生薬の産地

ツムラ基準に合格した原料だけを使う――それを可能にするのが、「漢方は畑から」という考えに基づくツムラの生薬調達です。

ツムラは、日本・中国などの生産地から直接生薬を調達する仕組みを確立しています。植え付けから農薬や肥料の使用、収穫、加工までカバーする生産標準と生薬生産工程ごとの詳細なチェックリストを規定し、それらの遵守・運用ができる生産団体からのみ、生薬を調達しているのです。

生薬の主要生産地である中国各地には生薬市場が存在しますが、ツムラは、市場で生薬を購買していません。それは、市販の生薬がどこでどのように栽培・加工されたのか、追跡することが極めて困難だからです。生薬の品質や安全性を保証するためには、産地や生産工程を明らかにする「漢方は畑から」というアプローチが必要であると、ツムラは考えています。

日本

  • 北海道

    川芎(センキュウ)、当帰(トウキ)、附子(ブシ)、黄耆(オウギ)、蘇葉(ソヨウ)などを調達しています。2009 年 7 月に、道内の生薬の生産、保管などを目的に株式会社夕張ツムラを設立しました。

  • 岩手県

    蘇葉(ソヨウ)、附子(ブシ)、川芎(センキュウ)などを調達しています。当社の契約産地の中でも歴史のある産地で、東北の冷涼な気候を生かし生産者と共に生薬の生産を行っています。

  • 群馬県

    当帰(トウキ)などを調達しています。コンニャクの生産地としても有名な群馬県。当帰はコンニャクの輪作作物として相性が良く、冬の農閑期に作業ができる作物として栽培されています。

  • 和歌山県

    山椒(サンショウ)や陳皮(チンピ)など柑橘系生薬を主に調達しています。和歌山県は山椒の生産量が日本一です。中山間地で傾斜があり、寒暖の差が大きい土地が山椒の栽培に適しています。

  • 高知県

    山椒(サンショウ)、柴胡(サイコ)、枳実(キジツ)などを調達しています。当社は、高知県の「協働の森づくり事業」のパートナー企業として地域と協働し、森林再生による栽培地の自然環境保護と地域交流の促進を図っています。

  • 熊本県

    柴胡(サイコ)などを調達しています。畳の原料となるいぐさや葉タバコを栽培していた土地で生薬栽培を始める方が多く、盆地特有の寒暖差や水はけの良い土地が紫胡の栽培に適しています。

中国

ツムラで使用する約9割の生薬を中国から調達しています。中国からの生薬の調達に際しては、日中国交正常化の前から貿易交渉を行い、そこから40年以上かけて中国各地の生薬生産団体と直接契約する仕組みを構築しました。当社の子会社である深圳津村薬業有限公司および盛実百草薬業有限公司を通じて中国各地の生産団体に生薬の栽培・加工の指導をすることで、当社の基準を満たす生薬を調達するとともに、使用した肥料や農薬、栽培履歴などの追跡ができるトレーサビリティ体制を確立しています。

ラオス

桂皮(ケイヒ)、乾姜(カンキョウ)などを主に調達しています。当社の子会社であるLAO TSUMURA CO. , LTD.Laoは、ラオスにおける生薬の調達とともに、地域貢献として学校建設や不発弾処理などにも協力しています。

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