腹式呼吸


呼吸は人の鼻より常に出入りする息のことである。
呼(こ)は出る息で、身体の中の気を吐くことを指す。
吸(きゅう)は入る息で、外気を吸うことを指す。
呼吸は人の活気の元である。
(中略) 時々、鼻から外気を多く吸い込むのがよい。
吸い込んだ空気が、腹中に多く溜まったならば、口から少しずつ吐き出すのがよい。
決して、急いだり、荒く吐いてはならない。
益軒さんは生命維持の基本である呼吸を重視し、腹式呼吸法をすすめている。
新しい空気を吸って、身体の中の古い空気を時間をかけて吐き出し、静かに交換せよと教えている。
【原文】
「呼吸は人の鼻よりつねに出入る息也。呼(こ)は出る息也。内気をはく也。吸(きゅう)は入る息なり。外気をすふ也。呼吸は人の生気也。 (中略) 時々鼻より外気を多く吸入(すいいる)べし。吸入ところの気、腹中に多くたまりたるとき、口中より 少(すこし)づつしづかに吐き出すべし。あらく早くはき出すべからず。」
(巻第 2 ・ 総論 下)