示することで取締役会のさらなる監督機能の強化を図ります。
  3. 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の任期
    1年
  4. 取締役会の構成
    当社は、定款の定めにより、取締役の員数を4名以上とします。また独立社外取締役が過半数となるよう選任し、専門分野における個々の高い資質を経営に活かすことに加え、女性役員の起用など多様性を考慮しながら、最適な規模で実効性のある取締役会となるよう努め、コーポレート・ガバナンスが十分に機能する体制を整えます。
  5. 取締役会の運営、議長の役割
    取締役会は、法令に別段の定めがある場合を除き、定款および「取締役会規則」の定めるところにより、取締役社長が招集し、議長を務めます。

2.監査等委員会・監査等委員(取締役)

  1. 監査等委員会の役割・任務
    監査等委員会は、内部監査部門である監査室との連携等による組織的監査、監査等委員自らが行う執行役員等からの業務執行状況の聴取、グループ会社の取締役および監査役等との情報交換、財務報告に係る内部統制を含めた内部統制システムの整備・運用の状況等の監視・検証を通じて、取締役の職務執行の適法性および妥当性を監査します。
  2. 監査等委員である取締役の任期
    2年
  3. 監査等委員会の構成
    監査等委員会は、3名以上の監査等委員である取締役で組織し、その過半数は社外取締役とします。

3.独立性基準

当社は、独立性基準を策定し、この基準を満たす独立社外取締役を選任します。

4.会計監査人による適切な監査

当社では、監査等委員会、経理部門・内部監査部門等の連携により、監査日程や監査体制の確保等、外部会計監査人が適切な監査を行えるよう体制確保に努めます。

5.指名諮問委員会および報酬諮問委員会

  1. 指名諮問委員会および報酬諮問委員会の役割・任務
    指名諮問委員会および報酬諮問委員会は、取締役会の決議に基づき設置、運営します。
    [指名に関する事項]
    取締役および執行役員の選解任ならびに経営幹部候補者育成プログラムに関して、透明性と客観性を高めるとともに、適格性の観点から候補者の確認を行い、取締役会に答申します。
    [報酬に関する事項]
    取締役および執行役員の報酬制度設計ならびに個人別の報酬額の算定に関して、透明性と客観性の観点から確認・審議し、取締役会に答申します。
  2. 指名諮問委員会および報酬諮問委員会委員の任期
    1年
  3. 指名諮問委員会および報酬諮問委員会の構成
    取締役会が選定する取締役で構成し、過半数を社外取締役とします。委員長は委員である社外取締役の中から選任します。

6.取締役会の実効性

当社は、取締役会の実効性を高めることを目的に、毎年度「取締役会の実効性評価・分析」を行い、評価結果を開示します。取締役会の監督機能を強化して経営の健全性および透明性を一層向上させるとともに、取締役会から業務執行の機能を分離することで迅速かつ果断な意思決定が可能となる体制を構築します。そのため、取締役会の監督・モニタリング機能を強化する観点から、取締役会実効性評価結果の分析により抽出された課題について、継続的な改善に努め、さらなる実効性向上に取り組みます。

7.取締役(監査等委員を含む)のトレーニング方針

取締役が期待される役割・責務を適切に果たすことができるよう、経営や企業倫理の醸成を含め必要な知識の習得や研鑽に努めることができる定期的なトレーニングの機会を提供します。社外取締役には、医薬品業界や製造業への理解を促すことを目的に、各部門の業務説明や工場施設等を視察する機会を提供します。

以上
2022年10月1日制定

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