ツムラグループのサステナビリティ
ツムラグループにおける「サステナビリティ経営」とは、「サステナビリティビジョン」の体現に他なりません。 自然の恵みである生薬を活かす事業を進化させ、未来へつなげていく私たちだからこそ、自然環境の変化や危機に最も敏感な企業でなければなりません。そして、自然の恵みを最大限に活かし、人々の健康と医療に貢献し続けること――サステナビリティビジョン「自然と生きる力を、未来へ。」にはその想いが込められています。漢方バリューチェーンを通じて、持続可能な人間・社会・地球環境の実現を目指します。生薬はもとより水・空気に至るまですべてを自然に返す、当社グループならではの循環型社会に向けて取り組んでいきます。 究極的に成し遂げる事業の志「一人ひとりの、生きるに、活きる。」を掲げ、経営理念「自然と健康を科学する」を標榜する当社グループのサステナビリティビジョンは、長期経営ビジョンを通じて具体的な活動に落とし込まれています。長期経営ビジョン「TSUMURA VISION “Cho-WA”2031」は「“Cho-WA”( 調和)のとれた未来を実現する企業へ」をテーマとし、3つの“P”を通じて、心と身体、個人と社会、漢方医学と西洋医学の“Cho-WA”( 調和)のとれた未来を目指しています。
サステナビリティビジョン
自然と生きる力を、未来へ。
人類の叡智である漢方。
その漢方がもたらす調和を、すこやかな巡りを
人間だけでなく社会にまで、地球にまで。
人間本来の生きる力を引き出す、心身の調和と循環はもちろん。
すこやかな人々がいきいきと生きる、社会。
そして、有限の資源がよく循環する地球環境づくりまでが
私たちツムラの仕事になっていく。
ツムラは自然と健康の科学で、
人、社会、そして地球がよい調和をもち豊かにすこやかに巡る、
そんな地球全体のウェルビーイングを実現していきます。
誰よりも、自然環境に敏感な企業としてあり続けながら。
自然の力を、もっと人間の力に。
自然の力を、ずっと人間の力に。
サステナビリティ委員会
気候変動等の地球環境問題への配慮、人権の尊重等、サステナビリティに関する課題への対応は、重要な経営課題であると認識しています。取締役会直下のサステナビリティ委員会では、このような課題を具体的な戦略に反映すべく、全体の方向性や活動等を検討、モニタリングを行うとともに、委員会配下に5つの分科会を設置し、中長期環境目標等に基づいた各本部の知見や経験、研究成果を部門横断的に検討しています。2023年度には「委員長報告会」も設置し、サステナビリティに関する各分科会の進捗報告とそれに対する経営の指示が迅速に行われる体制を構築しています。社会環境の変化や時代の要請を踏まえて柔軟に対応することで、実効的なサステナビリティ活動を追求・推進していきます。

サステナビリティ活動の推進に向けた取り組み
また、第2期中期経営計画より、サステナビリティ区分「カーボンニュートラルの実現」、「ネイチャーポジティブの実現」、
「ツムラサーキュラーエコノミーの構築」「地域・社会リレーション構築」の4つの観点からサステナビリティ活動をとらえ、
その活動全体において、ガバナンス・評価を向上させることを戦略としています。
気候、自然資本は密接で不可分であるとの考え方のもと、後述する第2期中長期環境目標では、サステナビリティ区分とマテリアリティを紐づけ、
自然資本への依存・影響を考慮し、気候変動やネイチャーポジティブに対する直接的な目標を設定しています。

2025年度ー2027年度 中長期環境目標
<2025年度より新たに設定した第二期中長期環境目標>
基準年:2020年度
マテリアリティ※1 | サステナビリティ区分 | 大項目(課題) | LTI-Ⅱ※2 | 指標 | 目標 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2027年度 | 2031年度 | |||||
自然① | カーボンニュートラル の実現 |
GHG | 〇 | GHG排出量削減(Scope1,2) | 15%削減 | 50%削減 |
サプライチェーンエンゲージメント(Scope3)件数 | 生薬・原資材等:51件 | ― | ||||
自然② 自然③ |
ネイチャーポジティブ の実現 |
生薬の栽培化研究 | 〇 | 野生生薬の栽培化(品目数) | 7品目※3 | 23品目 |
森林・土壌・水源の涵養 | 生物多様性保全活動 (地域数) | 4件 | ― | |||
自然共生サイト登録 | 2件 | ― | ||||
自然④ | ツムラサーキュラー エコノミーの構築 |
プラスチック | 〇 | 新素材化率(%) | 30% | 50% |
産業廃棄物 | 生薬残渣の利活用推進(有価物化、%) | 30% | ― | |||
水 | 水の再利用率(%)※4 | 60% | ― | |||
健康① | 地域・社会 リレーション構築 |
生薬産地・生産拠点等の
|
生薬栽培地や地域との協働 (次世代育成) |
6件 | ― | |
役職員向けサステナビリティ教育 e-learning(件) |
5件 | ― |
- ※1当社マテリアリティの一部が中長期環境目標に紐づいています。略号は、自然①:気候変動対策(カーボンニュートラルの実現)、自然②:生物多様性の保全(森林・土壌・水源の涵養)、自然③:持続可能な原料調達(生薬の栽培化研究等)、自然④:資源の循環利用(水・生薬残渣の再資源化)、健康①:天然物由来の高品質な医薬品・製商品へのアクセス拡大、を意味します。マテリアリティに関する詳細については右記をご覧ください 価値創造ストーリーとマテリアリティ
- ※2〇を付したものは、中長期業績連動株式報酬(LTI-Ⅱ)の指標の一部として管理されています
- ※3当社で使用する生薬119品目のうち、野生生薬の品目数は基準年(2020年度)において34品目です。今回からは、このうち完全に栽培化した品目の数(野生生薬を使用しない品目数)を指標にします
- ※4対象は、静岡・茨城・上海・天津の4工場です。ツムラグループ全体の排水量のうち、およそ96%(2022年度実績)はこの4工場が占めています。工場では、取水時よりも清浄な水を排水しています。