業績情報・業績の見通し
直近の業績情報
当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績の概況
当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。
[連結業績]
(単位:百万円)
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
対前年同期増減額 (増減率) |
|
---|---|---|---|
売上高 | 129,546 | 140,043 | +10,497 (+8.1%) |
国内事業 | 119,567 | 124,684 | +5,116 (+4.3%) |
海外事業 | 9,978 | 15,359 | +5,380 (+53.9%) |
営業利益 | 22,376 | 20,916 | △1,460 (△6.5%) |
経常利益 | 25,904 | 23,453 | △2,451 (△9.5%) |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
18,836 | 16,482 | △2,354 (△12.5%) |
医療用漢方製剤 129処方売上高合計 |
114,165 | 119,362 | +5,197 (+4.6%) |
売上高は、前連結会計年度と比べ8.1%増加し、140,043百万円となりました。
国内の売上高は、前連結会計年度と比べ4.3%増加し、124,684百万円となりました。医療用漢方製剤129処方の売上高は、e-プロモーションの拡充を進めたことに加え、新型コロナウイルス感染時の症状(発熱、咳等)や後遺症(咳、倦怠感、不安等)に関連する処方及び7~8月の猛暑による季節性の症状(食欲不振、夏やせ等)に用いられる処方が伸長した結果、前連結会計年度と比べ4.6%増加しました。育薬処方※1の合計は、前連結会計年度と比べ0.6%増加し、主力である大建中湯は前連結会計年度と比べ1.8%増加しました。Growing処方※2の合計は、前連結会計年度と比べ10.3%増加しました。
[育薬・Growing処方の売上高]
(単位:百万円)
売上順位 | 製品No. / 処方名 | 2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
前年同期比 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
育薬処方 | 1 | 100 大建中湯 | 9,569 | 9,739 | +169 | +1.8% |
3 | 54 抑肝散 | 7,379 | 7,380 | +1 | +0.0% | |
4 | 43 六君子湯 | 7,231 | 7,300 | +69 | +1.0% | |
8 | 107 牛車腎気丸 | 3,509 | 3,421 | △87 | △2.5% | |
24 | 14 半夏瀉心湯 | 1,358 | 1,390 | +32 | +2.4 | |
育薬処方売上高合計 | 29,048 | 29,233 | +184 | +0.6% | ||
Growing処方 | 2 | 41 補中益気湯 | 7,232 | 7,727 | +494 | +6.8% |
5 | 17 五苓散 | 5,298 | 6,208 | +910 | +17.2% | |
6 | 24 加味逍遙散 | 4,833 | 5,050 | +217 | +4.5% | |
17 | 108 人参養栄湯 | 1,936 | 2,128 | +191 | +9.9% | |
18 | 137 加味帰脾湯 | 1,722 | 2,067 | +344 | +20.0% | |
Growing処方売上高合計 | 21,023 | 23,182 | +2,159 | +10.3% | ||
育薬・Growing処方以外の119処方合計 | 64,093 | 66,946 | +2,853 | +4.5% | ||
医療用漢方製剤129処方売上高合計 | 114,165 | 119,362 | +5,197 | +4.6% |
また、国内の一般用漢方製剤等の売上高は、取り扱い店舗数の拡大及び新型コロナウイルス感染時の症状に関連する処方が伸長した結果、前連結会計年度と比べ3.2%増加し、3,966百万円となりました。
海外の売上高は、原料生薬と飲片(刻み生薬)の販売を中心とする生薬プラットフォーム(平安津村薬業有限公司、深セン津村薬業有限公司等)の売上高が大きく寄与し、15,359百万円となりました。
売上原価は、売上高の伸長と原資材価格の高騰等により前連結会計年度と比べ13.8%増加し、71,762百万円となりました。売上原価率は、前連結会計年度と比べ2.5ポイント上昇し、51.2%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ7.4%増加し、47,365百万円となりました。主に天津工場の稼働に向けた一時費用によるものです。販管費率は、前連結会計年度と比べ0.2ポイント低下し、33.8%となりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度と比べ6.5%減少し、20,916百万円となりました。営業利益率は、前連結会計年度と比べ2.4ポイント低下し、14.9%となりました。経常利益は、為替差益の減少等により、前連結会計度と比べ9.5%減少し、23,453百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、中薬研究センターの建設計画の変更に伴う特別損失の影響もあり、前連結会計年度と比べ12.5%減少し、16,482百万円となりました。
※1 育薬処方:
近年の疾病構造を見据え、医療ニーズの高い領域において新薬治療で難渋している疾患で、医療用漢方製剤が特異的に効果を発揮する疾患に的を絞り、エビデンス(科学的根拠)を確立する処方
※2 Growing処方:
育薬処方に続く戦略処方として、治療満足度や薬剤貢献度の低い領域でのエビデンス構築(安全性・有効性データ等)により診療ガイドライン収載を目指す処方
限定出荷の状況について
当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の流行及び7~8月の猛暑等の季節的要因に伴い、想定を大きく超える受注が発生したため、2022年8月より28品目を限定出荷にしました。増産体制の確保、生産計画の調整により限定出荷の解除を順次行っております。5月9日時点においては24品目が限定出荷となっており、6月以降に順次解除する見通しです。引き続き社員一丸となって、安定供給に向けた生産体制の整備に尽力してまいります。
(2)当期の財政状態の概況
当連結会計年度末における財政状態は以下のとおりであります。
当連結会計年度末における資産合計は396,813百万円で、前連結会計年度末に比べ45,831百万円の増加となりました。流動資産は、社債の新規発行に伴う現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べて38,900百万円の増加となりました。固定資産は、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて6,931百万円の増加となりました。
負債合計は124,566百万円で、前連結会計年度末に比べて31,695百万円の増加となりました。流動負債は、買掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,329百万円の増加となりました。固定負債は、社債の増加等により前連結会計年度末に比べて30,365百万円の増加となりました。
純資産合計は272,246百万円で、前連結会計年度末に比べて14,136百万円の増加となりました。株主資本は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べて10,915百万円の増加となりました。その他の包括利益累計額は、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,360百万円の増加となりました。また、非支配株主持分は、前連結会計年度末に比べて1,860百万円の増加となりました。
以上の結果、自己資本比率は4.8ポイント減少して、63.5%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが16,452百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが15,493百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが24,423百万円の収入となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、16,452百万円の収入となりました。主な内訳は、収入項目では税金等調整前当期純利益23,018百万円、支出項目では法人税等の支払額6,134百万円であります。前連結会計年度との比較では、4,861百万円収入が減少しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、15,493百万円の支出となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出12,224百万円であります。前連結会計年度との比較では、6,382百万円支出が増加しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、24,423百万円の収入となりました。主な内訳は、社債の発行による収入29,857百万円であります。前連結会計年度との比較では、32,604百万円収入が増加しております。
その結果、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて27,194百万円増加し、94,730百万円となりました。
チャートジェネレーター
通期の業績予想
2024年3月期の業績予想につきましては、売上高は国内医療用漢方製剤ならびに中国事業の伸長傾向をふまえ150,500百万円を見込んでおります。このうち海外の売上高は17,200百万円の見込みです。利益につきましては、為替(円安)、エネルギーコストや原資材の高騰、一部の生薬調達価格上昇の影響等により、営業利益18,000百万円(13.9%減)、経常利益18,600百万円(20.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益13,000百万円(21.1%減)を見込んでおります。
国内事業においては、漢方医学に基づき医療用漢方製剤を10処方以上処方する医師が過半数となる医療現場の実現を目指し、MR活動とe-プロモーションとのハイブリッド型プロモーションを推進してまいります。医療従事者一人ひとりが求める情報を最適なチャネルから適切なタイミングで入手しご活用いただけるよう取り組みを進め、漢方市場の継続的拡大を目指してまいります。
中国事業においては、生薬プラットフォームにおける原料生薬、飲片(刻み生薬)の販売を拡大させるとともに、製剤プラットフォームにおける中成薬事業展開を目的として、2023年4月に陝西紫光辰済薬業有限公司の持分を100%取得する持分譲渡契約書を締結いたしました。同社は147の中成薬のライセンスを持ち、この中には古典処方のライセンスも多く含まれております。これらの古典処方はツムラの漢方製剤と類似しております。当社の品質管理、エビデンス構築、製造技術などのノウハウ・経験を活かすことにより、買収先の紫光辰済が所有する古典処方の品質をさらに向上させ、中成薬企業としてのブランドを確立し事業の拡大を図ってまいります。
(百万円)
2022年度実績 | 2023年度予想 | 前年比 | ||
---|---|---|---|---|
金額 | 伸長率 | |||
売上高 | 140,043 | 150,500 | +10,456 | +7.5% |
国内事業 | 124,698 | 133,300 | +8,601 | +6.9% |
中国事業 | 15,345 | 17,200 | +1,854 | +12.1% |
営業利益 | 20,916 | 18,000 | △2,916 | △13.9% |
国内事業 | 21,190 | 18,400 | △2,790 | △13.2% |
中国事業 | △273 | △400 | △126 | - |
経常利益 | 23,453 | 18,600 | △4,853 | △20.7% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 16,482 | 13,000 | △3,482 | △21.1% |
PL換算レート(円/元) | 19.55 | 19.00 |
2022年度実績 | 2023年度予想 | |
---|---|---|
ROE | 6.7% | 5.1% |
EPS | 215.63円 | 171.02円 |
※ 紫光辰済の持分取得に関する契約締結による影響は、業績予想には織り込んでおりません。
※ 為替影響(営業外損益)については、為替相場の状況から、合理的に算定することが困難であるため、業績予想には織り込んでおりません。
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