株主通信

90期(中間期)
2025年4月1日~2025年9月30日

証券コード:4540

社長あいさつ

代表取締役社長CEO

安定供給体制の強化と事業基盤の拡大を推進し、中長期的な企業価値向上へ

株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
第90期(中間期)の事業概況をご報告申し上げます。
当社グループは「TSUMURA VISION“ Cho-WA”2031」を掲げ、漢方薬・中薬を軸とした製商品・サービスを通じて、一人ひとりの心身と社会のwell-beingに貢献することを目指しており、2025年度はビジョン実現に向けた第2期中期経営計画の初年度にあたります。

本年度は、為替変動や物価上昇など、依然として厳しい事業環境が継続していますが、漢方製剤の将来の需要増を見据え、安定供給体制の維持・強化に向けた投資を進め、患者様のお役に立つ漢方製剤を安定的にお届けできるよう取り組んでいます。

上期の業績については、売上高は医療用漢方製剤の販売が計画を下回りましたが、加工費の低減活動や経費の削減、政策保有株式の売却等により、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する中間純利益は上期計画を達成しました。

中国事業の生薬プラットフォームにおいては、当初計画よりも1年前倒しで中薬企業との技術・資本提携が実現しました。このことは今後、中国事業の拡大を進めるうえで極めて大きな意味を持っていると考えております。本提携の実現に加え、今後の業績や費用低減の見通しを踏まえ、2025年度業績予想の上方修正および配当予想の増配、第2期中期経営計画の数値目標(2027年度)の上方修正も実施いたしました。

引き続き、長期経営ビジョンの実現に向けて全社一丸となって取り組んでまいります。
株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

決算ハイライト

業績の概況

2025年度中間期は、前年同期と比較して増収減益となりました。

売上高(億円)

売上高は、前年同期と比べ0.9%増加し89,897百万円となりました。国内事業は医療用漢方製剤において第2四半期(7~9月)は前年同期と比べて2.0%増加したものの、2025年3月末の流通在庫が高水準だったことに加え、限定出荷の影響が残り、第1四半期(4~6月)の売上高が前年同期と比べて4.1%減少したことにより、当中間連結会計期間の売上高は前年同期と比べ1.1%減少し、76,273百万円となりました。なお、実際の需要である実売数量(医薬代理店・卸から医療機関への納入)は前年同期比で2.6%増加しました。また、国内事業のヘルスケア製品(一般用漢方製剤等)の売上高は、取り扱い店舗数が拡大したことにより、前年同期と比べ22.1%増加し、2,719百万円となりました。中国事業は生薬プラットフォームにおいて、原料生薬と飲片(刻み生薬)の販売が拡大したことで前年同期と比べ13.9%増加し、10,357百万円となりました。

営業利益(億円)

営業利益は、前年同期と比べ18.8%減少し17,119百万円となりました。生薬費および加工費などの原価上昇や給料諸手当、情報提供活動費用、DX関連費用など販管費の増加の影響によるものです。

親会社株主に帰属する当期純利益(億円)

親会社株主に帰属する中間純利益は、円高にともない海外子会社への貸付金に係る為替差損を計上したものの、政策保有株式の売却にともなう特別利益を昨年度と概ね同水準の1,976百万円計上したことで、前年同期と比べ28.7%減少の12,477百万円となりました。

通期業績予想の修正

単位:億円

2025年度
期初予想
2025年度
修正予想
増減
金額 増減率
売上高 1,880 1,980 +100 +5.3%
営業利益 342 350 +8 +2.3%
経常利益 340 345 +5 +1.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 230 243 +13 +5.7%
ROE 7.5% 8.0%

上期の業績と今後の見通しを踏まえ、2025年11月10日に業績予想の修正を公表しました。
売上高については、持分取得した上海虹橋中薬飲片有限公司(以下、虹橋飲片)の連結子会社化により、期初発表予想に対し100億円上回る1,980億円となる見込みです。
営業利益については、虹橋飲片の連結子会社化にともなう影響は、のれん償却および取得初年度特有の会計処理に関する費用等により軽微と想定している一方、加工費の低減や販管費の抑制等により、期初予想に対し8億円上回る350億円となる見込みです。
経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益については、営業利益の上方修正に加え、政策保有株式売却等により、前回発表予想に対し経常利益が5億円上回る345億円、親会社株主に帰属する当期純利益が13億円上回る243億円となる見込みです。

第2期中期経営計画(2025年度~2027年度)の数値目標の修正

数値目標(2027年度)

単位:億円

修正前 修正後
売上高 2,340 2,340
営業利益 430 460
ROE 8.0% 9.0%

第2期中期経営計画の数値目標については、インフレにともなうコストの高止まりなどが見込まれるものの、虹橋飲片の決算連結に加え、生薬費の低減や全社的なコストマネジメントのさらなる徹底による販管費抑制により、当初目標を上回ることが可能と判断し、営業利益およびROEを上方修正しました。

株主還元方針

当社は、株主様に対する利益還元を重要な政策と考え、「TSUMURA VISION “Cho-WA”2031」の実現に向けた中長期的な企業価値向上の取り組みとして、株主資本配当率であるDOEを指標として、2031年度に目指す水準を5%と設定し、健全なバランスシートを保ちながら配当拡充を目指しています。

2025年11月10日に発表した業績予想の修正により、DOEを当初予想の3.4%から前期実績と同水準の3.6%といたします。その結果、2026年3月期の年間配当金を一株あたり8円増配の144円(うち中間配当金は68円、うち期末配当金は76円)とします。

配当金の推移(円)

  • 2025年度期末配当金・DOE(予想)は、第90回 定時株主総会による決議が前提の予想値を記載

統合報告書2025のご紹介

統合報告書(Integrated Report)はステークホルダーの皆さまに、中長期的視点で当社の企業価値向上への取り組みをご理解いただくために発行しております。
ツムラグループの取り組みをぜひご覧ください。

TOPICS

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1

#OneMoreChoice プロジェクト
―企画展『違いを知ることから始めよう展』開催報告―

当社は生理のつらさを我慢しなくていい社会を目指して活動しています。
その一環として、生理・PMSをテーマとした企画展『違いを知ることからはじめよう展』を2025年7月24日(木)から27日(日)までの4日間、東京・丸の内の丸ビル1Fイベントスペース「マルキューブ」(東京都千代田区)にて開催し、4,886人が来場しました。

  • 企画展全景
  • 生理・PMSの症状によって
    「いつも通りにいかない」状態を疑似体験できる部屋

TOPICS

2

生薬残渣を活用した「生薬リサイクル紙」の協働開発に成功

伊藤園の独自技術「茶殻リサイクルシステム」を応用した異業種連携により、今後も社会課題をともに解決していきます。

TOPICS

3

小児がんと向き合う子ども・家族を支援するイベントを開催

当社は、特定非営利活動法人ジャパンハートが取り組む「スマイルスマイルプロジェクト」に協賛し、子ども支援活動の一環として「ツムラ・キッズセミナー」を8月22日(金)に開催しました。小児がんを経験した子どもとその家族を招待し、クリスタルアートリウム作りや漢方クイズに取り組んだほか、座談会を通じて参加者同士の交流を深めてもらいました。

社員の想いや社内での取り組み、歴史など、
ツムラをより身近に感じていただけるようなストーリーを発信しています。

TOPICS

4

TVアニメ『薬屋のひとりごと』タイアップ企画を実施

当社の食品ブランド「ツムラのおいしい和漢ぷらす のど飴シリーズ」は、TVアニメ『薬屋のひとりごと』とのタイアップ企画を実施しています。(キャンペーン期間 2025年11月4日~2025年12月31日)

対象商品を購入後、特設サイトからご応募いただくと、抽選でオリジナルデザインのアクリルスタンドやQUOカード、ポスターが当たるキャンペーンを2025年12月31日まで展開しています。

その他のニュース、イベントなどの各種情報をご覧いただけます。

漢方に関する情報の発信

Kampo View ポータルサイト

Kampo Viewは漢方の基本から健康に役立つ情報、専門的な医療の話題まで、心と体の健康をサポートする漢方について分かりやすくお伝えしている情報サイトです。

生理の悩み 相談しようプロジェクト

当社は、月経関連の症状について婦人科へ相談することの重要性を啓発する「~あなたの答えがきっと見つかる~ 生理の悩み相談しようプロジェクト」を始動しました。
月経に伴う不調において、十分な対処がなされず症状を抱えたままの方に対し、一人ひとりが自分に合った対処法を見つけられるようサポートするとともに、早期に医師へ相談する大切さを啓発しています。

人生の後半戦に備えよう!50歳からのフレイルアクション

フレイルとは、歳とともに、体力・気力が低下した状態のこと。早期からのフレイル対策の重要性を啓発する「50歳からのフレイルアクション」プロジェクトの一環として、「50歳からのフレイル川柳」キャンペーンを2025年9月1日(月)から10月31日(金)まで実施しました。
ご自身の体験や周りの人の様子などを「あるある」川柳として応募いただくことで、フレイルを自分ごととして捉え、こころとからだの健康について考えるきっかけとなることを目指しています。多数のご応募をいただき、結果発表は2026年2月頃を予定しています。

株主の皆様へのお知らせ

株主優待のご案内とご報告

【保有年数継続3年以上】

ツムラのくすり湯バスハーブ
・100株以上小(210ml)×1本
・1,000株以上大(650ml)×1本

ツムラ漢方記念館見学会ご招待
・100株以上の株主様から抽選でご招待

リニューアルしたツムラ漢方記念館で株主様と交流

2025年4月、ツムラ漢方記念館見学会を計4回実施し、延べ113名の株主様にご参加いただきました。
ツムラ漢方記念館は2008年にリニューアルオープンいたしましたが、このたび、17年ぶりに一部リニューアルを行い、今回はその記念館にて初めての見学会となりました。
館内では、生薬に直接触れられる体験型展示や当社の品質への取り組みを紹介する映像などを通じて、「漢方の歴史を学び、原料の生薬を見て触れ、ツムラの製品づくりを知る」という流れで、漢方への理解を深めていただきました。
屋外では、「薬草見本園」にて山椒や薄荷などの薬草をご覧いただき、香りの違いを楽しみながら、漢方が日常の暮らしと深く関わっていることをご実感いただきました。収穫時期によって山椒が食用と生薬に分けられるといった説明に驚かれる参加者の姿も見られました。
アンケートでは、「ツムラに対する安心感と満足感を強く感じた」「五感を活用して楽しむことで理解がより深まった」など、当社への信頼感や今後への期待が寄せられました。また、「時間が足りないほど内容が充実していた」「再訪したい」との声も多く、特別な体験となった様子がうかがえました。
今後も株主の皆様に当社への理解と親しみを深めていただける機会を継続してご提供してまいります。

  • 薬草見本園や生薬体験コーナーで、薬草や生薬を五感で感じていただきました
  • 当社の歴史や漢方について、展示や解説を通じて理解を深めていただきました

株主様アンケートへの
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当社では、株主の皆様の声をお聞かせいただくため、アンケートを実施いたします。
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